気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の違いを「街の先輩」に聞いてみました!「街の先輩に聞く!」、 第52弾は「久我山」です。


渋谷から井の頭線急行で5駅、終点吉祥寺の手前にある久我山。駅周辺には生活感溢れる商店街が広がり、周辺には公園や緑道など自然も多く、初めて降りた人でも安心できる街と言えます。そんな久我山は今、ファミリーに愛される街であり、道ゆく人の中にも親子連れが目立ちます。その理由を、老若男女を問わず地域の人に愛されるベーグル専門店「Honey's Bagel」さんに伺いました。

■地域と繋がれる街

Honey'sBagelがオープンしたのは2010年の10月。当時西武新宿線沿いに2店舗同店を開いていたオーナーが3店舗目として開店しました。3店舗目をここ久我山に出店することに決めた理由は商店街や学校などがあり、人と距離の近い街だから、とのこと。吉祥寺や渋谷・新宿へのアクセスもよく、多方面からお客さんが来ることが期待されるところも決め手になったそうです。

久我山駅は、吉祥寺まで井の頭線急行で1駅3分の近さ。渋谷までは急行で17分。

オーナーは被災地へパンを売りに行ったりもしていて、人間に触れるのが好きな方なんです。ここは(國學院大學)久我山高校をはじめ多くの学校があって、行事がある日はご家族の方がパンを買いに来てくれたりもしますし、私たちも学園祭に出店したりして、地域と繋がれる街なんですよね。近くに住む方が長く通ってくれるので、今では私たちもお客さんと井戸端会議で30分くらい盛り上がってしまったり(笑)

そう教えてくれたのは、オープン当初からこちらのお店で働く山内里紗さん。初めは接客スタッフだった山内さんですが、今では接客・パン作り・材料の発注と全てをこなしています。

お店を始めた頃にまだお腹が大きかったお客さんの子が幼稚園に通っていたりするのを見ると「大きくなったねぇ!」って親戚のような気持ちになっちゃいます(笑)。新しく引っ越して来た方も「この辺、他にいいとこありませんか?」って聞いてくださったりもするし、そういう地元の人との関わりが楽しいですね。

このようにHoney'sBagelが地域の人たちに親しまれる理由は、素材のこだわりにあります。

左:販売しているベーグル。/右:店内には久我山高校の文化祭のチラシも。

できるだけ自然の食品をと思っているので、色がついた食品や加工食品は使っていません。プレーンという一番オーソドックスなベーグルは、水と小麦粉とイースト・塩・砂糖しか入ってないんですよ。すごい明確なので、小さいお子さんのいる親御さんやご高齢の方にも安心していただけています。

どのベーグルに何が入っているのか、全てのスタッフが把握しているように研修でも注意するなど、安心安全にこだわった姿勢が、老若男女、地元の人との絆を深めているようです。

■ファミリーに愛される、窮屈じゃない街

山内さんは最近、街に子どもの姿がどんどん増えていると感じているそうです。確かに取材当日も、駅を降りて歩いてみると親子連れで歩いている人が目立ちました。

久我山が子連れファミリーに愛される理由の一つは、公園や緑道など遊び場の多さです。

規模の大きい公園も多く、取材日は土曜日だったのですが、平日は子供達の賑やかな声で溢れているそうです。

神田川沿の緑道にはランニングや犬の散歩をする人の姿も。

緑道沿いにも休憩できるベンチがあったりと、くつろぐポイントが多いのもこの街の特徴。どこに行くにもアクセスがよく、「窮屈じゃない街」だと山内さんは話します。

緑道をまっすぐ行くと吉祥寺なので、晴れてる日はちょっとお散歩、くらいの気持ちで行けます。電車に乗れば渋谷新宿もすぐですし、のどかな割には便利な立地なんですよね。

杉並区内を南北に走るコミュニティバス「すぎ丸」かえで路線で、西荻窪駅まで行くのもおすすめ。

■地域の人がみんなで作る、子供が安心しておつかいに行ける街

そしてもう一つの魅力は治安の良さだと山内さん。

街灯がすごくたくさんあるので、かなり明るいんですよ。商店街から小道に入っても危ないという印象はないし、学校も多いのでパトロールされているボランティアの方もよく見かけます。そういう地域ぐるみで子供を見守っていこう、安全を確保しようとしているところも久我山らしさですね。

ハロウィンやクリスマスをはじめ、一年を通して商店街が主催するお祭りも多く、そういったところで街全体が顔見知りになれる範囲にあることが、地域ぐるみでの防犯活動などに広がっているようです。

安心して一人でおつかいに行かせられる街だと思いますね。商店街のお店はどこもよく来る地域の子は覚えているので、「パン屋さん行っといで、聞いたらわかるから」ってお母さんが言えるし、お店もお子さんが来たら「あ、いつものね」って言える。そこがこの街の強みかなと思います。

商店街の先には大きな会社もあり駅周辺には居酒屋もあるため、昼夜を問わず人通りが多いところも安心。

■これからも、みんなで子供を見守る街で

山内さんにこれからの久我山がどうなって欲しいか尋ねると「変わらないで欲しい」と言う返事がかえって来ました。

今の久我山って、ただ子供が多いのではなく、これから子供を産むという方が引っ越して来るイメージがあるんです。これから家族になろうという人が選ぶ街だと思うんですね。それってすごいことだし、よくも悪くもいろんなことが起きる世の中で、健やかに子供が育つ街って、どこまでいっても平和だと思うので。このまま、地域全体で子供を見守れる街でいて欲しいですね。

街を大切にし、街の人を大切にする住人の心がけが、久我山をファミリーに愛される街にしているのだということがわかりました。

Honey's Bagel 久我山店
住所:杉並区久我山2丁目12−8
電話番号:03-5941-8288
営業時間:8:00~20:00
定休日:月曜日
ウェブサイト:http://honeysbagel.com/

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