中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。


今回はカウカモで中古マンションの一室を購入し、空間デザイナーとこだわりのリノベーションで住まいを造り上げたご夫婦のもとを尋ねました。

左からYさん(旦那さま)、Kさん(奥さま)。

カウカモで素敵な物件を見るうちに、自分たちで全部好きなようにリノベーションしてみたくなったんです。

と語るのは、住まい手であるおふたり。インテリア業界で働くYさんは、かねてからご自身の好きな家具たちの似合う家で暮らしたいという思いがあったそう。

そこでおふたりが選んだ物件は、大田区に建つ築51年のヴィンテージマンションの一室。決め手となったのは特徴的な横長の腰窓だった。

リノベーションにあたっては、この窓を活かすこと、こだわりの家具がマッチする間取りやテイスト、そしてKさん希望の充実したキッチンがキーとなった。

Yさんの元同僚でご夫婦とは気心のしれた間柄である、空間デザイナーの志摩 健さん(写真奥)に設計を依頼。内見時からプランを相談しながら住まい探しに臨んだそうだ。

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■ “余白” の効用

内装のテイストは、Yさん好みのインテリアや建築のイメージをもとに、グレイッシュかつ温かみを感じるトーンに。

まず注目したいのは、土間の存在だ。リビングとダイニングキッチンの境に高低差をつけて、一体的な空間を緩く分節している。こうしたゾーニングは、それぞれの場所での過ごし方にメリハリを生む効果があるのだ。

後ろを振り返ると、土間は玄関まで続いており、一段上がった床が縁側のようにも見える。

志摩さん:この “縁側的スペース” には、LDKをゾーニングするほか、インテリアがより美しく見えるような “余白” としての役割があるんです。

そう語る通り、LDKから玄関までの連続感が “縁側的スペース” によって強調され、空間全体に広がりを感じる。実際に暮らしてみた所感はいかがだろうか。

Yさん:廊下をもっと狭くして、そのぶん部屋の面積を広げたり、収納を増やすのもひとつの手ですが、この一見何の機能もない “余白” が非常に贅沢で、空間の質を上げてくれるように思います。

特にダイニングから廊下を見通すと、伸びやかさを感じて心地いいですね。こういうことって、家具たちを綺麗に置くためのスケール感を生む上でも大事な要素なんだと思います。

突き当たりの鏡の効果も相まって、廊下の奥行きが際立っている。

■陰影の美

続いて廊下に立つと、寝室側から取り込んだ光が柔らかく影を落としていた。光と影を美しく見せることも、この住まいのテーマのひとつなのだという。

志摩さん:明るいリビングに出た際、空間の広がりをより感じてもらえるように、廊下はあえて天井高を低くして、陰影も際立たせています。

内装に光と影を柔らかく見せるような素材や色味を選んだのもポイントです。

たとえば壁はただ真っ白くすると影がパキッと出過ぎてしまうので、ここでは骨材(砂や砂利のこと)の混じった特殊な塗料を使っています。光の当たり具合で独特のムラが出るので、どこか温かみのある印象になるんです。

廊下からは寝室越しに外の風景が見える。室内窓はステンレス製の特注品。『サッシ枠の目立たないシャープなものを』というYさんの要望に応えて、志摩さんがデザインを起こした。

左・ステンレスの腰壁は、光を鈍く反射するバイブレーション仕上げ。/右・スイッチやドアノブもステンレス製のものに統一。壁仕上げには「Haymes PAINT(ヘイムスペイント)」社の塗料を用いた。

夜間も照明が穏やかな陰影を演出。鏡張りの収納は既存のものをそのまま活用したそうだ。

■こだわりのキッチン

再びLDKに戻り、今度はお料理好きのKさん主導でオーダーしたというキッチンに注目していこう。

システムキッチンはサンワカンパニー社製。面材は廊下の腰壁同様にバイブレーション仕上げだ。『金物をステンレスで揃えたのは、このキッチンとの親和性を加味してのこと』と志摩さん。

Kさん:オールステンレスのキッチンがずっと気になっていて、リノベーション前から使いたい製品を決めていたんです。何社かショールームを見た中で、一番見た目が好みだなって。

ただ、キッチン自体にあまり収納が付いていないので、「どこに引き出しが欲しいか」とか「棚の深さはどれくらいで」とか、志摩くんには私からあれこれ要望を出して、うまいことまとめていただきました。

すごく使い勝手がいいですし、気に入った設備も入れられたのでとっても満足です。

左・調味料やお酒などが整然と並ぶニッチ。/右・「HARMAN(ハーマン)」のコンロや「GAGGENAU(ガゲナウ)」社製の食洗機など、設備類のセレクトはKさんのこだわりが光る。

『基本ここは私が陣取っていて、主人には触らせません(笑)』とKさん。

■コンパクトに、ホテルライクに

続いては、先ほど廊下の室内窓越しに見えていた寝室へ。この物件の持ち味である腰窓を活かすとともに、収納と書斎機能をコンパクトに集約したホテルライクな造りが特徴的だ。

志摩さん:LDKや廊下にゆとりを持たせた一方で、寝室はベッド下に収納を仕込んだり、限られたスペースをどれだけ効率的に使うかに気を使いました。

リビングとの間にウォークスルークローゼット(WTC)を挟んだこともポイントです。なるべく壁を立てずに部屋同士を分けるのが、空間を広く感じさせるコツなんです。

左・造作の収納類はすべてMDFという木質繊維を加工した板材でつくられており、マットな質感に仕上がっている。/右・ベッド下は引き出しになっている。

リビングとはWTCを挟んで距離をとっている。

Yさん:コンパクトな部屋なんですが、いろんな方向に視線が抜けるから実際の面積以上に広く感じます。天井が少し低くなっているのも、“おこもり感” があって居心地がいいですね。

■お気に入りに囲まれて

こうして出来上がったグレイッシュな空間を彩るのは、Yさんセレクトの家具たちだ。最後にインテリアのこだわりや今の暮らしぶりについて伺ってみた。

Yさん:志摩くんの提案を受けて、前から気になっていた「MARENCO(マレンコ )」というソファを主役にインテリアを考えました。丸みを帯びていて柔らかい影が出る感じが、陰影をテーマにしたこの部屋のテイストにぴったりだと感じたんです。

内装にはコンクリートやステンレスなど質感のしっかりしたものを使ってもらったので、シダー材を削り出したスツールであったり、家具も素材感のあるもので揃えています。ちなみに植物たちは基本的に志摩くんにおまかせです。

幹の太いパキラが空間のアクセントに。『植物は綺麗に整えたものより、自生しているような力強さを感じるものを選びました』と志摩さん。

Yさん:目に映る空間すべてが気に入っているので、『やっぱりいいなぁ』って家に帰ってくるたびに感じますね。内装はもちろん、日中は光の入り方がいいですし、夜は照明をつけるとまたいい雰囲気で。

Kさん:私も『自分の家がこんなにホテルみたいになるなんて!』と感動してます(笑)。今までインテリアには無頓着だったんですけど、ここに住んでからはどんどん興味が湧いてきました。

56.71㎡という限られた面積を豊かにつくりかえた今回のリノベーション。ゆとりある暮らしを送るためには、あえて “余白” をつくることも大切なのだと教えてくれた取材だった。

間取りは2LDKを1LDKに変更。リノベーション済みだった浴室・洗面・トイレは既存をほとんどそのまま活用した。

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―――――物件概要―――――
〈所在地〉大田区
〈居住者構成〉2人家族
〈間取り〉1LDK
〈面積〉56.71㎡
〈築年〉築51年(取材時)
――――――設計――――――
〈会社名〉moss. 
〈WEBサイト〉https://moss-cd.com/