日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする、萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。


こんにちは! カウカモ編集部の酒井(さかい)です。“食欲の秋”、街に美味しい香りが漂う季節になってきましたね。この日お腹を空かせた私がやってきたのは・・・

この活気、この駅ビル! そう、「目黒」駅でございます。4路線が利用できるターミナルで交通利便性◎ 言わずと知れた人気の街です。

左・魅力的な飲食店がズラリと並ぶ「権之助坂商店街」。/右上・ここに来ればほしい家具がきっと見つかるはず。家具屋さんが軒連ねるインテリア通り。/右下・あの名作やミニシアター系まで幅広く上映している、名画座「目黒シネマ」。

利便性だけに止まらないのがこの街の魅力。「権之助坂商店街」の居酒屋で “千ベロ” を楽しんだり、家具屋さんが軒を連ねるインテリア通りをそぞろ歩いたり、さんま祭りで煙にまみれたり、ミニシアターでで笑ったり涙したり。“大人が楽しみ尽くせる街”、それが「目黒」です。

グルメなお店も多い街に悲鳴をあげる私のお腹の虫。その声を聞いたのか、本日のナビゲーターが自転車で颯爽と登場!

《プロフィール》小田切 咲樹
“ギリちゃん” の愛称で慕われている、カウカモ・エージェントチームのクールビューティー。24カ国を10カ月に渡りひとり旅をした経験から、住まいに “愛情” を持つ世界の暮らしを、日本にも広げていきたいと思いツクルバに入社。前職ではリノベーション住宅の設計にも携わる。現在は住まい選びはもちろん、お客さまの『自分らしく暮らしたい』という気持ちに沿ってリノベーションのご提案もするマルチプレイヤー。

まずは腹ごしらえ

実は同級生の私と小田切。お腹ペコペコで情けない同い年の男を見かねたのか、前から気になっていたというカレー屋さんに連れて行ってくれるそうですよ。ありがたや、ありがたや。

左・連れてきてくれたのは、目黒新橋を超えてすぐ、目黒通り沿いにある「LAND(ランド)」。カレーフリークやこの辺りで働く方には有名なお店です。お昼のピークタイムはいつも並びができるそう。この日はお昼過ぎだったこともありスムーズに入店できました!/右上・小田切が注文したのはポークカレー。出てきた瞬間、そのスタイリッシュさにびっくり! これは、インスタ映え。/右下・スパイスがバランスよく調和した美味に、小田切もこの笑顔。私、仕事を忘れデート気分になってきました・・・。

おっと、これはいけない。怒られてしまうので本題へ。

カウカモ命名 “目黒ヴィンテージヒル”

今回、小田切が案内してくれるのは「目黒」駅の北西側。目黒通り・目黒川・航空自衛隊目黒基地・恵比寿方面に伸びる道を結んだ “四角形地帯”。丘になっているこのエリア、実はヴィンテージマンションの密集地なんです。今回は “目黒ヴィンテージヒル” とでも言いましょうか・・・勝手に命名です。

標高を陰影とカラーで表した地図。色がついた部分が “目黒ヴィンテージヒル” だ。こうして見ると本当に四角形。

分譲時には高級マンションとして売りに出されていたことが多いヴィンテージマンション。なぜこの場所に集まっているのか? その秘密は “高台” にあります。江戸時代までの日本では、上流階級の人々は坂のない平坦な地を好んで住居を構えたそう。

しかし、明治維新により西洋文化が流入。日当たりや眺望がよい高台に住むことを好む、西洋的考え方が広まります。これにより、日本でも高台に住居を構えることがステータスとなっていったそう。このエリアは、まさにそれを体現するように発展した高台なんです。

とはいえ四角形の東側、「目黒」駅から「恵比寿」方面に伸びる道は平坦。おでかけの時はこの道を目指せば、わずらわしい坂から逃げられますよ。このエリアで暮らすことをご検討される方は、覚えておくと便利かもしれません。

それでは出発!

「LAND(ランド)」を出て、目的の “目黒ヴィンテージヒル” へは目黒川沿いを進みます。

「目黒」のシンボルといえばココでしょう! 春になると約800本のソメイヨシノが一帯を包み、散り行く花びらが川の水面を覆う光景は圧巻です。

桜並木を自転車で進む小田切。お散歩や、お昼休憩をしている方もちらほら。

少し早歩きで追いつきながら、ふと質問。
『今回はなぜこのエリアをチョイスしてくれたの?』

東京にはたくさんヴィンテージマンションがあるんだけど、その中でもエントランスの螺旋階段が好きなマンションがこのエリアにあって、ぜひ紹介したかったの。もちろんマンション自体の外観とかお部屋も好きなんだけど、私は細かい “ディティール” にグッとくる。こだわってセレクトされたタイルとか手すり、マンション名のフォントとか・・・可愛いくて、手間暇かけて造られているものを見つけるとテンション上がっちゃうんだよね! そんなディティールを持つマンションが点在してるのも、今回「目黒」をセレクトした理由かな〜。

と、言う小田切。“ディティール” に惹かれるようになったのには、こんなバックストーリーがあるそう。

建築系の学校を卒業した後、就職する前にアジアを半年ほど旅していたの。帰国してから不動産会社に入社して、リノベーションと新築建売住宅の設計サポートとかをしていたんだど、また旅欲が出てきちゃって(笑) 勢いで退社して、約10カ月間で24カ国をまわったんんだよね。主な目的は世界の有名建築を見ること! それで、日本にはない個性的な扉とか階段、タイルの可愛さに魅了されちゃって・・・気付けば、そんなディティールばっかり写真に収めてた! そして、もうひとつの目的は自分の生まれたルーツを辿ること。実は祖母がオーストリア人なんだ。

小田切がクオーターであることに驚きつつ、同級生の行動力に感服。最近では神奈川県・鎌倉方面の物件をお客さまに提案するなど、その行動力を仕事上でも遺憾無く発揮しています。カッコイイですね。まさにクールビューティー。

そんな会話をしながら川沿いを進むと、見えてきたのは「目黒区民センター」。

「目黒区民センター」には体育館、テニスコート、プール、トレーニングルーム、図書館、児童館が入っていて、このあたりに住む老若男女の憩いの場。このエリアは自然もあって、都会の真ん中でありながら、ゆとりのある生活が送れるんだよ。

「目黒区民センター」の前にかかる橋で一息。川の奥の方に見えるビル群は “中目黒エリア”。

このエリアは「中目黒」や「恵比寿」も自転車があればすぐにアクセスできる。実は私自身が「目黒」在住で、会社のある「中目黒」へは自転車通勤。都内で暮らすことを検討している方にも、ぜひ “自転車を使う” という選択肢を持って欲しいな。「東京」って街同士の距離が近いから、実は電車を利用しなくても移動できちゃうんだよね。駅から少し離れれば住まいを選べる場所がグッと広がるし、地元の方しか知らないようなスポットもたくさん発見できる!

さりげなく都内で暮らすためのアドバイスをしてくれる小田切。

確かに「東京」は電車網が発達している分、電車の利便性に目が行きがちですが、自転車という選択肢を増やすだけでもっと視野が広がりそう。スラッとした小田切、スタイル維持の秘訣はここにあるのかもしれません。

さて、「目黒区民センター」前の橋を東側に渡ると、そこはいよいよ “目黒ヴィンテージヒル”。

奥に進むにつれ、高台になっているのがわかりますね。

それでは、向かいましょう!

さっそく現れる本命のヴィンテージマンション

『よし、気合いを入れて坂を登るぞ!』と意気込んでいると、なにやらデコラティブな外観のマンションがお目見え。まさか・・・そう、こちらが今回小田切がご紹介してくれるマンション「シャンボール第2目黒」。坂を登る前に到着です(笑)!

昭和47年10月築、地上8階建て・総戸数40戸の「シャンボール第2目黒」は、株式会社大蔵屋が手掛けた “シャンボールシリーズ” のひとつ。そのヨーロピアンで華麗な外観は、周辺に建ち並ぶマンションの中でも、一際異彩を放っています。

この迫力あるレリーフ、どれだけの手間をかけて造られたのでしょうか。

デコラティブな外壁は、“シャンボールシリーズ” 初期の特徴です。

外壁に咲く、花柄のレリーフも可愛いですね。小田切もお気に入りだそう。

外壁のレリーフ部分は洋風だけど、下の石垣は和のテイスト。よーく見ると、色々なディティールやテイストが調和しているのも、この「シャンボール第2目黒」の魅力。

左・バルコニーに設置された、重厚感あるアイアンの鉄柵。マンション全体の雰囲気をキリッと引き締めてくれています。/右・1階にはテナントとして美容院が入っています。なんだか、マダムがこちらでお綺麗にされてる姿も気品ある雰囲気にひと役買っているかのよう。

左上・坂道に面したエントランス。中央の植栽は、横に立つとこのボリューム感。/右上・4〜5月になると、写真のようにツツジの花が咲き誇り、鮮やかに出迎えてくれますよ。/左下・この “いなたい” フォントがまた・・・かっこいい!/右下・植栽横の階段を登ると、エントランスホール内までつながるタイルに目が行きます。丹念に焼かれた陶器のような風合い。

それでは、マンションの中へ。

童話の世界に迷い込む

エントランスホールでは、静けさの中で思わず息を飲んでしまう空間が広がっていました。

豪華なシャンデリアに、吹き抜けの螺旋階段。到底、新築のマンションでは出す事のできない雰囲気です。

エレガントさと、この地で年数を重ねてきた渋さを放つシャンデリア。童話に登場するお城に迷い込んだかのような気分になります。

左上・蹴上の石、真鍮の手すり。細かいディティールに小田切もうっとり。/左下・階段の上からパシャり。真上の住戸に住まわれている方は、毎日どんな気持ちでこの螺旋階段を登り降りしているのでしょうか。/右・ひとつひとつ素材が織りなすこの表情、たまりませんね。経年変化で現れた錆もまた味。

螺旋階段やシャンデリアももちろん素敵だけど、床や壁のタイル、天井の梁にも注目してほしい。ここでも色々な素材とテイストが調和しているんだよ。職人さんが考えて考えて、想いを込めながら造られたことが伝わってくる。そうゆうところに惹かれちゃうなー。

小田切が言う通り、エントランスホールでも和と洋が互いに干渉することなく調和しています。

左・エントランスドアの手前からホールまで続くタイル。近づいて見ると、一枚一枚が違うお顔をしていますね。/右上・螺旋階段裏の壁に施された、鮮やかな色味のデザインタイル。こちらは洋風のテイスト。/右下・一方、天井に通る梁は和室の欄間のようなデザイン。

「シャンボール第2目黒」本当に素敵な空間でした。小田切もご満悦の表情。絵になります。

お次のマンションへ

「シャンボール第2目黒」の余韻に浸りながら坂を登り、次のマンションへ。

坂道を登り切ったところで振り返るとこの景色。

丘になっていることがよくわかるよね。この高低差のおかげでこの辺りのマンションは低層階の住戸でも、バルコニーから抜けのある景色を望めることがあるんだよ! かなり急な勾配なので、通勤通学は少し大変だけど・・・。でも、少し頑張ればフラットになるし・・・いい運動だと思えば平気かも?(笑)

健康的な女性、いいですね。はい、坂道を登りきって平坦なエリアまでやってきました。少し息を切らしてたどり着いたのは・・・

低層レジデンス「ガーデン目黒」(1978年竣工)。写真に写っているのはほんの一部。この奥で異国情緒溢れる世界が待っていました。
 

左上・テラコッタ色のタイルが敷かれたアプローチと植えられた緑が奥へと導いてくれます。/右上・奥には空をたっぷり感じられる中庭が。「ガーデン目黒」という名の通り、どこか違う国の庭園にいるような感覚になります。/左下・敷地内にはあちこちに階段が。登ったり、降ったり、なんだか迷路のようでウキウキしますよ。/右下・このフォント、壁のアーチ。うーん、いいオーラを出しています。

「ガーデン目黒」は、カウカモでも数回販売実績のある人気のレジデンス。ヨーロッパ風の外観と共用部。旅で訪れたスペインの南部を思い出すなー。

海外経験豊富な小田切も納得の異国感。そんな彼女が惹かれるポイントは、やはり細かなディティール。階段やアーチが好きなんだそう。

まだまだありますヴィンテージマンション

みなさん、お腹いっぱいになるのはまだ早いですよ。

このエリアは “ヴィンテージマンションの密集地” であることをお忘れなく。

左上・落ち着いたピンクの外壁と、凸凹の外観が異彩を放つ「小田急目黒三田マンション」。モダニズムを感じるその佇まいは、近代建築の三大巨匠のひとりル・コルビュジエに師事した、坂倉準三氏による設計と聞けば納得です。(1979年竣工)/右上・中に入ると吹き抜けになった明るいパティオが。取り囲むように住戸があり、水平・垂直が強調された空間からは、現代建築の力強さを感じます。/左下・懐かしさと、雁行した住戸のカッコよさを兼ね備える「目黒台マンション」。ヴィンテージマンション好きなら、一目惚れしてしまいそうな外観です。(1968年竣工)/右下・エントランスを潜ると現れる螺旋階段、そして可愛らしいハトのモザイクアート。ポップなデザインもいいですよね。

左上・南仏プロヴァンス!? と思ってしまうヨーロピアンな外観の「目黒ヶ丘マンション」。レンガ色にオフホワイトのカラーリング、個人的に大好きです(1969年竣工)。右隣には株式会社秀和が手掛けた人気のシリーズ、「秀和目黒レジデンス」の姿も(1967年竣工)。/右上・マンション名が書かれた、エントランスのゲートが超かっこいい・・・頭に角があり、だんだんガ◯ダムみたいに見えてきました。ガスランプ風の照明もあったりほかにも注目ポイントたっぷりです。/左下・淡いピンクの外壁に、丸い窓が可愛らしい「パビヨン目黒」。なにやら水のせせらぎが聞こえる・・・?(1971年竣工)/右下・そう、こちらのマンションのエントランスには鯉が泳ぐ池が! ガラス張りのエントランスホールからは竹垣が望めたり、おもむきある和の風情を感じることができます。外観からは想像できないディティールですね。

みなさん、“目黒ヴィンテージヒル” はいかがだったでしょうか? 少しでもこのエリアと、ヴィンテージマンションの魅力にお気づきいただけていれば幸いです。それにこのエリアには、今回ご紹介しきれなかったヴィンテージマンションがまだまだ眠っています。カウカモ編集部では、そんな素敵なマンション、そして住戸をこれからもお届けしてまいりますよ!

・・・え? でも、坂道なのが気になった? なんて考えているそこのあなた。小田切がこんなことを言っていましたよ。

眺望を求めるなら坂道を耐えなければならない。広さや立地を求めるなら、価格はなかなか抑えられない。住まいを探すにしても “全てを手に入れる” ということは難しい。でもその苦労の先に、幸せが待っているのかも。

深イイ・・・。

“家を買う” と言うのは、非常に大きな決断です。妥協はしたくないかと思いますが、“何かを得るには何かを捨てる”、人生と同じで、時にはそんな決断も必要なのかもしれませんね。

取材後記

深イイ話を聞いたら、なんだか一杯飲みたくなってきてしまいました。日も暮れてきたので行っちゃいましょうか。

左上・「目黒」駅方面に戻り、やってきたのは国内外のクラフトビール、日本酒、ワインが楽しめる「ANOTHER8」。レコードで音楽がかかる店内はおしゃれでアーバンな雰囲気ですが、気さくな店員さんがアットホームに迎えてくれますよ。肩肘張らずにいられる空間、いいですよね。/右・背の順に並んだタップで、丁寧にクラフトビールを注いでくれます。/左下・京都に本店を構えるこちらのお店。うすはりのビアグラス、白木のテーブル、陶器に生けられたお花など、随所に “和” を感じる空間です。今思うと “テイストの調和” もこの日のテーマのひとつだったのかもしれません。

普段はクールな彼女との取材。正直、始まる前は少し緊張していました。ところが取材が始まると、好きなマンションのディティールについてうれしそうに話してくれたり、おいしいカレーを前に笑顔がこぼれたり、“女子な一面” がたっぷり。冷静さの中に見える人間味が、お客さまに安心感を与えているのかも知れませんね。

そんな小田切も住む「目黒」。まずはお気に入りのご飯屋さんや、居酒屋さんを見つけに訪れてみるといいかも知れません。そして、この街の空気が好きになったら、ご紹介した “目黒ヴィンテージヒル” にお散歩がてら足を踏み入れてみてください。きっともっと好きになりますよ! これからもカウカモ編集部では街とマンションの魅力をお伝えしてまいりますので、次回もお楽しみに!

あ、皆さん。クールな彼女のギャップにドキッとして、ちょっとしたデートになっていたのはここだけの話ですよ。では、また。

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第7段【品川 × 高輪ペアシティ × 長谷川莉実】