中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。


今回訪れたのは、築地に立つ築44年(取材時)のマンションの一室。ホテルライクな内装と“温室” のようなインナーバルコニーが特徴的な住まいだ。

そんなリノベーションや住まい探しの経緯について、ここで暮らすMさんファミリーにお話を伺った。

迎えてくれたのは、ゆうへいさん あいさん。ふたりの娘さんと暮らす4人家族だ。

もともとはエビ屋さんだった!? 掘り出し物件を見つけて

コロナ禍を経て、より広い住まいを求めて家探しを始めたおふたり。今後の売却も見据えて、リセールバリューが期待できる立地・マンションが譲れない条件だったのだそう。

3住戸分が繋がった特殊な住戸で、広さはなんと129.92㎡。南向きのため、日当たりも良好だ(提供写真)

ゆうへいさん:住まい探しって、感性みたいな右脳的な要素とお金のことだったり左脳的な要素が関わるじゃないですか。

僕たちはまず左脳的な要素の懸念をなくした上で、のびのび感性の部分を追求したいなと思っていて、都心3区を中心に色々な物件に足を運びました。

そのなかで出会ったのが、任売物件(※)として売り出されていた、この築地の物件でした。場所柄ゆえか、もともとエビの卸売業者さんが事務所として使っていたようで、その痕跡がかなり残っていたんですよね。入るとちょっとギョッとしてしまうくらいに(笑)。

そのおかげか、いい条件に恵まれているのになかなか売れずに残っていたみたいで。

※任売(任意売却): ローンの返済が困難になった場合に、売却しても残債が残る物件を金融機関の合意のもと売却すること。

2面採光のリビング(提供写真)

あいさん:本当に結構びっくりしてしまうくらいボロボロで……(笑) 

でも、銀座が近い好立地ですし、思いのほかファミリーフレンドリーな環境でもあったので、悪くないなと。

内見に行った時に、子どもたちが近くの公園でキャッキャっと楽しそうに過ごしていたのも気に入ったポイントのひとつです。

気鋭の建築家と住まいづくり

この住まいのリノベーション設計を手がけたのは、建築設計事務所の「ULTRA STUDIO」。近年『Casa BRUTUS』などの有名メディアにも取り上げられ、注目を集めている気鋭の建築家グループだ。設計を依頼した経緯を聞いてみた。

あいさん:建築やアートに詳しい知人の方から、これから頭角を現してきそうな若手の建築家さんということで紹介いただいたんです。

ゆうへいさん:マンションリノベを専門にやっている会社にも相談したんですが、ULTRA さんの提案がシンプルに一番ワクワクしたんですよね。

内装は色数の少ないシンプルなテイスト。インテリアもこの住まいにあわせてULTRA STUDIOにコーディネートしてもらったものだ(提供写真)

“温室と暮らす” をテーマに

立地や広さ、価格帯の条件が合致したこちらの物件だが、唯一のネックが抜けのない眺望だったそう。この温室のようなインナーバルコニーは、そんなネックを解消するための工夫なのだという。

大ぶりなフェイクグリーンが置かれたリビングのインナーバルコニー(提供写真)

ゆうへいさん:ULTRAさんには “温室と暮らす” をテーマに、このインナーバルコニーを提案いただきました。

すぐ目の前に暗いトーンの建物が立っていて窮屈な印象があったのですが、緑がいい具合にバッファになって外の景色が気にならずに過ごせています。

ゆるく繋がる空間構成

また、こちらの物件は最上階の特殊な住戸で、もともと3住戸分としてつくられた空間を繋げたような造りが特徴的だ。

そのため住戸は壊すことのできない2枚の躯体壁によって隔たれているが、今回のリノベーションではこの壁をポジティブに捉えてプランニングしている。

▲間取りは3LDK+2書斎+WIC+2納戸。左から個室、ダイニングキッチン、リビングが配置されている。

ゆうへいさん:躯体壁があるおかげで、生活感の出てしまうゾーンとLDKをセパレーションできる間取りになりました。

リビングとダイニングも壁でわかれていますが、家族ぐるみで仲の良い子どもの友達がきたときなんかは、親たちはダイニングで飲んで、子どもたちはリビングでゲームして、みたいに思い思いに過ごせるのもいいですね。

リビングの横に設けられたふたつの書斎。あいさんの仕事場、子どもたちの勉強スペースとして活用中だ。

ゆうへいさん:一方で書斎の扉はガラス引き戸にするなど、空間を仕切りすぎない造りにしたので、ひとりの時間も確保できつつ家族の繋がりを感じられる住まいになったと思います。

家づくりは何度でも

最後にこの家でのお気に入りの過ごし方を聞いてみた。

あいさん:最近はダイニングをふたりでスタンディングバーみたいに使ってるんです。いろんな居場所ができたから、家の中で気分転換ができて楽しいです。

あとはなんといっても、書斎がある生活は贅沢だと感じます!

オープンキッチンはあいさんたっての希望。さまざまなショールームに足を運んで、ULTRA STUDIOと相談しながら、気に入ったデザインのものを見つけたそうだ。

ゆうへいさん:僕は家族が寝静まったあと、ソファでごろんと横になってゲームをしたり、書斎で読書をする時間が至福ですね。

洗面は造作し、朝の身支度もゆとりがもてるツーボウルに。

「この家は娘たちが中学生に上がるくらいまでは住もうと思っています。引っ越すときには、リノベーションはまた絶対やりたい。それくらい楽しかった。」と締めくくってくれたおふたり。

住み替えが当たり前になりつつある昨今。おふたりのように売却も視野に入れながら、そのときどきのライフスタイルに合った家をつくって暮らすという選択肢もありそうだ。

ーーー物件概要ーーー

<居住者構成>4人暮らし

<間取り>3LDK+2書斎+WIC+2納戸

<面積>専有面積約129.92㎡

<築年数>築44年(取材時)

ーーー設計ーーー

<会社名>ULTRA STUDIO


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