気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の違いを「街の先輩」に聞いてみました! 「街の先輩に聞く!」、 第68弾は「乃木坂」です。


青山一丁目、六本木、赤坂といった、高級マンションや高層ビルが立ち並ぶ街に囲まれながら、緑が多く青空が広がる場所・乃木坂。近代的なビル街のど真ん中にありながら、青山霊園、青山公園、乃木神社など贅沢に土地を使った緑地が多く、高い建物が少ないため、都心では珍しく空が広がっています。

実は乃木坂は、駅名にはなっていますが地名として明確な場所はありません。正確には、乃木神社の前の緩い坂道が “乃木坂” なのですが、多くの場合はその周辺を指して乃木坂と呼ばれています。

乃木神社の前の坂道、こちらが「乃木坂」。

そんな乃木坂に、昨年このエリア象徴するような緑豊かな広場「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」がオープン! 広場と言ってもただ芝生が広がっているだけではなく、カフェ、ショップ、オフィスが集まり、人々の憩いや交流の場となっています。今回は、このスポットのグリーンデザインを手がけ、都心型GREEN&FLOWERショップを構える「SOLSO PARK」の増田晃さんに、お店のコンセプトや乃木坂の魅力を伺いました。

■グリーンはライフスタイルに合うことが大切

「SOLSO PARK」を展開するのは株式会社DAISHIZEN。今回ご紹介する「SOLSO PARK」を含め、個人宅から商業施設、パブリックスペースなどのグリーンデザインを中心に、幅広い空間プロデュースを行なっています。増田さんは以前SEだったそうですが、インテリア・植物・ファッション・家具などに関心があったため転職を決意。その頃たまたまDAISHIZEN代表の齊藤さんに出会ったそうです。

DAISHIZENのアーバンガーデナー増田晃さん。9/21(土)に開催する「cowcamo × SOLSO『自分に合ったグリーンとの出会い方』座談会」でもご登壇いただきます。

街で雑誌を買っていたら、代表の齊藤が「今、うちでメンバーを応募しているんです。興味があれば今から面接しませんか」と声をかけてきたんです。それで、そのまま面接をして……(笑)

そこから話は早く、創業メンバーしかいなかったDAISHIZENに参画し、会社とともに歩んできたというお話に運命を感じます。

私たちはグリーンを暮らしに取り入れるサービスを幅広く展開しています。川崎には「SOLSO FARM」、二子玉川の蔦屋家電の中などには「SOLSO HOME」があるのですが、ここ「SOLSO PARK」は都心の店舗なので、個人向けのインドアグリーンテラスで育てられる植物をメインに置いています。

自分の家に飾る用だけでなく、お土産用のグリーンも人気なのが特徴ですね。

見ているだけで楽しいポップな鉢に植えられたミニグリーンは手土産としても人気。

ご購入の時は、そのグリーンを手にする人のライフスタイルに合わせるようにアドバイスをしています。日々の仕事が忙しくて水が毎日あげられない、でもグリーンに癒されたい方なら、どんなに見た目が可愛いと思っても弱い植物は向きません。特に、グリーン初心者の方の場合、植物の育成がうまくいかないと「自分は向いてない」と思ってしまうので、もったいないんです。

取り入れるグリーンは「ライフスタイルに合っている」ことが大切です。私たちの生活スタイルがそれぞれ違うように、植物の特徴もいろいろ。「SOLSO PARK」では、それぞれの人にあった植物との出会いをコーディネートしてくれるんですね。

エアプランツも手土産にぴったり。/左下:それぞれのグリーンのお値段は、緑のリボンをチェック!

■四季を感じる自然と文化。「心の余裕」がある街

お客さんは、住んでいる場所も年齢層も幅広いです。近所の方で毎日犬を連れて立ち寄ってくれる方もいて、こちらがワンちゃんの名前を覚えていたり、気軽に会話をしたりしています。

以前の乃木坂は緑は多くても人の交流が少なかったかもしれません。この「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」、そして「SOLSO PARK」ができたことで地域の人が繋がりあう環境もできてきたのではないでしょうか。

「SOLSO PARK」は「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」の突き当たりにある。

天気の良い日は仕事の合間に芝生で寝転んでいる方もいるそう。日常でちょっと緑に癒されたい人が集まり、そこからの交流もありと地域に集う人たちの間で良いサイクルが生まれているようです。

乃木坂の良いところのひとつは、人の多い街に囲まれているのに落ち着きがあること。人が多すぎないことです。平日にゆっくりランチを取ることもできますし、路地に入ると美味しいキッチンカーがあるので緑に囲まれながら食べることもできます。贅沢ですよね。

あとは文化的要素、美術館、公園が集まっているところも魅力です。乃木坂は心と時間の余裕を感じられるエリアではないでしょうか。

焼き菓子で有名な「銀座ウエスト青山ガーデン」はテラス席でゆったりとした時間を過ごすことができる。/左下:高級食パンで人気の「VIKING BAKERY F」なども乃木坂にお店を構える。

乃木坂周辺には、青山公園、青山霊園、そして檜町公園、ミッドタウン・ガーデンなど公園がたくさんあります。一等地でありながら、これらはどこも敷地が広く、開放感がたっぷりです。また、春には桜、秋には紅葉の名所が多く、都心にいながら四季を感じることができるんです。

都会であることを忘れさせるほど緑が生い茂り、空が広い青山公園。「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」はこの公園の並びにある。左下の看板が目印。

乃木坂駅近くにある、建築やデザイン関係者の中ではお馴染みの「TOTOギャラリー・間」をはじめ、「国立新美術館」や「森美術館」、「サントリー美術館」といった、文化・芸術施設が豊富なことも特徴です。少し足を運べば古典芸術も現代芸術も、いつでも触れることができる場所は都心でもなかなかありません。文化や芸術が身近にある場所は、そこで過ごす人々の心の余裕を感じます。

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■乃木坂はまさに「都会のオアシス」

また、乃木坂が便利なのはアクセスが良い点です。乃木坂駅は千代田線1本が通っているだけですが、六本木、青山一丁目、赤坂は全て徒歩圏内。そう考えると、相当交通の便が良い立地なんです。この位置にありながら、周りの街に染まっていないと考えると、とても不思議なエリアですね。

車であれば、西麻布や芝公園は5〜10分圏内。

もともと緑の多い乃木坂ですが、「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」というパークができたことで、感度の高い人が集まりやすくなり、緑との接し方も進化してきたと思います。これからもっと乃木坂の良さがある、「都会のオアシス」的な余裕のある土地になっていったら嬉しいです。

乃木坂と言えば、「旧乃木邸」も見逃せないスポット。日清・日露戦争を戦った陸軍大将乃木希典の邸宅地で、煉瓦造りの馬小屋も注目。

来たる令和5年に創建百周年を迎える「乃木神社」はただいま修復工事中。乃木希典が祀られている。

一等地の喧騒に囲まれつつ、時間と心の余裕が感じられる緑たっぷりの乃木坂は、まさに「都会のオアシス」でした。

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SOLSO PARK
住所:東京都港区南青山1-12-13
TEL:03-6812-9770
営業時間:10:00-19:00
ウェブサイト:http://solsopark.com/