カウカモでまさに “一点もの” の住まいに出会い、新生活を始められた皆さまを撮影させていただく「カウカモグラフ」。

今回は、カウカモで物件を購入したご夫婦が暮らす、「渋谷区」のリノベーションマンションの一室へお邪魔しました。

《プロフィール》
名前:Yさん(旦那さま)/ Iさん(奥さま)
年齢:30代前半 / 30代前半
職業:会社員(IT) / 会社員(インフラ)
趣味:登山、お笑い、銭湯、バスケ / お茶のお稽古、美術鑑賞、器
Instagramアカウント:@ik_haus

《この住まいについて》
場所:渋谷区
間取り:2LDK
面積:約68㎡(以前の賃貸の住まいより30平米広い)
築年数:約44年(取材時)        
追加リノベ:フルリノベーション

家さがしを始めたきっかけ:結婚を機に購入を検討
家さがし期間:3ヶ月
内見数:5件

「このエリアで住みたい」と決めて・・・

以前はYさんの住む賃貸のお部屋に住んでおり、結婚を機に家さがしを始めたおふたり。
住みたい街自体は決まっており、その中で物件を探し始めたようです。

Iさん:リノベーション自体はずっとしたいと思っていたんです。でも、リノベーション前提で探したときに、価格が合う物件ってそうそうなくて、家探しには苦労しました。

リノベーションと“相性のいい出会い”を求めて

Yさん:私は、カウカモのアプリで事例を収集したり、未リノベの物件を探したりしていました。

Iさん:いろんな業者さんを見る中で、『カウカモセミナー』でお話を聞いたんです。ローンの組み方や金融機関の情報を聞くうちに、リノベーション前提の物件購入に詳しい方にお願いしたほうが安心感があると感じ、担当の鈴木さんにおまかせすることにしました。

実は、家さがしを始めた初期に別の仲介業者さんに内見をお願いしていた時期もありました。ですが、リノベーション視点を持った業者さんは少なくて。リノベーション前提でお願いできる仲介業者さんへ任せたいと思うようになったんです。

キッチン正面にはボーダータイルをあしらった。土のぬくもりが感じられる柔らかな色合いが美しい。

和を起点とした住まいづくり

最初からリノベーションのイメージはあったのでしょうか。

Iさん:そうですね。和の要素を空間に取り入れたいと思っていて、いろんな事例を収集していました。
いくつかの設計事務所をリサーチした結果、理想を実現してくれると感じた設計事務所にお願いしました。

Yさん:まず、好きなテイストの写真や気になる施工事例を設計士さんにお渡しし、私たちのイメージを丁寧に汲み取ってもらいながら形にしていきました。
各地を巡った際に宿泊したホテルも、大きな参考になりましたね。たとえばベッドルームは、その時の体験からインスピレーションを得ています。

ベッドルームの壁面は、珪藻土調のクロスとモールテックスで仕上げた。ニッチに仕込んだ照明が照らす塗装の表情が美しい。

壁や天井に点在するアール(曲線)も、当初から取り入れたいと決めていた要素だそう。

Iさん:アイコニックなキッチンのアールは、実は梁を隠すためのデザインでもあるんです。構造上隠せない梁があったのですが、これを隠すように天井をデザインしていただきました。

アールで柔らかく空間を包む意匠。和紙・漆喰・タイルなど、色味が近いものを選定しても、異素材で風合いが少しずつ違うため、光の広がり方がなんとも楽しい空間だ。

光と抜け感が生む美学

玄関を入った瞬間に心を掴まれました。洗面スペースがあるのに、生活感や設備感を一切感じない。まるでホテルのようにしっかりコーディネートされた空間だと感じました。

Iさん:ありがとうございます。ここは採光が課題で、空間が真っ暗にならないよう、ガラスブロックで洋室の光を取り込む工夫をしていただきました。

建具も、ガラス入りのハイドアで『抜け感』を出すことで、空間の圧迫感をなくしています。
玄関から入ってきたときにちょうど灯りが見えるようにブラケットライトを設置しました。

Yさん:床にはサイザル麻を採用しました。裸足で歩いたときの感触が本当に気持ちいいんです。これも、以前宿泊したホテルで気に入って取り入れたエッセンスの一つです。

玄関・廊下。ガラスブロックのおかげで、洗面所にもふんわりと光が届く。

洗面台は、おふたり並んでも余裕のあるW1800のものを造作。ドレッサーを兼ねた空間です。

Iさん:真鍮の脚を設けて、洗面台を少し浮かして圧迫感をなくしてもらいました。ここは玄関から入ってきたときに目に留まる箇所だったので、『重苦しくなく、軽やかな雰囲気』に見えるように工夫したかったんです。

飛び出ないように壁に埋め込まれた三面鏡。タイル目地と鏡、枠のラインが揃っている点に、設計士の緻密なこだわりが感じられる。

異素材の組み合わせが美しいキッチン

このお部屋の雰囲気を最も象徴するようなキッチン。主張しすぎない緻密なこだわりが光ります。

キッチンは天板に人工大理石のAICA/コーリアン®、扉にクリ材を採用し、取手に真鍮金物を合わせた。クリ材は明るい色味の中に力強い木目が走り、水に強い高耐久な点が特徴だ。

Iさん:うつわの収集が趣味なので、ある程度何を入れるか想定して寸法を決定しました。

その中でも、食洗機は大きめのものを選定するなど、機能的なところは削ぎ落とすことなく意匠を作り上げたのは、こだわりの一つです。

そして、窓の向こう側が大通りでして...。ただ、光だけは取り入れたかったので、外の視線を遮りつつ柔らかな光を届けてくれる、このような障子窓を設けてもらいました。

アクリル板に和紙が挟まれている「ワーロン紙」を用いた障子窓。ふわりと広がる光が特徴的で、水拭きも可能。

Yさん:最後の予算調整の際に、レンジフードを減額する案もいただきましたが、最終的にはtoolbox製のミニマルなレンジフードを採用しました。スッキリしたデザインで、この部分の意匠を妥協しなくて本当によかったと感じています。

toolbox製のレンジフードは凹凸がないミニマルなデザイン。キッチンの正面にはお気に入りの器のディスプレイを設けた。

多方向から光を取り入れるリビング

もともと3LDKだったお部屋を、広々とした1LDK+ワークスペース(WS)+ウォークインクローゼット(WIC)にリノベーション。
リビングは、梁で緩やかにゾーニングされた一つの大きな空間となっています。

Yさん:基本的には、梁がある箇所で空間を区切っています。扉がないけれど、なんとなく空間が区切られている感じがするんです。

リビングの南側の空間は、将来1室として区切れるよう、エアコンの配管やスイッチを必要な箇所に設けた。WICはぐるっと回れる裏動線で、洋服や雑物などはすべてここにまとまっている。

Iさん:リビングが三方向の窓面に接しているつくりです。そのため、光が様々な方向から回ってくるので、日中とても心地よいんです。

奥のワークスペースは東向きなのですが、この窓からの景色が一番抜けていて気持ちいいと感じました。そこで、景色をリビングからも楽しめるよう、ガラス扉で仕切ることにしたんです。

東側の窓の景色をリビングに取り込めるよう、ワークスペースをガラス建具で仕切った。梁の裏側にはロールスクリーンが隠されており、必要に応じて視線を遮ることもできる。

ノイズを削ぎ落とした美意識

空間の中に無駄なラインが一切なく、本当に美しいと感じました。この点もこだわりのひとつなのでしょうか。

Iさん:そうですね。無駄なラインが出ないように、設計士さんとともにすごくこだわって作り上げました。

たとえば、目に留まる位置には極力スイッチを設けないよう位置を調整し、インターホンやまとまったスイッチ類は見えない裏側へ設置しています。

このような緻密なこだわりは、空間を彩る飾り棚や照明の細部にも垣間見えます。

Iさん:キッチンには『銅板』のディスプレイを設けました。最初はピカピカでしたが、時が経ち、錆や緑青がいい具合に風合いとなっています。

リビングの一角にあるディスプレイスペースには、小松石の天板を用いました。これは、設計士さんが神奈川の採掘場まで足を運び、選んできてくださったものなんです。

こうした緻密なこだわりの中にも、静かに個性を光らせる壁面ライトや、フローリングの「すだれ貼り」のラインをわずかにずらすといった、細やかな遊び心が息づいています。

くぼみのライトも特徴的。点灯すると、漆喰の風合いや緩やかな丸みがあらわになる。

変えられない「ポテンシャル」の見極め

このような緻密なこだわりを叶えるための物件探しでは、「変えられない部分」、すなわち物件が持つ本質的なポテンシャルを見極めることが重要になります。

Yさん:リノベーションをする上で、管理状況や環境、窓面など、変えられない部分は特にしっかり確認していました。
この物件は窓が多かったので光がよく入ってくること、また、古いマンションだけど共用部が綺麗に保たれている点などが気に入ったんです。

Iさん:古い物件ではありますが、リノベーションで外壁側に断熱材をしっかり設けているので、寒さ暑さで困るということもありません。

リノベーションを理解する不動産仲介サービスとしてカウカモを選んでくださったYさん、Iさん。
おふたりが理想を追求して選定した設計士さんとともに実現したこの住まいは、デザインの持つ力と、それを具現化するための確かな物件選びの重要性を物語っているようでした。


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