日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする、萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。


こんにちは!カウカモ編集部のホンダです。今回やってきたのは「新宿」から小田急線でふた駅先の「参宮橋」。大都会のお膝元でありながら、落ち着いた空気漂う閑静な街並みが特徴的だというこのエリア、みなさんは訪れたことありますか?

何を隠そう、筆者がこの街を訪れるのは今回で二度目。前回はほとんど滞在できず『なんだか静かな住宅街だったなぁ』という薄ぼんやりとした印象があるのみ ……

そんな “参宮橋初心者”の筆者ですが、今日はエージェントに街とマンションを案内してもらって、脱初心者へのステップを駆け上がりたいと思います。

小田急線の終着点「新宿」のビル群が目前に

さてさて、まずは待ち合わせ場所の「参宮橋」駅西口改札前に向かいます。なんでもこの駅舎は2020年11月にリニューアルしたばかり、東京の木材(多摩産材)がふんだんに使われているのだとか。2018年にカウカモマガジンでこの街を取材した時とはだいぶ印象が違いそうです。

▼「参宮橋」に関する過去のインタビュー記事もあわせてどうぞ!
【 #参宮橋 】大都市の真ん中にある穴場。ゆとりを味わう「穏やかな」ベッドタウン

そんなことを調べつつ待っていると……

おはよう!

《プロフィール》松橋 翼(まつばし つばさ)
前職では、主に商業施設の企画・運営、テナントリーシングを担当。既存の不動産を再生し、新たな魅力を発信していくことに関心を持ちカウカモにジョイン。休日は家族でおしゃれスポットを巡って過ごす二児の父。

おはようございます。早速ですが、今回この街を選んだ理由を伺ってもいいですか?

それはもう、この街には非常に管理状態のいい上質なヴィンテージマンションが揃っているからですよ。

それに明治神宮・代々木公園に隣接しているから、都心に住みながら緑を感じられるというエリアとしての魅力も抜群。新宿や代々木上原のような街へのアクセスもポイントですね。

記事ではぜひマップを載せて欲しいな。

みなさま、こちらをご覧ください。他の街や明治神宮・代々木公園との位置関係が一目瞭然ですね。

OpenStreetMap contributors

それじゃあ街の位置関係も頭に入ったことだし、出発しましょう!

気品漂う緑

西口改札から北上すると、「参宮橋」という陸橋にたどり着きました。線路に架かるこの橋が駅名の由来なんですね。

松橋:そうそう。で、ここを渡った先が明治神宮。神 “宮” に “参る” 橋だから、参宮橋というんですね。せっかくだから明治神宮を散策して、“参宮橋らしい” あるスポットに行ってみましょう。

あるスポットとは...? 気になりつつ橋の向こうへ。

明治神宮境内にて

松橋:新宿や渋谷といった都会の目と鼻の先でありながら、こんなにも緑や土の匂いを感じられるなんて素敵ですよね。何となくここに来るとみなぎってくるというか、さすがはパワースポット(笑)

確かに、爽やかな空気を浴びて心なしか力が湧いてきたような。こんな場所を早朝にウォーキングして始まる生活に憧れます……

上・左下・「渋谷区立代々木ポニー公園」。右下・1921年(大正10年)に創設された老舗の乗馬クラブ「東京乗馬倶楽部」。

続いて、松橋に連れられたのが明治神宮に隣接する「代々木ポニー公園」。なんでも引き馬乗馬やニンジンやりなど、ポニーとのふれあいを気軽に体験できる場所なんだとか。ここが “参宮橋らしい”  スポットなんでしょうか……?

正確に言うと、この隣にある「東京乗馬倶楽部」がそのスポットですね。創設から100年という歴史ある乗馬クラブで、23区内で唯一乗馬を楽しめる場所なんですよ。

「参宮橋」を “乗馬という伝統と格式あるスポーツを嗜める街” と捉えてみると、なんだか洗練されたオトナなイメージが湧いてきませんか?

今日はそんなオトナたちにぴったりなヴィンテージマンションを紹介したくて、まずここにこようと思ったんです。

なるほど、乗馬を嗜むと聞いて “参宮橋初心者” の僕でも街の空気感が掴みやすくなった気がします。

ということでポニーたちに別れを告げ、松橋イチオシの管理良好、風格ありのヴィンテージマンションを目指します。

赤銅色の重鎮

歩くこと5分。目的のマンションってあのレンガタイルの建物でしょうか (想像していたよりこじんまりとしているような...?)

そうです!こちらが今回ぜひとも紹介したかった「東高代々木ペアシティ」。

この「ペアシティシリーズ」のマンションは都心にいくつか展開していて、どれも赤銅色の美しいレンガタイルが特徴的なんですよ。とは言っても、今は大規模修繕工事の真っ最中、外壁の養生が始まっているみたいですね(取材時は2021年12月)。

通りから見えているのはマンションのごく一部だから、中まで入って全貌を見てみましょう。

さてさて、ゲートを潜り抜けるともう一棟、立派な建物が姿を現しました。なるほど、先ほど見ていたのは氷山の一角にすぎなかったんですね。重厚感あふれる佇まいが美しくも頼もしい……ちなみにマンションの施工は、スーパーゼネコンのひとつ 竹中工務店が手掛けたんだとか。

1977年竣工、総戸数73戸の「東高代々木ペアシティ」。今現在行われている大規模修繕工事は2023年5月終了予定とのこと。

素敵なのは外観だけじゃありません、植栽やエントランスにもご注目を。

まるで庭園のような植栽、そしてホテルライクなエントランスがかっこいいんです。今日はお見せできませんが、共用部は内廊下になっていてそちらも綺麗で……

物件の専有面積は40㎡台からファミリーサイズまで様々。幅広い層の方が入居しているマンションなんですよ。細則付きですがペット可なので、ワンちゃん・猫ちゃんと暮らしたい方にもおすすめですね。

24時間有人管理&夜間オートロックで、心強いセキュリティ。『駐輪場を見るとそのマンションにどんな方が住まわれてるか何となく掴める』と話す松橋。チャイルドシート付きの自転車がちらほら、ファミリー層が多いように見受けられました。

大規模修繕中と聞いて、外壁をよく見ると点検中のタイルひとつひとつに番号が振られています。丁寧に建物が管理されている様を垣間見た気がします。

そしてこのマンション、実は「参宮橋」だけじゃなく「代々木」駅(JR山手線 ほか)「初台」駅(京王線)へのアクセスも良好。『複数路線が使える立地が絶妙』と松橋が太鼓判を押していました。

青空マンション行脚

まだまだ紹介したいマンションが盛り沢山ということで、われわれは首都高を潜り抜けて西へ向かいます。

1968年竣工、総戸数108戸の「秀和参宮橋レジデンス」。2017年に大規模修繕工事が行われたそう。

こちらは「秀和レジデンスシリーズ」の中で僕が一番好きな「秀和参宮橋レジデンス」。管理が行き届いていて、このエリアでは珍しく100㎡を超える住戸があるのがポイントです。

確かに青空に映える佇まいが美しい……なんだかエーゲ海の白亜の街並みを連想してしまいますね。

ファンの多い「秀和レジデンスシリーズ」、実は「泉岳寺」や「恵比寿」の建物も過去に取り上げてきました。ぜひこちらもご覧ください!
【泉岳寺 × 秀和高輪レジデンス × 青野未央】
【恵比寿 × 秀和恵比寿レジデンス × 守岡加奈多】

タイルのデザインが素敵なアプローチ。奥にはパラソルが立つ素敵な中庭も。

このすぐ隣に建つ「ニュー代々木マンション」もおすすめですよ。こちらも築古ですが管理が本当に丁寧で……白く輝く外壁がそれを物語っています。住戸位置によっては視界を遮る建物がないので眺望がいいのもポイントで、個人的にエントランスもレトロな旅館的で好きです。

そして「ニュー代々木マンション」の裏手にまわると、またしても「ペアシティシリーズ」の姿が。

左・1969年竣工、総戸数59戸の「ニュー代々木マンション」。右・先ほど紹介した「東高代々木ペアシティ」と同シリーズの「東高参宮橋ペアシティ」。出窓のデザインが素敵。

道すがら筆者が気になったのは紅葉が映えるこちらの建物。どんなマンションなんでしょうか?

1989年竣工、総戸数42戸の「ベルテ西参道」。

「ベルテ西参道」はこのエリアの中でも一際ラグジュアリーなマンションですね。広い車寄せのあるエントランス、天然石がふんだん使われたロビー、まるで高級ホテルといった雰囲気なんです。24時間有人管理 &2重のオートロックでセキュリティ面もしっかりされていますよ。

なるほど、この重厚感ある外観を体現するような仕様ですね……!

それにしても、どこもかしこも素敵なマンションばかり。その多くが築40年を超える建物ながら、丁寧な管理がなされ美しい状態を保っているのが非常に印象的でした。

こちらは左から1973年竣工、総戸数60戸の「ソフトタウン代々木」、1977年竣工、総戸数47戸「チサンマンション参宮橋」、1971年竣工、総戸数27戸の「代々木グランドコーポラス」。記事では紹介し切れないほど、さまざまなマンションに出会った取材でした。歩けば歩くほど発見がありそうです。

暮らしに彩を

こうした上質な住まいが建ち並ぶ閑静な住宅街には、以前「街の先輩に聞く!」で訪れた「LIFE san(ライフ サン)」をはじめ、気になるお店がところどころに。

上・「LIFE son」と「タルイベーカリー」。左下・作家による手作りの器、洋服やアクセサリーを扱う「Style-Hug Gallery (スタイルハグギャラリー)」。右下・「代々木倶楽部」。

都会的でおしゃれなお店が潜んでいるのもこの街の特徴ですね。「代々木倶楽部」に入ってる「レストラン代々木」は芸能人御用達との噂も。

暮らし面では、駅前から延びる「参宮橋商店街」に普段の生活に必要なお店がひと通り揃っているので不便はないはずです。

基本は近場で、それでも足りないものは「新宿」で。暮らしのイメージが湧いてきますね。

参宮橋商店街。「マルマンストア」や「まいばすけっと」といったスーパー、その他ドラッグストアや飲食店などが軒を連ねる。

最後に一箇所気になってた場所があって、寄ってもいいですか?

とやってきたのは、園芸屋さん? 住宅街の真ん中に突如現れた不思議なスペースへずんずん進んでいく松橋。

建物の中に足を踏み入れると、目に飛び込んできたのは真っ白い空間とアート作品の数々。そう、そこは「Picaresque(ピカレスク)」というアートギャラリーだったのです。

『写真も大丈夫ですよ』と、カメラを首から下げた筆者を見た、オーナーの松岡詩美さんがこころよく迎えてくれました(ギャラリーというとちょっと緊張してしまうのですが、その一言で気持ちがほぐれました)。

松岡さんによれば、このギャラリーは数年前に中目黒からここ参宮橋に移転してきたそう。奇しくもわれわれのオフィスも中目黒、勝手に縁を感じていた筆者です。

左・松橋が見入っているは、小野川直樹氏の作品。白い葉っぱのように見えるものは、ひとつひとつが小さな折り鶴。右上・2021年12月26日まで開催の企画展「額 100点展」。ここに集まっているのは個性豊かなハガキサイズの額の数々。ちなみに、オンライン上での作品購入はこちらで12月31日まで受付中とのこと!右下・ギャラリーの一角にある「手帳類図書室」では、日記やネタ帳など、あらゆる “手帳類” を収集する志良堂正史氏のコレクションを読むことも(こちらの閲覧は1時間1000円から)。

ついつい取材を忘れて、しばらくさまざまな作家さんの作品たちに目を奪われておりました……

それにしても、居心地のよいギャラリーでアートに気軽に触れられる街でもあるだなんて「参宮橋」は奥が深い!街の更なるポテンシャルを感じたところで、散策終了です。

取材後記

帰りがけ松橋に『そういえば』と連れられたのが「渋谷区立参宮橋公園」。住宅街のど真ん中にこんなにも開けて見晴らしのいい場所があるとは思ってもみませんでした。

都会の高層ビルを遠目にゆったりとした時間が流れる穴場、まさに「参宮橋」自体もそういう場ではないかと感じます。

「新宿のすぐ隣、線路や高速道路に囲まれた場所」という地図の上では騒々しいイメージすら抱きかねない位置条件ですが、実態はその反対。そこに広がるのは、洗練された空気漂う穏やかな住宅街。いわば “都会の隠れ家” なのです。

二児の父らしく、子どもの遊び場チェックにも抜かりない松橋。