気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の暮らしぶりを「街の先輩」に聞いてみました!「街の先輩に聞く!」、 第15弾は「麻布十番」です。


毎年夏に行われる十番祭りで有名な麻布十番。下町的な雰囲気が多く残りますが、六本木、神谷町に囲まれた都会も都会、外国人の姿も目立ちます。

そんな麻布十番での暮らしはどんなものなのでしょうか? 今回はスーパーマーケットでの突撃インタビュー、広尾に続く第二弾として約20年前からこの地で営業を続ける「日進ワールドデリカテッセン」で、麻布十番の人々の暮らしに切り込むため、「カゴの中身を見せてください!」とお願いしてみました。

■突撃! 今日は何を買いましたか?

スーパーマーケットに入るとまず驚くのがその広さと品揃えの多さです。とても都会の真ん中とは思えない広さの店内には、40カ国以上のお酒、350種類以上のチーズ、全体で5万点以上の輸入品が揃っているとのこと。

そんな中、買い物をしている方々に「すみません、カゴの中身を見せていただけませんか?」とお願いしてみると、みなさん快く答えてくださいました。

まずは3階のお酒コーナーにいた40代の男性。近くに住むご両親と弟さんご家族と一緒にホームパーティーをするために、おつまみとお酒を買いに来たそうです。

次にお話を伺ったのは、ご夫婦で来店していた40代の男性。車での来店とのことで、ハワイのコナビールをなんと箱買い! 他では売っていないお酒があるこちらのお店では珍しくないことだそうです。

そして2階のフードフロアへ移り、ペルーと日本のハーフだという40代の男性にもお話を伺いました。 職場が近いため、度々こちらに立ち寄るとのことでしたが、今日購入したのはお気に入りのハム。こちらのハムは日進のオリジナルです。

他の方々の「カゴの中身」ものぞかせてもらった結果、家族で、友人で、ひとり時間のために、シーンはさまざまでありながらも、くつろぎの時間を少し変わった食材やワンランク上のお酒で、ちょっと贅沢に過ごしたいーーそんな麻布十番の人々のライフスタイルが垣間見えた気がしました。

■大使館文化から生み出された圧倒的品揃え

4年前から、このお店の担当になった村本司さんに、お客様はどんな方が多いのか、伺ってみました。

お話を聞かせてくださった、「日進ワールドデリカテッセン」支配人の村本司さん(写真右)。記事トップの写真は、村本さんの代わりに、精肉担当の牧野隆夫さんが自慢のお肉を手に笑顔で写ってくださいました。

6割は外国人ですね。もともとこの店は工場に隣接しており、出来立てのハム・ソーセージも販売していて、周辺の大使館関連の方や外国人の方が多く来られていました。

店の売れ筋であるお肉の品揃えは、この街の国際色の豊かさを物語っています。精肉コーナーでは日進ブランドの加工肉から、ターキー、ワニなど、ハラルやコーシャなどに対応したものまで揃っており、さまざまな信仰を持つ外国人や、他では買えない品物を求める方に好まれているそうです。

ハラル=イスラム法上で食べることが許されている食材や料理のこと。他では買えないお肉のラインナップが揃っているだけあって、取材当日には、ラムを1頭丸ごと買っていくお客様の姿も。

■下町感と国際色が混じり合う商店街の活気

麻布十番の奥深さは、ひとつの街の中に日本の文化を感じさせるお店と異国の香り漂うお店が混在していること。各国の大使館が集まるこの街には、まるで海外に来たかのような国際色豊かなお店がたくさんある一方で、古くからの下町感も残しています。

麻布十番は、昔は本当に下町で。特にこの辺は、『都会のチベット』と言われていたくらいなんですよ。

と笑う村本さん。麻布十番の駅を出てすぐに広がる十番商店街は今ではかなり有名な存在。300年以上の歴史があり、やきとんで知られる「あべちゃん」やたい焼きの「浪花家総本店」など歴史を誇る名店が揃っています。

フランス発の冷凍食品専門スーパー「Picard(ピカール)」や、ビオスーパー「Bio c' Bon(ビオセボン)」、ニューヨークからやってきた「HUDSON MARKET BAKERS」など、国際色豊かなお店が目立ちます。

その一方で、やきとんで知られる「あべちゃん」やたい焼きの「浪花家総本店」など歴史を誇る名店も揃っていることも麻布十番の魅力。

こちらは、2015年にオープンした、ニューヨークに本店のあるワインショップ「THE WINERY」。ニューヨーク店のコンセプトはそのままに、日本らしい外観をしており、まさに下町感と国際色が混じり合ったショップとなっている。

■地下鉄と六本木ヒルズの効果で「街が若返った」

そんな古きよき下町の情緒を残す麻布十番ですが、お店には特にこの5、6年、若い人の来店が目立つようになったと、村本さんは語ります。

昔はリッチな部屋に住んで接待を兼ねた豪華なホームパーティーをするような人が多かったけど、今は気取らない若い人が多くなりましたね。日本人の若い方も見かけます。

パーティーするにしても、仲間内でという感じ。うちはお惣菜はやっていないけど、お肉を軽く焼いて、チーズでワインを抜いて、というちょっとしたパーティーにはぴったりだと思います。料理にあったお酒を探しにくる方や、近所の小規模なこだわりを持った飲食店の方もよく来ますね。

商店街の真ん中にある網代公園には、たくさんの家族連れの姿があり、この街で暮らしている人の多さを感じます。

来店層の変化は、街の変化をそのまま映し出しているといいます。

街が変化した一番のきっかけは2000年に地下鉄の駅ができて人が増えたことですね。さらに六本木ヒルズができたことで、六本木から歩いて十番まで来て、商店街を散策したりする人が増えて、一気に観光地化しました。それに伴って住む人も若い人や気取らない人が増えて、街が若返りましたね。

■周りの街から人が集まる、東京の中心の街

さらに村本さんは、麻布十番はその立地や街の面白さから、周辺の街から人が集まって来る、中心的な存在でもあると教えてくれました。

十番って、地図的な意味でも、役割的な意味でも港区の真ん中なんですよ。十番そのものは下町かもしれないけど、六本木や神谷町など、周辺の街からテレビ局関係の人だったり芸能人だったり、外国人、とにかくいろいろな人が集まって来る。東京の中心といっても間違いないですね。

日進ワールドデリカテッセンの窓からは、東京タワーがバッチリ。東京の中心に存在していることを感じさせます。

■古くからの魅力を残しながら新しい価値を取り入れ、進化していく

そんな麻布十番はこれからどんな街になっていくのでしょうか。

ここから飯倉の方に行ったロシア大使館のあたりが再開発をするようです。高層マンションなどが建設されるそうです。やっぱり麻布十番ほどの商店街は近くにはありませんから、こっちに買い物とかに来る可能性は十分にあると思いますね。マンションもまだまだ建って、人口が増えてますから、これからもどんどん発展していくと思います。

古くからの魅力を残したまま新しい価値をどんどん取り入れ、進化してきた麻布十番都心にありながらも人が暮らす姿のある街として、これからもどんどんバージョンアップしていきそうです。

<日進ワールドデリカテッセン>
住所:東京都港区東麻布2-34-2
TEL:03-3583-4586
営業時間:8:30 a.m.~9:00 p.m.(年中無休)
ウェブサイト:http://www.nissin-world-delicatessen.jp/

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