こだわって作り上げた住まいだから、大切に住み継がれていって欲しい。「住み継ぎの先輩に聞く!」では、そんな想いのこもったバトンパスの物語をご紹介。カウカモの「売却サポート」で住まいを売却した方、購入された方の双方にインタビューを行い、新しい住人の元でどのように活かされているかをレポートします。
今回は、ワンちゃんと暮らす二組のファミリーを取材しました。
【売却時の住まい】
いくつもの居場所がある暮らし
《住まいについて》
前オーナー:Nさん / 3人家族とワンちゃん
現オーナー:Fさん / 3人家族とワンちゃん
場所 :調布市
間取り:3LDK+WIC
面積:69.28㎡
築年数:築29年
内装:Nさん=リノベーション済み物件を購入
Fさん=購入後そのまま居住
今回訪れたのは、広い庭付きのマンションの一室。実はこちら、カウカモが2018年にプロデュースした1棟リノベーション物件だ。共用部にはドッグランや菜園が設けられ、敷地に入るだけで伸びやかな暮らしのシーンが浮かんでくる。
そんな環境に惹かれて、かつてここで暮らしていたというNさんにお話を伺った。
2018年、子育てを控え広い住まいを求めていたNさん一家。住み慣れたエリアで引越しを考えていたところ、この物件を見つけた。
R.Nさん(奥さま):『こんな場所、他にどこにもない!』ってマンションだったんですよ。まずリノベーションの内容に一目惚れで、レンガ調の建物自体にも趣を感じて惹かれました。
K.Nさん(旦那さま):そうそう、特にモルタル仕上げの壁の質感がよくてね。ガーデニングやアウトドアが好きだから、庭付きなのもすごく嬉しかったです。共用部も充実していて、自分の部屋以外に使えるスペースがたくさんあるっていうのもポイントでした。
庭に出るとまず目に入るウッドデッキは、なんとNさんがDIYで取り付けたもの。なんでもコロナ禍で在宅時間が増えた際は、ここでの時間が癒しだったのだとか。
R.Nさん:春先は毎日デイキャンプみたいなことをしていました。当時は保育園も閉まっちゃうような状況でしたが、外のウッドデッキにレジャーシートを敷いてお昼ご飯を食べる時間は楽しかったですね。本当にお庭があってよかったです。
K.Nさん:緊急事態宣言の中でもストレスなく過ごせたよね。近所に公園が多くて、気分転換には困らなかったのが救いでしたよ。
コロナ禍前はホームパーティーを開催するほど、マンションの住人同士で交流が活発だったと振り返るおふたり。ワンちゃんを飼い始めたのも周囲の影響があってのことだそう。
R.Nさん:中庭のドッグランで犬を遊ばせている方が多くて、なんとなく空気に飲まれたんです(笑)。
そんなふうにみんな顔見知りだからか、他の家から音が聞こえても全然気にならないんですよ。むしろ楽器の音が聞こえてくる休日の風景を楽しんでいたぐらいで、『今日は〇〇さんギター弾いてるなぁ』とぼんやり思ったりして。
K.Nさん:とにかく居心地のいいマンションでしたね。ここでできた繋がりが引っ越した今でも続いてるのが嬉しいです。
【売却について】
新天地へ向かって
そんなお気に入りの環境を手放すことになったのは、おふたりがある事業をはじめるからだという。
R.Nさん:夫婦ふたりの力で何か生業を始めたいという想いが昔からあって。そのためには広い土地が必要だったので、今はここを離れて地方で暮らしています。
『売り払ってしまうのは名残惜しい』と、当初は賃貸に出すことを検討したそうだが、新居の購入との兼ね合いで売却に至った。
R.Nさん:売却は賃貸で話を進めていた会社さんにお願いして、一度買い手が見つかりかけたんですよ。でも紆余曲折あって白紙に戻ってしまって……
そこでカウカモさんに物件記事を掲載してもらったら、物凄い勢いで問い合わせが来たんです。『やっぱり買ったところで売るのが一番なんだ!』って実感しましたよ。カウカモさんが売っていた家だから、そういう家が好きな層が見てくれるんだなと。
そこで一番最初に内見に訪れたのが、現オーナーのFさんだ。Fさんの購入への熱いオファーを受けて『ぜひこの方にここを引き継ぎたい!』という想いで話を進められたとおふたり。
R.Nさん:内見に来てもらったときには、もう私がずっと喋り倒しちゃって(笑)。
春はこの窓から桜が見えるとか、キッチンの使い勝手がいいとか、事細かにこの家のグッドポイントをお伝えしました。
あとはFさんもお子さんがいらっしゃるということで、それを踏まえて日常で助かってる点、困ってる点を説明したり。
K.Nさん:ワンちゃんを二匹買いたいってお話されてたので『三匹ぐらいは大丈夫ですよ』って話もしたね。わたしたちがラブラドールと暮らしてるのが安心材料になったかな。
『特別な準備をしていなくても、この家のいい部分も悪い部分もうまく伝えられた』と語るおふたり。思い入れのある住まいだからこそ、自然とその想いが溢れ出したのではないだろうか。
【現在の住まい】
出会いは突然に
続いてお話を伺うのは現オーナーのFさん一家。家探しの条件は「ペット可」「庭付き」「幼稚園・小学校が近い」「職場へのアクセス良好」「駅徒歩15分圏内」などなど多数。なんとこの住まいは、奇跡的にすべての条件を満たしていたのだとか。
T.Fさん(旦那さま):ゆくゆくは子ども部屋が必要になってくるし、3LDKくらいの家に越せるといいねって話はしてたんですけど、全然本気で家を探してたわけじゃないんですよ。
ただ家探しってウキウキするじゃないですか。それでカウカモのアプリを覗いていたら、たまたまこの物件を見つけて『めっちゃええやん!』と思って。
おふたりはかつて、内見の申し込みが遅れて物件を買い逃した経験があり、内見するなら「可能な限り早く」と決めていたそうだ。
L.Fさん(奥さま):この辺りが静かで住みやすいことも知っていたので、すぐにでも見に行こうって。
T.Fさん:『平日でもいいから、一番早い内見のタイミングっていつですか?』って聞いてね。そうしたら偶然、前に予約されていた方が来れなくなって、僕らが初の内見者になれたんですよ。
もう一目惚れ同然で、内見の5分後には購入の申し込み用紙を近くの公園で書いてました(笑)
L.Fさん:他にも内見希望の方が多かったみたいだから、このスピード感と勢いが効いたよね。
購入を即決できた理由のひとつは、家族構成や年代が近いNさんとのやりとりだったそう。
T.Fさん:Nさんも小さなお子さんがいて犬と暮らしているから、結構お話が弾んだんですよ。キッチンのベビーゲートが便利だとか、ここのスペースは子供の学習机として使えるとか、ご近所付き合いはどうとか、当時の暮らしを詳しく教えてもらえて。
L.Fさん:『北側はちょっと寒くて、結露しやすいんですよ』とデメリットまでお話ししてくれたり、Nさんの印象がとってもよかったから安心して決断できたよね。
『実際に暮らしてみて、お気に入りの場所は?』と尋ねると、L.Fさんはキッチン、T.Fさんは犬と子どもと過ごすリビングだと答えてくれた。
L.Fさん:飾り棚がついていたり、リビングを見渡せる点が特に気に入っています。前の家はキッチンがリビングから離れていたので、子どもと犬の様子がわからないのがちょっと心配だったんですよ。
T.Fさん:『いいキッチンだとテンション上がるし、料理が楽しい』って言ってるよね。
NさんがDIYで取り付けたベビーゲートもウッドデッキも現役で活躍中。なんでも家具のレイアウトも以前のものを参考にしたそうだ。そんな暮らし方の継承も “住み継ぎ” ならでは。
『センスを持った方が大切に暮らしていた家を受け継げるって本当にありがたい話』というFさん夫妻の言葉が印象的だった。
担当エージェント:山嶋 麻規子 ・石川 愛実 / 撮影:沢崎 友希 / 取材・文:本多 隼人