「ライフカタログ - Atelier Kitchen」リリース記念企画・前編。ACTUSさんに北欧インテリアの特徴や魅力を教えていただきました!
カウカモでは暮らし方に合わせて家具・植物も選べる、パッケージリノベーション「LifeCatalog - renovation & livin'(ライフカタログ リノベーション&リビン)」を提供しています。
その中のスタイルのひとつ「Atelier Kitchen(アトリエキッチン)」は、北欧のヴィンテージ家具をイメージした、カジュアルだけど品がある、優しくて柔らかい空間を目指して作られたもの。家具のセレクトには、ライフスタイルストア「ACTUS(アクタス)」さんにご協力をいただきました。
カウカモマガジンでは、これを記念して「ACTUS」さんに北欧インテリアの特徴や魅力について伺いました。
それでは、天王洲にあるACTUSのコンセプトショップ「SLOW HOUSE(スローハウス)」を舞台にインタビュースタート!
■「ACTUS」とは?
改めて「ACTUS」さんについて教えてください!
私ども「ACTUS」は、日本でいち早くヨーロッパ家具の輸入販売を始めた会社です。1969年に創業し今年で53周年、現在では国内の主要な都市に直営店舗とパートナーショップを展開しております。インテリアをはじめとする「衣食住」にまつわる様々なプロダクトを、独自のノウハウで編集し「上質で、丁寧な暮らし」をお届けするライフスタイルカンパニーを目指しています。
■北欧インテリアとは?
さて、おしゃれなインテリアスタイルといえば “北欧” 。そんなイメージを漠然とお持ちの方も多いのではないでしょうか。まずは北欧インテリアとは、そもそもどんなものなのかを伺いましょう。
一言で表現するならば “長く飽きずに使える、美しい生活の道具” です。
北欧インテリアは「バウハウス」というドイツの芸術学校の影響を受けた、美しさと機能性を兼ね備えたモダンなデザインが特徴で、中でもデンマーク家具の “黄金期” と呼ばれる1950~70年代には数々の名作が生まれました。
例えば、デザイナーのポール・ヘニングセンが発表した「PH5」という照明は、まさにその時期に誕生したものですが、今やインテリアショップに大体ひとつは置いてあるような定番品となっています。
そのことが物語るように時代を超えて愛される普遍的な価値を持っているのが、北欧インテリアの魅力だと思います。
■古き良きヴィンテージの世界
北欧インテリアは木の温もりを感じるヴィンテージ家具の印象も強いのですが、今仰っていた “黄金期” に制作されたものがそのイメージを抱かせるのでしょうか。
まさしくその通りです。当時デンマークに影響を与えた隣国ドイツでは鉄製の家具が多かったのですが、当のデンマークでは鉄が採れないため木製の家具づくりが発達しました。
その際、今やなかなかお目にかかれないチーク、マホガニー、ローズウッドといった銘木が贅沢に使用されたことが、 “黄金期” と呼ばれるひとつの由縁でもあります。
私どもは “経年美化” と言うのですが、こうした良質な素材は年を経て風合いが高まるため、デンマークヴィンテージは現代において非常に人気が高いんです。
また当時は工業技術が未発達な分、ひとの手仕事が輝いた時代でして、その製法から職人たちの丁寧な仕事ぶりを読み取ることができます。
ひとつの例として、テーブルの天板に注目してみましょう。表面は木を薄くスライスした突き板という材でできているのですが、ダメージが出やすい側面(小口面)には無垢材が張ってあります。
このひと手間が加わることで、突き板のみで構成されたものよりも、耐久性が高まるのはもちろん、木が持つ風合いをグッと感じられるようになるんです。
細かいところですが、こうした長く美しく愛用するための奥ゆかしい気遣いがデンマークヴィンテージの魅力だと思います。
■蘇る黄金期の手仕事
ACTUSさんは今ご紹介いただいたように、新品の家具だけでなくヴィンテージの取り扱いもされているんですね。
そうなんです。ACTUSでは10年以上前から、海外(主にデンマーク)から買い付けてきたヴィンテージ家具を日本の熟練した職人さんたちの手でひとつひとつ丁寧にリペアを施して販売しています。
デンマークでは戦後の急速な経済成長の中で、工業化が進み数知れずの家具メーカーが廃業していきました。日本でデンマークのヴィンテージ家具を修理する職人さんたちは、リペアに関わることで、時代とともに失われた当時の木工技術の高さを改めて実感されるそうです。
■古き良き時代を受け継いで
ヴィンテージの魅力、そしてそれを現代に蘇らせる手仕事の数々を教えていただいて、一層北欧インテリアに憧れが募ってきました。ただこうしたヴィンテージ、特に有名デザイナーによるものはなかなか手が届きづらい印象です。もう少しだけ手軽にその魅力を味わうことはできないでしょうか……
やはり弊社としてもヴィンテージ家具のリペアを行う中で、デンマークの職人たちのこだわり、手仕事だからこそ醸し出せる味わいというものを学びました。
そこで、その技術やデザインを継承していきたいという想いで「H.W.F(Hand Work Furniture)」というシリーズをスタートさせたんです。
こちらのシリーズは仕上げや構造に至るまで当時のものを受け継ぎ、先ほどお話ししました小口面や取っ手のディテール、そしてデンマーク製のダイニングテーブルによく見られる伸長機構などを再現しております。
また、オークやウォールナット、アッシュといった天然の材を用いているため、長く付き合っていただくことでヴィンテージのような “経年美化” も楽しんでいただけますよ。
■北欧インテリアが似合う住まいとは?
そんな家具たちとの暮らしを考えると、住まいをどのようなスタイルにしようか迷います。何かアドバイスをいただけないでしょうか!
本物の素材を使うことがキーではないでしょうか。木の床や漆喰の壁など素材の質感を感じられる空間に、よい家具を置いていただけると互いを引き立てあってくれると思います。
あとは床材と家具の素材や色合いを合わせていただくのもおすすめです。例えば、今回ご紹介した木製家具のような茶褐色のインテリアでしたら、床材はブラックチェリーやウォールナット、色の深いオークなどがマッチするかと思います。色味を揃えることで、圧迫感が抑えられ開放的な空間を演出できますよ。
ただ一つ申し上げたいのが、ルールに囚われすぎず自分らしい空間を楽しむこと。それが一番大事なんじゃないかと思います。時折イレギュラーを差し込んで、個性を出すのが楽しいですよね。
最後にACTUSさんの「H.W.F」シリーズを導入した「ライフカタログ - Atelier Kitchen」の内装についてもご感想を伺わせてください!
第一印象として、肩肘張らない安心感のある空間だと思いました。本物の木を使った味わいある内装なので、家具との調和を感じます。
家(住空間)は人がいて完成するものだと思うので、住む方が好きに埋めていけるような余白があるところもいいですね。
個人的には、カウンターの天板がナチュラルなカラーで、白木のスツールとともに空間にアクセントを付けているところにも惹かれました。
上村さん、ありがとうございました!
ご紹介した、ライフカタログ(LifeCatalog renovation&livin)の詳細はこちらからご確認いただけます。
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>【後編】では北欧の名作家具やブランドの魅力をさらに掘り下げて伺いました。あわせてお楽しみください!
【SLOW HOUSEについて】
デザインや機能に「意味」があるか、暮らしをより楽しく・美しく・心地よくしてくれるか、そして地球や社会や人に対して誠実であるかという目線で、世界中から日用品やテーブルウェア、インテリア雑貨などをセレクトする「ACTUS」のコンセプトショップ。
【INFOMATION】
アクセス: 東京都品川区東品川2-1-3(google map)
営業時間:11:00-19:00
定休日:水曜日(祝日を除く)
公式HP:https://www.slow-house.com/
撮影:角田 博 / 取材・文:本多 隼人