「一点もの」の住まいに出会おう。 カウカモでまさに一点ものの住まいに出会い、新生活を始められた皆さまを撮影させていただく「カウカモグラフ」。

今回は、アーティストらが集う “アトリエ” の役割も担う、橘阿鴻さんの住まいを訪ねました。古代に発明され、フィルム・アートの祖となった「カメラ・オブスキュラ(=暗い部屋)」のように、この部屋は新しい表現を生む場所となっています。


《プロフィール》
名前::橘 阿鴻(たちばな あこう)さん
年齢:30代
職業:会社員(クリエイティブ系)
趣味:海外旅行

《この住まいについて》
場所:渋谷区
間取り:1LDK+WIC
面積:52㎡
築年数:築49年(取材時)
工事内容:未内装の中古物件をフルリノベ

家を探し始めたきっかけ: クリエイターが集まれるアトリエのような場所が作りたくて
家探し期間:約6ヶ月
内見数:6軒

Q1:以前の住まいは?

以前は世田谷区の実家に住んでいました。本業以外にもいろんな創作活動をしていたため、クリエイターたちが一堂に会して情報交換をしたり、新しいものづくりの話ができる場所を渋谷エリアに作りたかった、というのが購入の大きな理由です。

今まではよくカフェなどを利用して打ち合わせをしていたんですが、やはり居られる時間が限られるし、まわりの方に聞かれちゃいけないような話も多いんです。それならば、みんなと仕事の話をしながら、映画を観たり、食事やお酒を楽しんだりもできる空間を自分で作ってしまえばいいと考えるようになりました。

Q2:この街《渋谷区》にした理由は?

小さい頃から、映画を観に出かける場所といえば渋谷でしたし、高校の通学経路でもありました。つねに身近にあって大好きな街だったんです。

ここは駅前の喧騒とは少し距離があって落ち着いているし、マンションの正面が開けていて緑も望めます。生活がしやすく、毎日気持ちよく暮らせそうだな、と思いました。

Q3:この家にした理由は?

内見で室内に入って、窓の外に広がる景色を眺めた瞬間に『ここにしよう』と思ったんです。それに、この広さなら希望通りにリノベができそうだとすぐにイメージも湧きました。

建物自体もきれいに改修されていて築49年には見えず、エントランスもとても整っている印象でした。外観もヴィンテージマンションならではの凝ったデザインで、ニューレトロな感じでカッコいいんですよ。

Q4:リノベーションでこだわったポイントは?

多くの人が集まれるアトリエを作ることが目的だったので、LDKは20帖以上確保できることが前提条件でした。

それとバーカウンターを造ることですね。計画時に内装のイメージは固まっていたので、リノベーション会社さんにデザインプランを伝え、それに対して素材を提案してもらっては選択していくといった感じで進めました。

もうひとつのこだわりは、ベッドルームです。専有面積が凄く広いわけではないので、個室を造ってしまうと狭くなってしまいます。なのでベッドルームは最小限にして、アイアンのフレームに型ガラスをはめ込んだパーティションで仕切ることでLDKとの一体感をもたせました。

Q4:《中古を買ってリノベーション》以外の選択肢は検討した?

はじめはリノベーション済み物件も検討しましたが、好みに合う内装の物件はあっても、どうしても100%思い通りにはできないなと考えました。フルリノベについては、カウカモさんが資料でわかりやすく説明してくれて、『これならばやりたいことが実現できる』って確信しました。

Q5:購入にあたって不安に感じたことや乗り越えたことは?

古い建物なので、耐震性が気になりました。でも、内見の際に耐震性に問題がないかをエージェントさんが調べて詳細な資料を持ってきて説明してくれたので、安心感を持って見学できました。

あとは、しばらく住んでライフスタイルが変化したら売却することを前提にしていたため、リセールバリューも気になりましたね。リノベでは自分の好みだけではなくて、売却する際に次の方も気に入って下さるような内装を心がけました。

Q6:カウカモで家を買ってみてどうだった?

世の中には物件がたくさんありますが、カウカモさんはしっかりフィルターをかけて、いい物件だけを紹介してくれているというイメージがあります。

エージェントの吉川さんも、僕がどんな生活や生き方を実現したいか、ていねいに話を聞いて、一緒に考えた上で物件を紹介して下さいました。安心して物件探しを任せることができましたし、二人三脚って言葉が本当にふさわしいような信頼関係があったと思います。

Q7:この家のお気に入りの場所やこれから楽しみにしてることは?

バーカウンターですね。天板はアフリカの「ブビンガ」という希少な木材の一枚板で、西麻布にある行きつけのレストランのマダムが紹介してくれた材木屋さんで購入したものなんです。

でもやっぱり、この空間そのものがこだわりですね。

僕の母方にあたる祖先は江戸時代から大阪の堺で商人をしており、パトロンとして画家や文豪、歌舞伎俳優の方々を支援していたそうなんです。現代でもクリエイターたちが自由に集まって意見交換したりできるような場があれば、きっと創作活動の手助けになるという想いがありました。だからこそ、この場所は「アトリエ」って呼ばれるようになっています。

Q8:これから家探しをする人にアドバイスがあれば教えて!

フルリノベーションをお勧めしたいですね。自分らしい生活というものは人それぞれなので、どういう人たちと、どのように過ごしたいかをきちんとイメージして住まいを創り上げれば、毎日をきっと楽しく過ごすことができると思います。

もうひとつは、妥協をしないほうがいいということ。住まい探しのライバルに負けないよう、必要となる知識をしっかりと身につけて、内見もある程度重ねた上で『自分のライフスタイルに合いそうだ』という物件を見つけたら、その判断に自信を持って、決断をすればいいのではないでしょうか。