ファッションを楽しむように、暮らしも楽しもう。日本を代表するセレクトショップとしてファッションやカルチャーを牽引する「BEAMS」で働くスタッフのライフスタイルや住まいをご紹介します。


好きなアイテムやこだわりのインテリアがぎゅっと詰まった "自分らしい" 暮らしを送るBEAMSスタッフの皆さん。「BEAMS living style」は、その住まいをご紹介する連載企画です。

今回は、Pilgrim Surf+Supply 所属のおふたりの住まいを訪れました。

西村さん(左)と加瀬谷さん(右)

《プロフィール》
名前:西村 尚悟(にしむら しょうご)さん / 加瀬谷 純奈(かせや じゅんな)さん
年齢:30歳 / 26歳
職業:Pilgrim Surf+Supply バイヤー兼VMD / Pilgrim Surf+Supply アシスタント
趣味:インテリアショップ巡り、古着、自転車、キャンプ、料理 / 陶芸、韓国ドラマ、海外旅行、キャンプ
Instagram:https://www.instagram.com/happy_nishimura/  / https://www.instagram.com/jnaksy/ 

■インテリアのテーマは?

西村さん:ひとことで言うと “ミックス” ですね。ファッションで “アウトドアスポーツミックス” という言葉があるように、インテリアでも民芸品やヴィンテージなど、異なるジャンルを織り交ぜることを意識しています。

まだまだ駆け出しなので、カウカモマガジンでも取材していた横溝さん和田さんだったり、BEAMSの先輩たちが買っているものを調べて、色々なジャンルに手を出したらこうなったとも言えますけどね(笑)

加瀬谷さん:もともと私はミッドセンチュリーのインテリアに興味があったんですけど、同棲するようになってから彼がどっぷりハマり始めて。

西村さん:当時は “イームズのイの字” も知らなくて(笑)凝り出したのはシェルチェアを買ってからです。

アメリカの古着好きからリンクして、同じくアメリカ生まれの「イームズシェルチェア」を一脚目にチョイス。『自分にとっては定番のリーバイスみたいなもの』と西村さん。

■住まいづくりのルールは?

西村さん:“ミックス” と言えど、色味や素材に統一感を持たせることですね。たとえば木の家具は、アアルトみたいな明るいバーチ材ではなく、飴色のチーク材のものを選ぶようにしたり。

リビングにFPR製(※)のスツールを置いたのは、木の重たい印象を和らげるため。ダイニング側のシェルチェアと同素材なので、なんとなく空間の繋がりもつくれたかなと。

※繊維強化プラスチック。建材やボートの船体にも使われる素材。

手前の白いスツールは、柳宗理によってデザインされた「エレファントスツール」。現在はFRPではなくポリプロピレン製のものが復刻生産されている。

西村さん:厳密じゃないですけど、小物の置き方にもルールがあって。

寝室の棚で言えば、段ごとにジャンルが分かれています。「下段は日本の民芸品を、中段は世界のものを」という感じで。本当はもっとジャンルを細分化して置くのが理想ですけどね。

本の置き方は縦横を使い分けてメリハリを出した。『もの同士の高低差をつくったり、ディスプレイにはVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の経験が活きました』と西村さん。

加瀬谷さん:私は「部屋に光が入るか、広さを感じられるか」を大事にしています。

あと、彼のチョイスはなんとなく“土っぽい感じ” のものが多いから、モダンな要素を加えてそっちに引っ張られすぎないように(笑)

お互い欲しいものがある時は、よく話し合って買ってるよね。

西村さん:やっぱり僕だけでものを選ぶんじゃなくて、彼女の視点が入るとバランスのとれた空間になりますね(笑)

■お気に入りのブランドやショップは?

西村さん:特に好きなブランドはなくて、古いものが好きです。手作業で丁寧につくられていたり、現代まで残るだけの理由があると思っていて。

『古いものは生産性度外視でつくったような、質の高いものが多い印象』と西村さん。こちらは、ネイティブアメリカンの伝統的なバスケット。網目のきめ細かさに惹かれた。

西村さん:古着と同じ感覚で、ネットオークションで掘り出し物を見つけることが多いです。有楽町の「大江戸骨董市」に行くこともありますよ。

お店で言えば、下北沢の「nonsense(ナンセンス)」さんが古道具からモダンなものまで揃っていて好きです。陳列の仕方もいいんですよ。

加瀬谷さん:清澄白河の「stoop(ストゥープ)」さんは空間が素敵だよね。

■家のなかでのお気に入りの場所や過ごし方

加瀬谷さん:ここで暮らすにあたって『人を呼んでみんなでご飯を食べたい』って想いがあったので、ダイニングがお気に入りですね。テーブルは天板が伸び縮みするものを選んだから、大人数でも集まれます!今はコロナがあるので自粛中ですけどね……

デンマーク製のエクステンション・テーブル、こちらもチーク材でつくられたものだ。テーブル中央に並んでいるのは加瀬谷さんが最近始めたという陶芸作品。

西村さん:僕はソファでごろごろしていることが多いです。そこから見る部屋の景色が好きなんですよ。お気に入りのものを眺めているだけで満たされるというか、物を集めたくなる理由ってそこですよね。

■インテリアとファッションの関係性

加瀬谷さん:服もインテリアも選ぶ基準は一緒です。同じブランドでも『こういうデザイン、シルエットは珍しいよな』と感じたら、つい欲しくなっちゃいます。普通のものよりかは少しずれているものに惹かれるんです。

中央にある三つ足の黒いオブジェのようなものは花瓶なんだそう。ついつい目を奪われるアイテムがそこかしこに。

西村さん:最初に話した色味や素材の話に加えて、ファッションもインテリアも “出どころは違うけど、同じキーワードで繋がっているものを合わせる” のがおしゃれだと思います。

軍パン(軍隊が履いていたパンツ)にはガチのコンバットブーツじゃなくて、コンバースがつくった軍物のスニーカーを履くみたいな。

西村さん:それがわかりやすくインテリアに現れているのは、リビングのソファですね。デザイナーは不明なんですけど、チーク材をつかった1960~70年代のデンマーク製で、古着で言う “グッドレギュラー(※)”  のようなもの。

そこにデンマークのファブリックでできたクッションを合わせました。幡ヶ谷にある自転車屋のブルーラグさんがつくったもので、ソファと出自はバラバラながらも、同じデンマークというキーワードで繋がっているのが個人的には面白いなって。

※ブランドものではないが、質のよい古着。

廊下に置かれた「バタフライスツール」はリビングのスツール同様、柳宗理によるデザイン。

《住まいについて》
間取り:1LDK
面積:50㎡

《BEAMS infomation》
▼おふたりのファッションスタイル
西村さんのスタッフページ / 加瀬谷さんのスタッフページ

BEAMSで働くスタッフの暮らしにフォーカスしたライフスタイル本『BEAMS ON LIFE LIVING, DINING & KITCHEN』についての詳細はこちら。