駅前に戻り、乾杯

「中目黒高架下」をまっすぐ歩き、駅の近くまで戻ってきた我々。

人の数もどっと増え、一気に飲屋街という感じに。

きらびやかなネオンと提灯につられて皆、店内に吸い込まれていきます。路面で立ち話をしながらビールを飲む人の姿も。

かなりの距離を歩き、のどがカラカラのふたり。街歩きの締めに、我々も一杯いただきに行きましょう!

ふたりが入ったのは高架下に入っている居酒屋「鶏出しおでん さもん」。オープンスタイルの路面店で賑わう街並と、ダシがガッツリ効いたおでんをいただけます。

ふたり:カンパイ!

酒井:いやー、うまい。しかし、中目黒ってしっかり歩くと結構ボリュームあるね。でも、おかげでいろんな一面が知れたなー。

野原:そうだね。私にとってナカメは飲みに来る場所だったから、マンションと公園ゾーンの静かさには特にびっくりした! あんまりファミリーで暮らすイメージがなかったけど、全然そんなことないね。女性が遅くまで飲んでも、安心して帰宅できる環境だから、私が住んだら毎日飲みにきちゃうなー。

酒井:酔っ払ったモカには誰も近づかないから平気でしょ(笑) でも、お仕事帰りにお気に入りのショップをチェックできたり、時間があるときは駅前の蔦屋書店に立ち寄ったり、楽しみの幅が広いのもいいね。祐天寺方面まで行けば、暮らしを豊かにしてくれるライフスタイルショップまで揃ってる。なにより、美味しいグルメがお腹も満たしてくれるしね。

野原:うん、生活のすぐそばに娯楽から利便性までそろってる。改めて、私たちっていいとこで働いてるんだ(笑)

老舗「大衆割烹 藤八」へ

2時間近く歩きまわって、足がパンパン。立ち飲みスタイルの「さもん」を離れ向かったのは、山手通り沿いのビル2階にある「大衆割烹 藤八」。

左・山手通り沿いのビル2階に入っている藤八。いなせな看板に心が弾みます。/右上・編集部・イベントチームの鈴木も合流し、再び乾杯。/右下・「中目黒」の今を自らの脚で見てきた分、余計にお酒が進む御一行。最後の一杯はもちろんこれで締めましょう! 『グビッ』

創業1977年、ここ「中目黒」で長きに渡り、お父さんたちの心と胃袋を満たしてきた老舗です。人によっては『中目のランドマークは藤八だ!』という方もいるでしょう。名物は「腸詰」と「自家製はんぺん」。そして、個人的におすすめなのが、〆に注文するうどん。優しいダシ汁が、酔った体に染みるんです。

そんな「藤八」がビルの建て替えによって現在の場所に移転したのは2018年のこと。趣こそ以前の店舗には劣るものの、長年培われてきた味は未だにここにあります。

酒井:今日歩いてきた「中目黒高架下」や「ナカメアルカス」は再開発によってできたのものだけど、それによって失われちゃう景色もあるよね。

野原:少しさみしい気もするけど、そのおかげでより快適な暮らしが送れるようになったり、若い世代が増えるきっかけにもなるよね。いいところは残しつつ、変化を受け入れていくことで、街も生活もアップグレードされていくのかな。

そんな会話していたら、もう23時過ぎ。一行はお店を後にし、「中目黒」駅へ。

依然、山手通りは活気に満ち溢れています。ボルテージが冷めやらぬ3人が、この後も “ナカメの夜” 堪能したのはここだけの話です。

(完)

取材後記

東急東横線・日比谷線の各駅の中でも、1日の乗降者数が上位に入る「中目黒」。目黒川沿いや駅付近の飲食店を目的地に、“遊びに来る場所” というイメージが強いですよね。

なので『オシャレだし楽しいから、好きな街だけど住む場所ではないかな』と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いつもは使わない道に一歩入ってみたり、いつもより歩く距離を伸ばしてみるだけで、そのイメージはガラッと変わるはずです。

 今回は、大きく4つのゾーンに分けて街歩きをしてみましたが、皆さまがこれまで触れたことのない一面を知っていただけていればうれしいです。そして、実際に「中目黒」で暮らすことをご検討されている方は、今回ご紹介したゾーンそれぞれの特徴を覚えておいてください。時間帯や目的によって、それぞれをうまく行き来すれば、きっと「中目黒」での暮らしが何倍も楽しくなるのではないでしょうか。

今後も編集部メンバーが夜の東京にダイブし、その街の表情をお届けして行ければと思っています。次はどのメンバーが、どの街に飛び込むのか。どうぞ、ご期待ください。

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