日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする、萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。
こんにちは! カウカモ編集部の平野です。今回やってきたのは、風情溢れる美食の街「神楽坂」。迷路のような路地が網の目状に広がり、夜はお店のやわらかな光が灯る大人な雰囲気の街です。
黒板塀と石畳のコントラストが美しい場所で待っているのが、今回ナビゲートしてくれるエージェント!
《プロフィール》佐藤 稜亮(さとう りょうすけ)
エージェントチーム・ユニットリーダー。新卒で大手リノベーション会社に就職し、中古物件の仲介やフルオーダーリノベーションの提案・営業に従事。カウカモでもエージェント業務に就き、現在は不動産業界から転職してきたメンバーをまとめる、リーダーを担っています。中古不動産・リノベの知識が豊富で、みんなのお兄さん的存在!
風情ある神楽坂の街並み
「神楽坂」と聞いて、何を思い浮かべますでしょうか? 賑やかな商店街に、石畳の敷かれた路地……そんなイメージがありますよね。ここからは街の歴史も含めて、佐藤が案内してくれます!
「神楽坂」にはふたつの商店街があって、それぞれちょっと違う雰囲気なんだよ。一本道で繋がっているにも関わらず、飯田橋駅側の「神楽坂通り商店街」は観光客やひとけも多く賑やか。神楽坂駅側の「神楽坂商店街」はしっとりと落ち着いた感じ。まずは「神楽坂通り商店街」側を歩いてみようか!
てくてく路地を巡って横丁堪能
神楽坂通りから路地を進み、「兵庫横丁」にやってきました。メインストリートから一本脇道へ入り、細〜い横丁を巡ります!
「かくれんぼ横丁」は、“お忍びで遊びに来た要人とかの後をつけも、脇道に入られると見失う” ということから名付けられたと言われているよ。かつては芸者さんや遊女が集まる花街だったからね。
ふむふむ。現代でもこの細道を活かして “お忍びデート” を楽しむ方はきっと多いはず……!
「山路」というサインプレートのある建物は、築70年の元料亭を一軒家ホテルとしてリノベーションした「TRUNK(HOUSE)」だよ。泊まれるのは1日1組限定で、プライベートバトラー(執事)とプライベートシェフがつくんだって。宿泊料金は、1泊60万円超えだけどね。
ひーーー、さすがのお値段。それでも、神楽坂らしい料亭の外観はそのまま、一軒家のホテルにするなんて素敵。“花街時代” の景観を守りながらアップデートする街、なんてかっこいいのでしょう。
新・赤城神社
スタイリッシュな「赤城神社」も、神楽坂を代表するスポットのひとつ。「赤城神社 再生プロジェクト」という建て替え工事が行われ、2010年に生まれ変わっています。
社殿の老朽化が進んでいたのだけど、奉納金の減少や少子化で併設していた幼稚園の経営が難航していて、建て替えは難しい状況で。そこで、神社の土地を一時的に貸す定期借地権を活用して、建て替えとマンションの建設を同時に行ったんだよ。
ちなみにこちらのプロジェクト、“神社 × マンション” という面白い組み合わせで建物の再生をしたことから、2011年にグッドデザイン賞を受賞しています。
借地権の期限が切れたらマンションは壊されて、境内の緑地を復活させるんだって。仕事柄取り壊してしまうのは、ちょっと勿体無い気持ちがあるけどね。
神楽坂にはもうひとつ「毘沙門天 善國寺(びしゃもんてん ぜんこくじ)」というお寺があって、由緒正しいエリアなことが分かる。神社やお寺って高台にあることが多くて、災害リスクが比較的低いとも言われているよ。
“リトルパリ” な一面
そうそう、神楽坂といえばグルメ激戦区としても有名。特にフランス料理店が多いことでも知られていますね。
石畳の街並みがフランス・モンマントルと似ていることから、“日本のモンマルトル” とも呼ばれているよ。フランス人居住者も多くて、そこには1952年にフランス語の語学学校としてできた「アンスティチュ・フランセ(旧東京日仏学院)」の影響も大きいと言われている。フランス人講師のために、フランス料理店が増えていったという歴史があるんだ。
「アンスティチュ・フランセ東京」はフランス政府の公式機関なのですが、なんと誰でも内部の見学ができるんです。というわけで、ちょっとのぞきに行きましょうか。
校舎の設計をしたのは、建築家のル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレに師事した坂倉準三氏。モダニズム建築を牽引した建築家のひとりです。
建物の老朽化が見られるため、校舎全体で増改修計画が進んでいるんだ。既存棟の改修と新棟の建設は、建築家・藤本壮介氏が任命されていて、構想では “フランスの村” をイメージしているそう。2021年に竣工予定だから、完成したらまた見にきたいな。
歴史情緒や異国感に溢れる、おしゃれで粋な街「神楽坂」。さて、この街で彼が紹介したいマンションとは?
三井ブランドのハイグレードマンション
どっしりと江戸川橋通り沿いに構える「パークハイム神楽坂」!
“パークハイムシリーズ” といえば、三井不動産が分譲しているマンションですね。
1997年竣工のマンションで、総戸数は169戸とパークハイムシリーズの中でも大規模。竣工時は高級マンションとして分譲されたんだ。今は販売価格が落ち着いてくる時期に差し掛かっていて、カウカモ的に言うと “たべごろ” なマンション。住戸の広さは50㎡〜90㎡台なので、DINKS〜ファミリー向きだね。
「神楽坂に住みたい」とおっしゃる方って元々地縁があったり、すでに住んでいたり、このエリアの魅力を十分にわかっている方が多い。士業や社会的に地位のある方もいらっしゃるし、そういった方々にも満足いただけるマンションだと思う。このエリアに対してのグレードや予算感、築年数のバランスが非常によくて、自信を持って勧められるんだよね。
共用部であるエレベーターまわりのタイル貼りとか、建物の内側って費用を削れる場所なのに、しっかり意匠が施されているところがいい。こういうディティールからも、マンションの “生まれのよさ” を感じるんだよね。
街散策に戻って
高級感あるマンションを見たあとは、地元に根付く銭湯「熱海湯」へ。
神楽坂通りから南側の路地は石畳が少なく、チラホラと飲食店がある落ち着いた環境です。
「熱海湯」は昭和23年(1948年)から神楽坂の街を見守ってきた銭湯。花街として栄えた街だから、かつては料亭で働く芸者さんがリピーターだった。いま芸者さんはほとんどいないから、周辺にある飲食店の方やランナー、会食後に訪れる人とかが多いんだって。
路地裏の老舗で、お昼休憩
お腹も満たされたところで、筆者からつい漏れた言葉……
『ランチの場所もさることながら、やっぱり神楽坂って格式が高いから “憧れの街” って感じ。個人的にはソワソワしちゃって、住むイメージが湧きづらいかも。』
なるほど! だったら「神楽坂」に歩いていける “周辺の街” の方が住み心地はいいかも。おしゃれな街を生活圏に収めながらも、それぞれのよさを持っている近くの街とマンションを紹介するね!
都心の住宅街 “牛込柳町エリア”
まずは、神楽坂の西側に広がる “牛込柳町エリア” を案内してくれることに! 「牛込柳町」駅には大江戸線が走っています。
このエリアは「新宿」と「飯田橋」の中間に位置していて、これぞ都心の住宅街というイメージ。レトロだけど丁寧に管理されている建物や可愛らしい外観のマンションも多くて、便利さは手放したくないけど、落ち着いた環境に住みたいという方にぴったりだね。
裏神楽坂 “江戸川橋エリア”
お次は、神楽坂の北側にある “江戸川橋エリア” へ。場所柄「裏神楽坂」とも呼ばれているそう。「江戸川橋」駅には有楽町線が通っています。
親しみやすい雰囲気の商店街に喫茶店などが点在していて、ホッと落ち着く街だよ。
このエリアにある1983年築の「東海文京マンション」や1962年築の「目白台ハウス」には、専有面積が40㎡前後の住戸もあって、金額的に手の届きやすい物件が多いのも特徴。価格を抑えたいシングルやDINKSの方々にも合うね。駅前にある「プラザ江戸川橋」はファミリー向けで広い部屋もあるけど、山手線内側にしては控えめな金額帯で出ていることが多いよ。
紙産業の地
そういえば江戸川橋あたりを歩いていて気になったのが、町工場が多いこと。
そうそう、神楽坂も含めた江戸川橋〜飯田橋あたりって、出版や印刷の街としての顔も持っているよ。大日本印刷(株)の工場があったり、出版社が拠点を構えていたり、出版流通大手の(株)トーハンがあったり。実は、印刷産業の中心部なんだよ。
それじゃあこのまま「飯田橋」まで歩くよ!
商業 × 利便性 “飯田橋エリア”
「飯田橋」といえば、都会のハブ駅。中央線、総武線、南北線、大江戸線、東西線、有楽町線と6路線が乗り入れているからね! どこに行くにも便利で交通アクセスのよさは言わずもがな。そういった利便性を求める方に好まれているね。実はスーパーもいくつかあって、意外と生活感もあるんだよ◎
飯田橋周辺でよくオススメしているマンションは、どっしりと構える大型タイプ。しっかりと管理されてきた実績が残ってたり、スケールメリットで月々の共益費を抑えられたり、安定感のあるマンションが多いね。
「アトラス江戸川アパートメント」の、住戸がずれて配置されている雁行(がんこう)型の外観を見せたかったんだけど、大規模修繕工事中とは残念……。同潤会シリーズの建物で “東洋一” とも呼ばれた「江戸川アパートメント」のコンセプトを継承しているレジデンスなんだよ。
取材後記
さまざまな表情を持つ「神楽坂」。花街という歴史的な背景だけでなく、東京の “プチパリ” な一面、グルメ・印刷産業のメッカと、語りつくせないほどストーリーに溢れている街です。
おしゃれで粋な人が集う「神楽坂」の雰囲気を、身近に感じられる周辺エリアも魅力的でしたね。牛込柳町、江戸川橋、飯田橋、それぞれにユニークなよさがあり ”これだから東京の街って面白いんだよな〜” なんて思わされました。
『神楽坂に住みたい!』とお考えの方は、周辺エリアも含めて探してみると、ご自身にぴったりの暮らしが見つかるかもしれません◎
新卒から中古不動産・リノベ業界にどっぷり浸かっている佐藤。エリアの特徴、マンションの知識が豊富で、みんなから頼られている理由がよくわかります。
『エージェントをしている中で大切にしていることは?』と聞くと、「まず、できないことを伝える。そこからできることに目を向けて、一緒にワクワクとする暮らしを描く」という答えが。
リノベーションで言うと、マンションでは住戸の形や建物の構造で、どうしても制約が生まれてしまいます。だからこそ、できる・できないの線引きをしっかりお伝えすることはとても大切。経験豊富な佐藤は ”それはできないけれど、こうするのはどうでしょうか?” という提案が得意だとか。
またリノベーションに限らず、エリア・マンションに関してのご要望にも不動産のプロの視点でアドバイスしているそう。今回の街歩きからも、エリアとマンションの特性をたくさん学ばせてもらいましたね。東京の街とマンションに詳しい彼なら、“叶えたい暮らし” をしっかり受け止めてくれるでしょう!
今後も、街とマンションとエージェントにフォーカスした本企画は続きます。どうぞご期待ください!
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【 #神楽坂 】“良いもの” へのセンスが磨かれる街、 日本のプチ・パリ
取材・文・撮影:cowcamo