カウカモマガジン6月号は、クラウドファンディングMakuake特集!!
ということで、Makuake代表・中山亮太郎氏と我らがカウカモマガジン編集長・中村真広の対談企画をお届けしています。

前編では、中山さんにMakuake誕生秘話から独自の立ち位置を手に入れるまでのエピソードを赤裸々に語ってもらいました。後編はMakuake運営の舞台裏、そしてこれからのビジョンを聞かせていただきます!

前編の記事はこちらから。写真左は、カウカモマガジン編集長・中村真広。右がお話を聞かせていただいた、Makuake代表・中山亮太郎さん。


「圧倒的ユーザー感覚」キュレーターの存在こそがMakuakeの強み

中村

前編で中山さんご自身が、プロジェクトのクリエイティブも担当される・・・なんてお話も飛び出していましたが。製品やサービスを作る側のプレゼンテーションと、それをユーザーに届けるMakuakeという仕組みがあって、両者をつなぐのがサービスですよね。「こういう風に見せた方がいいよ」「こうすればユーザーの支持が集まるよ」って翻訳家のようにつなぐことが、まさにすごく重要なんじゃないかと思うんですが、どういう風にサポートされていますか?

中山

すべてのプロジェクトは必ず「キュレーター」という役割のスタッフがサポートしていて、時にはコンセプトメイキングからお手伝いすることもあります。

例えば、何の変哲もないように見える時計にも特徴はあるはずで、そこに反応するターゲット層もいるはず。彼らがその時計を手に入れた時にどんな体験ができるのか。そこまでコンセプトが一気通貫するようにコンサルティングして、魅力ある製品に見せるお手伝いをしたいなと思っています。コピーライターのような仕事だと思うんですけど、それに近いことをすべてのキュレーターがある程度できるようにしています。サポートさせていただいたプロジェクトは、比較的反応が大きいですね。

中村

それは心強いですね!

まずはキュレーターが自ら体験し、プロダクトの魅力を探ります。これは、去年大好評だった、あの人気ビジネス書「7つの習慣」のボードゲームを体験している時の様子。

中山

サポートすると何が面白いかがすごく際立ってくるので見る人も分かりやすいですし、メディアに取り上げてもらうことも増えてくる。その辺は意識して、魅力を引き出すお手伝いをしています。機能というより組織力みたいなところが強みになっています。

中村

新しい職業ですよね。広告代理店でもないし、新しい職能の感じがする。

中山

そうですね。新しいものをブラッシュアップして世の中に出すお手伝いをしていくっていうことは、ひとつの面白い職業だなと思います。だいたい月に100件ぐらいプロジェクトが掲載されていて、それぞれのキュレーターの得意ジャンルに合わせてプロジェクトの担当を決めています。

中村

月100件掲載されているんですね! それは新しいもの好きにはたまらないですね。Makuakeからプロジェクトオーナーに見せ方をアドバイスして、それをプロジェクトオーナー側で直して、もう一回アップする、という流れなんですか?

中山

そうですね。実は社内に「クリエイティブ秘伝のタレ書」があって(笑)、毎月のように内容をアップデートしているんです。内容はプロダクト、レストラン、地域活性などプロジェクトのジャンルごとに分かれていて、それぞれ見せるポイントが全然違う。何百という案件を、そのタレ書を基にブラッシュアップしたり文章の並びを変えたりしています。

中村

他社のクラウドファンディングサービスだと、プロジェクトオーナーが投稿した原稿を原則そのまま公開、というところもあるじゃないですか。そうじゃなくてディレクションをちゃんとやるっていう点で、Makuakeはすごい手厚いですね。

中山

そうだと思ってやってますね。ここで一緒にしっかり考えないでちゃんとユーザーに訴える表現になっていないと、せっかくの面白いはずのアイデアがターゲットユーザーに伝わらずに失敗して終わって、誰のメリットにもならない。スタート前のその踏ん張りどころみたいなのは、必死に向き合ってますね。

中村

PRデザイナーの側面もありつつエバンジェリスト(製品やサービスについて分かりやすく解説する人)でもあって。えも言われぬ職業だと思いますね、キュレーターって。

中山

いろいろなスキルは求められますが、圧倒的に「ユーザー感覚」が大事かなと思ってます。ユーザーへの想像力とか。例えば今、DJが使う機器のプロジェクトを扱っているんですけど、担当者はDJじゃないんですよ。なので同期でDJやってる人に聞きに行ったり、会社で付き合いのあるタレントDJさんに見てもらったり。わかる人を巻き込んで、何が魅力なのかを見ていく、そのスキルが重要になってくる。決して簡単な職業ではないと思います。

DJのプロジェクトはこちら。サポーターの数は1,300人近く、5,300万以上もの金額を集め、Makuake史上支援金を最も多く集めたプロジェクトに・・・!

中村

これまでなかった職業の人を育成していくのって大変じゃないですか?

中山

大変です(笑)。トップが背中を見せていくしかないですよね。新しいスキルをどうやって身に付けていくのかは、トップがそのスキルと向き合って「こうあるべきだ」って示していくしかないなって僕は思う。

例えば5〜6年前までインターネットサービスの「プロデューサー」っていう言葉の定義はすごく曖昧だったんですけど、当時、サイバーエージェントの代表である藤田自らがプロデューサーになったんですよ。インターネットのサービスを使ったり、細かいボタンの色を考えたり、その色がユーザーに与える感覚を考えたりとか、徹底的に。プロデューサーとして必要なスキルを定義して、自分がまずできるようになっていったんです。あれだけ大きな事業を回している人がプレイヤーとして誰もやったことのないスキルを定義して、しかもちゃんと成果を出しているから、自分も「そうしなきゃいけないんだ」ってまざまざと見せられた思いで。

もうそれからひたすら特訓しましたね。例えば水という商品ひとつとっても、「この水がユーザーに与える体験て何なんだろう」って考えたり。コピーライターの本もたくさん読みましたし、話を聞きに行ったこともあります。まだ全然思うようにできていないですけど、ひたすら走りながら身に付けて、考えています。

中村

これまでも中山さん自らキュレーターとして手掛けたプロジェクトはいくつもあるんですか?

中山

あります。それに、物の価値を引き出すっていう感覚自体が、Makuakeのサービスや事業自体を設計していく感覚に似ていました。ユーザーにどんな経験を与えて、これを使ったらどんないいことが起こるかをどうイメージさせて、Makuakeを好きになってもらうかは重要なテーマなので。

もう、新しいもの好きな人の「クラウドファンディングって珍しいからやってみよう」っていう利用は一周したと僕は思ってて、「なぜ使うのか」を、ユーザーサイドも実行者サイドも明確にしなきゃいけない時が来ている。そういう意味で、物の価値を引き出す訓練は今のサービスを作る上でも参考になってきた気がします。

後ほど登場、「Amadana Music」のローンチパーティーの様子。役員とキュレーターとでうかがったそう。

作る側が事業として成功できることをサポートしたい!

中村

最近は東急プラザ銀座内「HANDS EXPO」や伊勢丹新宿本店など、実店舗での販売や展示も話題ですね。Makuakeでプロジェクトを成功した人だけが製品を登録出来るECサイト「Makuake SHOP」で、実際にクラウドファンディングが終了し、製品化された製品を購入できたり、サイト以外の周辺領域まで作られてると思うんですけど、これからどんな世界観を目指されていますか?

中山

ユーザーに楽しんで欲しいという思いももちろんあるんですが、作る側の皆さんが、勇気を持って製品なりサービスを生み出している、それを事業としてうまくいくようにサポートしていきたいという部分が強いです。実店舗で展示したり販売したりすると、お客さんはもちろん来るんですけど、話題になったり他のバイヤーさんが見に来たりと波及効果が大きい。そういう形で、作る側の売り上げが拡大するきっかけを作りたいな、というのがあります。実店舗もそうですし、Makuakeで成功した企業・個人だけが使えるEC機能も作りました。

伊勢丹新宿本店の本館2階・メンズ館2階の一角で、Makuake掲載中のプロジェクトを展示中!

2016年3月、クラウドファンディングで成功した製品を販売する「Makuake STORE」がオープン!

中村

お金を出すユーザー側も、WEBでは何となくいいなと思っていたけど買いそびれたりして、そういう時に店舗で実際に見られたら嬉しいし、そういう喜びもあるんじゃないかと。

中山

そうですね、間違いなく楽しいのはあります。そしてユーザーさんがしらけちゃうようなことはしたくないなと思って気を付けています。

例えば「クラウドファンディングで買わなくても、ECサイトで後から売り出されるんじゃないの?」という見方も出てくるかもしれない。「どうせ売られるなら後で買えばよかった」ということに絶対にならないように気を付けながらサイトの設計もしていて。実は小指一本でバランスとっている感じなんですが(笑)。新機能を作ったり新たな提携を結んだりとか、新たな試みは多いですが、かなり慎重に決めてますね。

中村

同じ人に2回目、3回目のクラウドファンディングの機会をプロデュースすることもあるんですか?

中山

最近増えていますね。前回失敗したけどもう一度やったらうまくいったとか、もう10回ぐらいやってて打率何割だ、みたいに楽しんだりとか(笑)。新しいことを始める敷居が下がってきてるのかな、と思います。僕自身が思い描いてたことが徐々に実現し始めてるな、という実感はあります。何回でも使いたくなる、そういうサイト設計を心掛けて開発していく予定です。

中村

カウカモマガジン読者はどちらかというとエンドユーザーが多いと思うんですけど、Makuakeとの接点の作り方や、こんな風に使って欲しいというメッセージをお願いします。

中山

あまり難しく考えずに、世の中の新しいものが人より早く手に入るんだ、という気軽な感覚で見て欲しいですね。ちょっとまわりに自慢できて、面白いお店のロイヤルカスタマーとして一般顧客と違う立場から利用できる。それに、本当に毎日のように面白いものが出てくるので、「そういうのが欲しかった!」というものに出会う時がいつかきっと来ると思う。だからメディア感覚で眺めて、気に入ったものが見つかったら手に入れるっていうのが面白い体験かな。ワクワクして使ってもらえればうれしいです。

【番外編】中山さんが今ハマっているのは・・・自転車とレコード!

中村

では最後に、最近ハマっている暮らしのアイテムを教えてください!

中山

自転車なんですけど、ガチでいうと(笑)。最近ハマり始めて、昨日も三茶の自宅から吉祥寺まで自転車で行ったりとか。ロードバイクです。

あとは、ちょっと宣伝ぽくなるんですけど(笑)、Makuakeでクラウドファンディングに成功したamadanaさんとユニバーサルミュージックさんが共同で手掛ける「スピーカー内蔵レコードプレーヤー」を実際に使い始めました。もともと全然音楽を聞かなくて、何かきっかけが欲しかったんですよ。でもiTunesでダウンロードとか、普通すぎるじゃないですか(笑)。て思った時、アナログレコードだとかっこいいなと思って。なので、レコードを買いに行ったりしています。

こちらが中山さん所有の「スピーカー内蔵レコードプレーヤー」。アンプもスピーカーも内蔵されているオールインワンタイプで、針を落とせばすぐに音が出るから屋外にも連れていけます!

中山

面白いことに、妻のお父さんがめちゃめちゃ持ってたんですよ、昔のレコード。こないだ100枚ぐらいもらいました(笑)。ジェームス・ブラウンとかカーペンターズとかビートルズとか、70年代ぐらいに買ったものが、意外に今も全然よくて、生きていて。すごいんです、ジャケットが日本盤だからアルファベットを一文字も使ってない。「ヘイジュード」とか、カタカナで、逆におしゃれ(笑)。


さあ、前編後編に分けてお届けした、【Makuake × cowcamo対談】でしたが、いかがでしたでしょうか?

未知のワクワクが詰まったクラウドファンディング。ぜひ、あなたも今すぐ「Makuake」にアクセス! そして、今月号のカウカモマガジンで紹介中のプロジェクトの裏側も覗いてみてくださいね!

※トップの写真は、カウカモマガジンでもご紹介させていただいた、エジソンランプを目指したLED照明 “Siphon” のプロジェクトの打ち合わせ後の様子です。
このLED照明、ひとつあるだけ空間が一気におしゃれに・・・! こちらの記事もあわせて読んでみてくださいね。
https://cowcamo.jp/magazine/column/LED照明OnlyOneの挑戦

■取材協力:Makuake
WEBサイト:https://www.makuake.com/