「街選びの決め手は、好きな飲み屋があったから」。カウカモのお客様のそんな言葉にヒントを得て、特別企画を実施! パンが大好きな女優さんである木南晴夏さんをゲストにお迎えし、木南さんの好きなパン屋さんから、「住みたい街」について考えてみました。
■住みたいのは、大好きなパン屋さんのある街
“住みたい街” を決める時、あなたは何から考えますか?
通勤時間や教育環境、治安に加え、価格や沿線のブランドイメージと限られた条件から、物件のスペックを比較して・・・もちろん、それらは大切な選択基準です。
けれど一度きりの人生、もっと直感を、人との縁を、風が導く先を信じて、住みたい街を決めてみる、なんてことも素敵なのでは!? そう、あの赤いリボンの女の子と黒猫が、ほうきに乗って素敵なパン屋さんのある街に降り立ったように・・・。
今回は、個性派女優として各方面で活躍中、そして “パン好き女優” としても知られる木南晴夏さんをゲストに迎え『木南晴夏さんと行く、素敵なパン屋さんのある街』を前編・後編に渡りお届けします。
前編は、新宿からほど近く、自転車があれば渋谷へもすぐ。オシャレな飲食店が立ち並ぶハイソな街・代々木上原や、今注目な街! と言われる幡ヶ谷のすぐお隣の穴場な街、渋谷区は「笹塚」に降り立ちます。
“住みたいのは、大好きなパン屋さんのある街” ・・・そんな視点で、焼きたてのパンの香りに誘われて、路地を歩く猫のように、気の向くまま木南さんにお散歩していただきました。
■近所にあるいつものパン屋、OPAN(オパン)
季節は、梅雨。京王線笹塚駅から3分程歩いていると、雨が降る前の空気の匂いが、突然、芳ばしい香りに変わりました。現れたのはスカイブルーの扉がなんとも印象的、2年前に開店した「オパン」です。車が横付けし、自転車が停まり、朝から人がひっきりなしに扉を開ける、東京、笹塚の小さなパン屋さんです。
今回、木南さんに気になるパン屋さんをいくつか教えていただいたのですが、オパンを選んだ理由は、ずばり “ミルクフランス” が気になっていたからだそう。
私、朝から焼きそばパンとか食べちゃうし、ソーセージパンとかも好きで・・・。甘いパンはあまり食べないんですが、その中でもよく食べるのがミルクフランスなんです。
女優として半生近くを芸能界で過ごしてきた木南さんですが、“パンキャリア” が加速したのはここ最近。特に『おとなの週末(講談社)』での連載をきっかけに、Instagramを始めてからというもの、パンにまつわる情報の発信力も受信力もさらに高まったのだとか。
この、ミルクフランスもインスタで気になって、いつか行きたいリストに入れていたのだそうです。
■パンのショーケースは街の縮図!? 木南晴夏さんに聞く笹塚
インスタを見て、美味しそうだな、自分が好きそうだなって思ったらブックマークしてます。ロケで自分の馴染みのない街に行くことも結構あるので、ロケ先に行って、時間があったら周辺でパン屋さんを探したりします。
実は普段、自分からお店の人に声をかける方ではないんです。でも、こうやってパン関係のお仕事をきっかけに、パン屋さんにプライベートで行く時も今日のオススメを聞いたりするようになりました。
そう言いながら、次々に焼きあがるパンのひとつひとつが気になるご様子。
オパンさんて、オーソドックスなタマゴサンドとか焼きそばパンとかがあって、グリッシーニとかカヌレとかヨーロッパっぽいものもあれば、キャロットケーキとかアメリカっぽいものもあるし、日本のカレーパンとかもあるし、結構ジャンル的に広くて、気分で選べて楽しいですよね。
私、普段は車で移動することが多くて、笹塚の駅に馴染みはないんですけど、オフィスが多かったり、下町っぽかったり、こういう新しいお店が出来てたり、街も同じように結構、幅広いジャンルの人がいる気がします。
と、笹塚の印象を語ってくれた木南さん。さすが、ショーケースに並ぶパンのラインナップから、その街の特徴を読み取る、パン好きならではの視点。
■オパンから見た笹塚の日常風景。笹塚の馴染みやすさ、アクセシブルな地元感
実際のところ笹塚は、どんな街なのでしょうか? オーナーシェフの國井慎二さんに、オパンを笹塚に出店した背景を伺ったところ、木南さんの “パン考察” もあながち外れてはいないようで・・・。
京王線って高級なイメージがあったんですが、来てみたら、笹塚ボウルとか昔からあるものが大切にされていて商店街があっていい街だな~と思ったのが第一印象です。
笹塚って、初台とか代々木八幡の近くにあって、でもなぜか笹塚だけちょっとオシャレすぎないっていうか・・・馴染みやすい感じがしたんです。
お客様は、主婦の方はもちろん、男性も多くて、それぞれお仕事もいろいろで、OLさんや、学生さんやお子さん、年配の方と年齢層も幅広くって・・・。
そう、語りながらオーナー自ら店先で、お客様の濡れた傘を受け取ったり、雨で滑りやすくなったお客様の足元をじっと見ながら扉を開けたりと、とにかく目の前のお客様を一番に考えている様子の國井さん。
“わかってくれる人に、毎日、美味しいパンを届けたい” と言う静かな情熱が、控えめな行動やパンの味で伝えられます。そして、その結果が客足に表れるのでしょう。次第に強くなる雨の中、カジュアルな装いの気品溢れる奥さまが肩を濡らして来店しました。
「食パンを2斤いただけます?」
「スライスはどのようになさいますか?」
「六枚切りで。」
「みみはつけたままでしょうか?」
テキパキと対応するのは「家が近所で、パンに囲まれて仕事ができて幸せ」と話してくれた爽やかな笑顔のスタッフさん。食パンを入れた紙袋に、レインカバーをしっかりかけて丁寧にお客様に渡します。
「予約で売り切れてしまうこともあるのですが、私も食パンだけはこちらを食べて以来スーパーのが買えなくなってしまいました。」とこっそり教えてくれました。
素材と手間ひまを惜しまず、こだわり抜いてパンを作り、丁寧に笑顔でお客様に届ける毎日。それなのに、シェフも、お店で働くスタッフさんも素朴で気取らないのが、またオパンの素敵なところ。新宿や渋谷から近いながらも、ローカルな雰囲気が残る笹塚にお店があるからこそ、“少し電車に乗ってでも買いに来たくなる”、“ご近所ならいっそ毎日、通いたくなる” ものなのかもしれません。
木南さんは、先ほど奥さまが買った食パンの “断面の色” がどうしても気になったようで・・・
食パンは、ちょっと黄色くてブリオッシュ風なんですか?
いいえ、あれは小麦が黄色いものを使っているんです。穀物と言うより、ミルキーな味わいが出る種類のもので・・・
と、國井さん。すると、小麦の種類を尋ねる木南さん。
キタノカオリなんだ!
とうとう話題は小麦粉にまで及び・・・パン談義は、続きます。
誰にでも開かれたアクセシブルな地元感で、圧倒的に馴染みやすい渋谷区、笹塚。素朴だけど、だからと言ってありふれたものとは一線を画すオパンの実力と笹塚の街の魅力。この先、オパンの味が笹塚の味になっていくのかもしれません。
気がつけば扉の外の雨は小休止。濡れたアスファルトにスカイブルーが、また映えます。
さて木南さん、素敵なパン屋さんのある街を求めて、次はどちらへ向かいましょうか?
<オパン>
近所にある いつものパン屋さん
住所:渋谷区笹塚1-9-9
TEL:03-6407-8507
営業時間:AM 8:00 - PM 19:00
定休日:月曜日、火曜日
ウェブサイト:http://opan-bakery.com/
>こちらも合わせてどうぞ。以前、笹塚ボウルさんにもお話を聞かせていただきました。
【 #笹塚 】渋谷のCITY BOYは、笹塚ボウルで夜な夜なパーティーをする!?
>あなたにとって東京とは?
7/24(火)-7/29(日)あなたの知らない東京に出会う“音楽写真展” TOKYO SOUNDSCAPE by cowcamo開催!
\7月24日から!目黒CLASKAでSpotifyとコラボイベント開催!🎧/
— cowcamo(カウカモ) (@cowcamo_jp) 2018年6月19日
世界最大の音楽ストリーミングサービスSpotify (@SpotifyJP) と新しい街との出会いを提供する新感覚な展示イベントを開催!
参加クリエイターは7/4公開予定!stay tuned🎧!
▶︎https://t.co/V96lerLHAs#東京音風景 #カウカモ #Spotify
取材・文:國井千穂/撮影:廣川かりん/編集:國保まなみ・cowcamo編集部