cowcamoでは、cowcamoが大切にしている思いや世界観を知っていただくべく、ワークショップやトークライブなど、様々なイベントを開催しています。ここでは、先日開催したイベントのご様子をお届けします。

cowcamo ClasuRoom(カウカモ暮らすルーム)vol.4 開催!

10月30日(火)、カウカモは東京・渋谷区にある株式会社スノーピークの東京オフィス「Snow Peak Tokyo HQ3」にて、第4回となる「cowcamo ClasuRoomカウカモ暮らすルーム)」を開催しました。トークのテーマは、「アーバンアウトドア」。ゲストとして株式会社スノーピークの吉野真紀夫さんに加え、ルーフバルコニーでアウトドアライフを実践する設計士の星野晃範さんにご登壇いただきました。

ファシリテーターは、最近テント泊の野外フェス初日に雨に降られ、ずぶ濡れになりながらも楽しみぬいたというカウカモ編集長 伊勢谷亜耶子。まずはスノーピークの吉野さんが、同社が「アーバンアウトドア」を提案したいきさつを説明しました。

「アーバンアウトドア」について取材させていただいた過去記事はこちら
「海や山に行くことだけがアウトドアじゃない! 都会でも家のナカでも楽しめる、snow peak提案『アーバンアウトドア』。」

■なぜ今、「アーバンアウトドア」なのか?

約5万坪のキャンプ場を併設する新潟県・燕三条のスノーピーク本社。

スノーピークは、1958年に “モノづくりのまち” として全国に知られる新潟県・燕三条の街で産声をあげたアウトドアメーカー。自然志向のライフスタイルを提案し、実現することをミッションとして掲げていて、「自らもユーザーである」という創業以来の原点のもとに商品開発を続け、今日では世界的ブランドとして認知されています。そんなものづくりにストイックな姿勢を貫くスノーピークがなぜ、都市でのアウトドアを提唱するに至ったのでしょうか?

■ゲスト 吉野真紀夫さん
株式会社スノーピーク 東日本事業創造部 シニアマネージャー
2003年スノーピーク入社。入社と同時に東京から本社のある新潟県へ移住。趣味の釣りやキャンプを楽しみながらスノーピークにて商品開発を担当。2012年からは東京にて新規事業関連に従事し、現在は住環境向けのアーバンアウトドア事業を担当。

スノーピークが使命としているのは、自然と関わり合うことで人間らしさを取り戻す『人間性の回復』。でも、実は日本でオートキャンプに参加している人口って、わずか7%しかいないんです。残り93%の人にも、自然と触れ合うことは家や街でも、誰にだってできることだし、そのなかでクリエイティビティが養われることを知ってもらいたい。そんな想いがありました。コーポレートメッセージとして掲げている『人生に、野遊びを。』という言葉は、アウトドアをより身近にした表現で、私は大好きなんです。

■キーワードは「人間性の回復」

吉野さんは、都市での日常でもアウトドアフィールドと同じような「人間性の回復」につながることができると言います。例えば、夜、帰り道に星空を見上げること。そんな些細なことであっても、少しの工夫で暮らしはずっと豊かで贅沢なものになるそう。

「最近のアウトドア活動」といえば、犬と散歩をしているときに空を見上げたり、空気の匂いを感じたりしたことですね。散歩のときに人に声を掛けられるのも、キャンプのときに 「お隣のテントに醤油を借りる」ようなオープンマインドな交流と共通しています。スマホを見ながら歩いている人には、誰も声を掛けないですから(笑)

■「アーバンアウトドア」な物件をご紹介!

続いて伊勢谷が、“マンションでできる「アーバンアウトドア」” を、注意事項とともに解説。

角部屋の住戸を囲うように広がるテラスと専用庭の例。それぞれ合わせると約53.42㎡もの広さ。

最上階・3LDK住戸のルーフバルコニー。広さは約12.4帖あり、夏には花火大会も見えるそう。

マンションの専用庭やルーフテラスは、戸建て住宅のお庭のようにモノを何でも置いたり、自由にバーベキューしたりできるわけではないことが注意点です。専用庭やルーフバルコニーはマンションの共用部であり、それを住戸専用として 「借りて」使える事になっているため、何がOKで何がNGかは事前にマンションの管理規約を確認したり、管理組合に問い合わせたりすることが必要です。

■実践者が語る「アーバンアウトドア」の楽しみかた

■スペシャルゲスト  星野晃範さん
アンカーデザイン代表 
1981年山形県生まれ。一級建築士。ゼネコン・設計事務所に所属し、現場監督から設計まで一貫した建築業務に従事。2012年bluestudioに参加し、リノベーションを主軸とした企画・設計に携わる。 2017年ANCHORDESIGNを設立。

星野さん宅の取材記事はこちら
「調布で63㎡のルーフバルコニー付き! アウトドアリビングも満喫できる家」

元々ご夫婦でアウトドア志向が強かった星野さんは、「ルーフバルコニー付き」を絶対条件として物件探しをしたそう。調布にぴったりな条件の物件を見つけて、リノベーションの設計を自ら手がけました。ルーフバルコニーは、星野さんにとって『もうひとつのリビング』のような場所だといいます。

星野さんのご自宅。将来に渡るライフスタイルの変化に応じて住まいが柔軟であるよう、あえて “余白” を多めに設けるというコンセプトで設計。広い土間を設けたことで、玄関から靴を履いたままルーフバルコニーに歩いて出られる。

バルコニーにはマンション規約に違反しないよう、すぐに撤去できるデッキを設置して、その上にDIYで造ったテーブルを置いているそう。

ここでただボーっとしていることもあれば、友人が集まって食事をしたり、アウトドア用品や自転車を手入れしたり・・・ とにかくいろんな楽しみ方があります。こういう場所があると、遊び方を自分で発掘したくなりますよ。

「バルコニーにテントを張って、プロジェクターの映像を壁に映して映画上映会をしたい」という伊勢谷の夢も、星野さんは「それ、やりました(笑)」とのこと。ただし、何をするにもトラブルにならないために “ご近所付き合い” が大切だと言います。

場合によっては他の住戸からこちらのバルコニーが見えるというケースもあるでしょうから、管理規約を守るだけでなく、そのマンションのコミュニティに参加するのも大切なこと。うちのバルコニーはプライバシー性の高い造りですが、お隣さんの犬が遊びに来るほどご近所さんと仲良くさせていただいてます。

■最高の「アーバンアウトドア」を、みんなで妄想しよう!

乾杯をしたあとは、グループに分かれてワークショップ。出されたお題は「自分にとっての最高の『アーバンアウトドア』ライフを書き出してみよう!」です。グループ内で発表をし合い、登壇者3名がそれぞれグッと来た回答をピックアップしました。

絵でも文字でも、自由に表現。アウトドア好きな参加者も多かったようで、5分の制限時間でみなさんあっという間に書き上げていました。

吉野さんがベストに選んだ回答。

とってもシンプルだけど、とっても原点的なこと。キャンプだとつい食材を買いすぎて余らせてしまうこともしばしばだけど、ちょうどいい量のちょっといい食材を厳選して外での食事を楽しむって、すごく贅沢なことだと思うんです。

こちらは、伊勢谷が選んだ「ベランダから、目の前の川に竿を出して魚釣り」。

■「朝、1杯のコーヒーをベランダで楽しむ」ような些細なことから始めよう

今回登壇した三人が異口同音に語っていたのは、「アーバンアウトドア」は必ずしも庭やルーフバルコニーが無くてはならない、ということではなく、日常の一コマを少し工夫するだけで誰にでも簡単に実践できる、ということ。都市とキャンプフィールドを日常的に行き来している吉野さんにとっては、アウトドアとインドア、オンとオフの境界はとてもあいまいなものなのだそう。

僕にとって『野遊び』とは、好きなときに、好きな事を、自然を相手に行うこと。人生そのものです。

夕焼け空が山奥にも都市部にも変わらない美しさを映していることを思えば、実は街角のそこかしこに自然と対話する機会があることに気付かされます。気構えせずに、「都会だから」の先入観をもたず、まずは日常の一コマで自然を感じてみること。それが『人間性の回復』への第一歩になるのだな、と深く考えさせられるイベントでした。

カウカモでは、今後も魅力的なイベントを企画していきます。ぜひご期待ください!