気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の違いを「街の先輩」に聞いてみました!「街の先輩に聞く!」、 第31弾は「等々力」です。


東京23区内で、唯一「渓谷」がある街をご存知ですか? 大井町線で二子玉川から2駅、自由が丘まで3駅というアクセスのよさでありながら、渓谷を中心に豊かな自然が広がる、等々力。思わず深呼吸がしたくなるこの街の魅力を探ろうと、渓谷に面したイタリアンレストラン「OTTO」を訪ねました。

■毎日自然を感じることができる東京

渓谷とは、2つの山に挟まれたところにある川のこと。川の両側が切り立っているのが特徴で、等々力渓谷も谷沢川の両側が切り立っており、国分寺崖線を川が侵食してできたといわれています。等々力駅から渓谷に向かうと「ゴルフ橋」という橋が渓谷にかかっていて、その横に遊歩道への入り口があります。

等々力駅周辺の様子。ローカル感たっぷりな駅舎の雰囲気。

等々力渓谷への入り口はゴルフ橋の横に。

渓谷の川沿いは都心と比べると何度か気温も低いらしいです。いつも渓谷を通って通勤しているんですが、歩いてて気持ちいいですねやっぱり。

そう話すのは、渓谷に面したイタリアンレストラン「OTTO」の小寿田紗実(こすた・さみ)さん。栃木県出身で沖縄の石垣島などでも働いたことがあるという小寿田さんは「田舎から出てきたので、人混みがごちゃごちゃしていないし、毎日自然を見ることもできて東京という感じがあまりしないのがいい」と、街の魅力を語ります。

■観光地のにぎわいと、地元ののんびりした空気

小寿田さんが腕を振るう「OTTO」があるのは、等々力駅から渓谷を下って環状八号線と交差する地点、昭和54年築のマンションの一角です。渓谷から階段を上って直接お店に行けるようになっています。同店になる前はフレンチレストランで、OTTOも開店当初は高級レストランでしたが、徐々にカジュアルになっていったそう。

休日、特に花見シーズンや紅葉シーズン、ゴールデンウィークなんかは観光客がたくさん来て、うちのお店も団体さんも含めてお客さんでごった返します。最近は外国人観光客も結構来られます。

東京都の名勝にも指定されている等々力渓谷は、都内を巡るバスツアーに含まれることもある観光スポット。観光客もたくさん訪れるのですが、平日に行くと人もまばらで、澄んだ空気と静けさをゆっくり味わうことができます。

観光シーズン以外は、お店も地元のお客さんが中心でのんびりした感じです。地元の人達は生活に余裕があるのか、せかせかしていないというかゆったりしていますね。年配のご夫婦やおひとりの方が多くて、休日は小さなお子さんを連れたご家族が多いです。

■穏やかで「変わらない」ことが魅力

お店の周りには、お寺や古墳など、自然や歴史を感じられる場所が多くあります。OTTOから渓谷沿いに南に歩いた場所にある等々力不動尊からは渓谷の自然を見下ろすことができ、まるで山の上にやってきたような気分が味わえます。その手前の「雪月花」というお茶屋さんは、行楽シーズンは観光客でごった返すものの、普段はゆっくりとお茶とお菓子を楽しめます。

等々力不動尊の様子。左下の写真が、お茶屋「雪月花」。

西側の歩いてすぐの場所には、都指定史跡の「野毛大塚古墳」があります。古墳とその周囲は公園になっていて、グラウンドやプールなどもあり、親子連れや子供たちが多く訪れます。高さ11メートルという古墳は、上にも登れてそこも子供の遊び場になっていますが、登ると渓谷を含めて周囲が見渡せて、風も通る気持ちのよい場所です。

このあたりは本当に渓谷以外は特になにもなくて、変わらずずっと穏やかな感じ。でも、その変わらないことも魅力なんじゃないかと思います。

環八沿い以外は高い建物もなく、緑も豊富で広々とした感覚を街全体から感じます。子供たちの姿も多く、きれいな空気とゆったりした雰囲気が流れています。

豊かな自然が広がる一方で、古墳から渓谷の反対側を見ると第三京浜の玉川ICがあり、環八をさらに進むと東名高速の用賀ICもあり、車があればどこに行くにも便利な場所でもあります。二子玉川や田園調布もすぐ近く。身近に本当の自然がある都会、等々力はそんな街なのです。

OTTO
住所:世田谷区野毛1-17-11 B1F
電話番号:03-3704-3778
営業時間:平日 ランチ 11:30〜L.O.14:30 ( close 15:30 )・土日祝 ランチ 11:30〜L.O.15:00 ( close 16:00 )/全日 ディナー17:30〜L.O.20:00 ( close 21:00 )

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