日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする、萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。
こんにちは!カウカモ編集部のホンダです。今回やってきたのは「上町」。下高井戸駅と三軒茶屋駅を結ぶ東急世田谷線沿いのエリアです。都内に現存する路面電車はこの世田谷線と都電荒川線(東京さくらトラム)のみ。路面電車が走る街ってなんだかゆったりした空気があっていいですよね……
筆者は新宿駅から小田急線に乗って、豪徳寺駅(山下駅)で世田谷線に乗り換えて「上町」に。二両編成の車両を降りて、今回この街を案内してくれるエージェントと駅前で待ち合わせ。
??:おーい!
あ、いたいた。線路の向こうから爽やかな好青年が手を振ってくれてます。
《プロフィール》浅利 圭介(あさり けいすけ)
前職では鉄道会社に勤務し、主に駅ビル、駅ナカの企画・営業に従事。暮らしの領域で人々に「気持ちのいい毎日」を提供したいという思いでカウカモにジョイン。趣味は、料理と音楽とお酒とゲーム。
お疲れ様です。どうやら僕とは逆方面の電車で来られたようですね。
浅利:そうそう、僕は三軒茶屋駅乗り換えで。ホンダさんは小田急線?京王線?。世田谷線って短い区間だけど、いろんな路線から乗り継いで来れますよね。
確かに、僕は新宿駅からなので京王線を使う手もありましたね。この流れでざっくりこのエリアの位置関係や特徴を聞いてみましょう。
浅利:まず交通面で言えば、この辺りはバス便が便利で、渋谷行きのバスに始発で乗れますよ。路面電車やバス移動のゆったりした雰囲気が好きな人にはおすすめしたい街です。
「松陰神社前」までは歩いて10分くらい。自転車があれば「三軒茶屋」や「桜新町」もすぐ行けるので、近所でお気に入りのお店を見つけたりするのも楽しいエリアですね。
肌感としては、20~30代の単身女性やDINKSに人気が高い印象かな。
世田谷通り沿いにはマンションらしき建物が立ち並んでますが、今日訪れるものもこの中に?
浅利:確かにこの通り沿いにもマンションはあるんですけど、今日はもうちょっと静かな環境に建ってるマンションを紹介しようと思っていて。ひとまず駅の北側へ向かいましょうか。
緑ある街で
踏切を渡り、城山通りを北上。なんでも「上町」は都内ながら意外にも緑が豊かな街とのこと。住宅街に入っていくと緑道に差し掛かりました。
浅利:この烏山川緑道は、池尻大橋まで続いてます。ちなみに、こういう緑道は小さな河川を暗渠(あんきょ)化して造られたものが多いんですよ。
世田谷区って他にも緑道が15本あって、散歩やランニングをするにもいい環境ですよね。
なるほど、目に見えない川が隠れていることもあるんですね。そんな風にちょっと目線を変えて街を歩いてみるのも楽しいかも。
突如、われわれは森の中に。たどり着いたのは世田谷城址公園。"城址” とは城跡のこと、ここには世田谷城が建っていたんだとか。
浅利:最近、近所に公園や緑が欲しいってお客さまが多いので、ここはぜひ紹介しておこうと思って。さっきまで住宅街だったのに、本当に森の中みたいですよね。
正直、僕は公園自体に行くことってあんまりないんですけど(笑)、“公園があるような街” にはゆとりを感じて惹かれます。
この辺は歴史的スポットが多くて、歴史の授業で出てきた井伊直弼(いい なおすけ)のお墓も近くにありますけど、行ってみます……?
井伊直弼……懐かしい響きですね。行ってみましょうか!
またもや森かと思いきや、ここはトンネルのような松並木が特徴的な豪徳寺の参道。並木を潜り抜けると山門の傍らに墓所を見つけました。史跡やお寺を巡って『なんだか修学旅行みたいだな』と感想を漏らしつつ、目的のマンションへと向かいます。
白い双璧
浅利:まず紹介したいのは「東建第2上町マンション」。読み方は東建(とうたて)、東京建物株式会社という社名の略ですね。築50年近いんですが、丁寧に管理されたいいマンションなんですよ。2015年に大規模修繕工事を実施していて、窓サッシや玄関扉も更新済みです。
筆者は恥ずかしながら「とうけん」と読んでしまいました。植栽が綺麗に整えられてる様子からも管理のよさが伺えますね。
浅利:そして、すぐ隣をみてください!こちらが僕の一番好きなマンション「日商岩井豪徳寺マンション」です。この戦艦みたいなフォルム、かっこよくないですか……?
確かにモダンでかっこいい……ずっしりとした外観に筆者が圧倒されていると『すごいのは外観だけじゃない』と、いそいそとエントランスを潜り抜けていきます。
浅利:どうです、この中庭。インパクト抜群ですよね。個人的には植栽の感じも好きで。
お隣の「東建第2上町マンション」と同年代に建ったんですけど、こちらも2014年に大規模修繕工事を実施済みで管理状態がとてもいいんです。
100㎡を超える巨大なルーフバルコニー付き住戸があったり、ヴィンテージならではのよさが詰まったマンションだと思います。
貫禄あるこのふたつのマンションを後にし、続いては駅の南側を散策することに。
新たな兆し
ひとまず駅前で飲み物を調達。立ち寄ったのは2018年にオープンした雑貨販売も行うカフェ「世田谷百貨店」。
浅利:ふたつ隣の「松陰神社前」はおしゃれな店の多いトレンドのエリアだけど、ちょっと発展しきった印象が個人的にはあって。最近は「上町」にもいいお店が増えつつあるなと感じています。
という浅利の言葉に誘われて巡ったお店をいくつかご紹介。
ちなみに「亜細亜食堂サイゴン上町店」は以前にカウカモマガジンが取材したことも。気になる方は下記の記事も併せてどうぞ!
▼「上町」に関する “街の先輩に聞く!”
【 #上町 】歴史の中で、ホンモノ志向に出会える街
浅利:もちろん日々の生活に欠かせない、スーパーやドラッグストアもあって買い物には困りませんよ!
「オオゼキ」って生鮮食品の品揃えがよくて好きなんですよね。僕は割と料理をするので、なかなか他のスーパーで見かけないような魚が売っているのが結構嬉しくて。前に『市場か!』ってくらい立派な伊勢海老が売ってるのを見たことがありますよ。
浅利:そうだ。この近くに「パルテノン上町」というマンションがあるので行ってみましょう。
なぜ “パルテノン” なんだろう?と筆者が疑問符を浮かべていると、『行ってみればわかりますよ』と浅利。これは見てみるしかありませんね。
浅利:ここがそのマンションです。まずはこの列柱にご注目。なんとなくギリシャの神殿を思わせる意匠じゃないですか? 僕も初めて来た時にこれを見て『そういうことか〜』って納得したんですよ(笑)
上町駅から徒歩三分、先ほど紹介したオオゼキもすぐそばという利便性の高い立地が魅力的ですよね。周辺は低層の住宅街なので、高層階なら眺望のいい住戸が多いマンションなんですよ。
ボロ市通りに立ち寄って
上町といえば「世田谷ボロ市」が有名。約700店もの露店が並び、骨董品や古着、様々な品が売られるイベントです。毎年12月と1月の2回、2日間ずつ開催されるそうですが、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、残念ながら中止なのだとか。ところで、ボロ市が開催される「ボロ市通り」ってどのへんでしたっけ?
浅利:ちょうど世田谷通りの裏ですよ。最後にそっちへ行ってみましょうか。いい洋食屋さんもありますよ!
浅利おすすめの洋食屋さん「BOURBON(バーボン)』に到着。ネオンサインもいい味だしてます。ここで名物のランチを食べてお開きとしましょう!
編集後期
普段は路面電車と緑がつくるゆったりとした空気に身を投じ、ちょっとその気になれば賑やかな街にもすぐ繰り出せる。「上町」はそんな絶妙なバランス感が魅力的な街なのでしょう。都会の周縁部と言っても、決してそこに何もないわけではなく、目を凝らせば素敵なヴィンテージマンションや通好みのお店の姿もちらほら。歩けばその度何か発見できそうな気配も感じられました。取材中、案内してくれた浅利が『住みたいなぁ』と呟いていたのがやけに印象に残っています。
それでは、次回の「街とマンションと私」もどうぞお楽しみに!
取材・文・撮影:cowcamo