人情味溢れる「目黒銀座商店街」

山手通りをズンズン進み、いよいよ「中目黒」駅の前までやってきました。

左・東急東横線・東京メトロ日比谷線が乗り入れている「中目黒」駅。夜になると、駅前の横断歩道は仕事帰り、そして、これから街に繰り出す大人たちで溢れかえります。改札口の向かいにある「中目黒 蔦屋書店」は、高架下の再開発を象徴する存在となっています。

駅周辺は、先ほどご紹介した「ナカメアルカス(中目黒アトラスタワー)」や「中目黒GT(ゲートタウン)」など、再開発によってできた近代的な建物が目立ちます。東急東横線の隣駅「祐天寺」にかけて約700m続く商業施設「中目黒高架下」にも、飲食店を中心にさまざまなお店が入っており、曜日や時間帯を問わず賑わっています。

一方、線路の反対側にはノスタルジックで懐かしさを感じる街並みが広がっています。その空気を放っているのが、ここ「目黒銀座商店街」。

昭和7年からこの地を盛り上げてきたという「目黒銀座商店街」。駅前の近代化に反するように、今なお昭和の香りが漂っています。

「中目黒高架下」同様に、祐天寺方面に向かって伸びる商店街沿いには、2019年8月現在約230店舗のお店がひしめき合っています。

左上・新しい飲食店も増えており、時間を忘れて楽しむエネルギッシュな若者の姿も目立ちます。/左下・商店街沿いのコンビニの店頭で売り出されている野菜や果物。帰宅が遅くなった時でも安心ですね。/右・そんなコンビニのすぐ隣にある脇道を覗くと「目黒区役所」の姿が。

活気のすぐ隣に、生活を支えてくれる公共施設やお店があることがわかりますね。そしてなにより、この地の歴史を感じるスポット、目を引く個性的なショップの数々に足を止められてしまうんです。

左・ビルの隙間に突如現れる提灯……。ここは、大正時代からこの地を見守る「目黒馬頭観音」。かつて目黒エリアには、小規模な乳牛牧場や馬力運送業者が多くいたらしく、馬を守るために建てられたんだとか。今では交通安全を祈願する場所としても親しまれているそう。意外な所でパワースポットを見つけるとテンションが上がりますね!/右上・取材NGとのことで、お店の名前をお伝えできないのが残念ですが、ここは中目黒の重鎮的古着屋さん。実は筆者も、お店の前で売られいるフォトフレームを、仕事の空いた時間によく見にきているんです。/右下・レディース古着を中心に取り扱っているショップに興奮する野原。

この辺りはほかのエリアに比べて、遅くまで営業しているアパレルショップやインテリアショップが多いんです。なぜかと言うと、美容師さんやアパレルの店員さんなど、接客業をされている方々が多く住んでいるから。終業時間が遅い人たちのニーズに合わせて営業時間を遅くしているんです。

商店街をひとつ切り取っただけでも、この地の歴史や暮らし方、住んでいる人の特徴が見えてきますね。

個性的なショップが揃う「中目黒高架下」の奥地 “奥ナカメ”

「目黒銀座商店街」を抜けると線路の反対側、先ほどの「中目黒高架下」に再び出ることができます。

この辺りは戸建て住宅が多く、高架下に入っているテナントも飲食店ではなく、雑貨屋さんや靴のリペア店など、ライフスタイルを提案してくれるお店やデザイン事務所などが多く見られます。

高架下に入っているショップの向かいには戸建て住宅が並びます。再開発と住宅街のコントラストが面白いですね。

野原:この辺りまできたことなかったなー。駅からは少し離れているし、マンションが少ないから取材に来ることもないよね。

酒井:そうだね。でも、気になるお店が結構あるんだよね。渋谷の奥地 “奥渋” が話題だけど、中目黒の奥地 “奥ナカメ” も見逃せないよ。駅前や商店街に比べると活気は薄れるけど、暮らしている人は多そうだし、安心感もある。

駅前や商店街とは一味違う落ち着いた雰囲気を味わいながら、ふたりが立ち寄ったのは、ラグ専門店「Layout(レイアウト)」。

“ラグから暮らしをデザインする” というコンセプトのもと、天然素材を使用した一点もののハンドメイドラグを販売・レンタルを行なっている。

素敵なラグの数々に興奮していると、話しかけてくれたのがブランドマネージャーの平井さん。

平井さん:遊園地を訪れたように、数あるラグを思い切り楽しんでいってもらいたいんです。その中から好みのラグに出会って、お客さまの暮らしが少しでも豊かになってくれればと思っています。また、ラグの知識がなくても、イメージやお部屋の写真を見せていただければ、お客さまに合うラグを一緒にお探しいたしますよ。

と、優しい口調で話をしてくれた平井さん。一点一点ラグのことを丁寧に教えてくれるので、まさに “遊園地” に来たように、1日中ラグを楽しめそうです。

人気のトライバルラグや1万円以下から選べる座布団サイズのギャッベ、100万円を超える高級ペルシャ絨毯など、独自の目線で世界中からセレクトしたさまざまなラグが所狭しと並ぶ店内。

平井さん:土地柄もあってデザイン事務所で働かれている方やコーディネーターのお客さまが多いですね。最近では地方から来られる方もいらっしゃいます。あと、お店の前の道が祐天寺につながっているので、中目黒からのお散歩途中や帰宅中に立ち寄られる方も多いです。まわりが住宅街なので『何だろうここは……?』と不思議がって入られる方もいらっしゃいますよ(笑) 

また、2019年8月13日まで、イランで愛されいるライオンをモチーフにしたハンドメイドラグのPOP UPイベント『LION RUG EXHIBITION』を開催中とのこと。購入した方には、イランのプチギフトのプレゼント(会期終了後のお届け)もあるそうなので、ご興味ある方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

<Layout(レイアウト)>
住所:東京都目黒区上目黒2-43-20 高架下89
TEL:03-5773-5721
営業時間:11:00~19:30
定休日:不定休
ウェブサイト:https://layout.casa/

続いて我々が訪れたのは、以前カウカモマガジンで別の店舗を取材したことがある次世代型ランドリー「WASH&FOLD 中目黒高架下店」。 (奥沢店の取材記事はこちら

ランドリーとは思えないスタイリッシュな外観です。

左上・ 洗濯代行サービスは海外では一般的で、内装も従来の日本のランドリーのイメージを覆す、おしゃれな空間になっています。/左下・店内にはベンチやテーブルがあり、洗濯や乾燥の待ち時間をカフェ感覚で過ごすことができます。/右・シルバーの乾燥機がかっこいい! でも、個人的に気になったのは、右手のスニーカー専用洗濯機と乾燥機。

スタッフさん:夜23時まで営業しているのですが、閉店ギリギリまでお客さまがご来店されています。特に近くに住まれている、お仕事帰りの会社員の方が多いですね。雨の日にカップルでご来店され、ゆっくり待ち時間を過ごしたり、駅前の居酒屋さんで付けたシミを落としに、直接駆け込まれる方もいらっしゃいますよ(笑)
あと、この辺りは駅前に比べて一気にローカル感が強くなるので、ご年配の方やご家族でご来店される方も多いです。これは中目黒高架下店の特徴かもしれません。

<WASH&FOLD(ウォッシュアンドフォールド)中目黒高架下店>
住所:東京都目黒区上目黒2-45-14 高架下78
TEL:03-6303-3811
営業時間:9:00~23:00
定休日:なし
ウェブサイト:https://wash-fold.com/

今回お邪魔した「WASH & FOLD」さんや「Layout(レイアウト)」さんのほかにも、戸建て住宅街の中に、おしゃれでいて実用的なライフスタイルショップがたくさん紛れ込んでいるのがこのエリアの特徴。お仕事帰りや休日に気軽に利用できるので、きっと日々の暮らしをワンランクアップしてくれるはずです。