中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。
今回訪れたのは、なんと専有面積の約半分がワードローブ(衣装部屋)として改修されたマンションの一室。そんなリノベーションや住まい探しの経緯について、住まい手とつくり手である建築家からお話を伺った。
■物件探しから並走して
コロナ禍がはじまった2020年頃、物件購入を検討し始めたごとうさん。ご友人が多く住まう “東東京エリア” でこの物件を探し出した。
ごとうさん:これからの人生を考えたときに物件購入の選択肢が浮かんできて、マンションを買うなら会社の元同僚だった菊嶋さんにリノベーションをお願いしたいと思って相談に行きました。
菊嶋さん:「これだ!」って物件には内見に一緒に行きましたね。「ここの壁がなくなったら開放的だね」みたいな会話をしながら物件を見て、一年くらいかけてやっとこの物件に出会えたんです。
■コンセプトはセレクトショップ
ごとうさんからの要望は、趣味の洋服が入るだけのクローゼットがほしいというのが主だったもの。ガラス戸やお気に入りのミラーを使うといった条件以外は細かい希望は出さず、基本的にknofさんにお任せしたそうだ。住戸の半分がワードローブという、この一見大胆な間取りはどのように生まれたのだろうか。
菊嶋さん:“優子さんがバイヤーとなるセレクトショップをつくろう” というコンセプトで設計を始めました。
優子さんが所有している膨大な服の量を聞いて、それなら内側にしまっておくより表に出した方がいいんじゃないかと思ったんです。
最初に3つくらいのプランをご提案したんですが、いちばん生活空間と服のためのスペースを分けやすい今の間取りに落ち着きました。
■洗面台には、お気に入りのミラーを
この住まいの特徴のひとつは、洗面を玄関前に独立して配置していることが挙げられる。目を引くのは宙に吊られたGUBI社の円形ミラーだ。
こちらはフランスのデザイナー、ジャック・アドネがHermesのためにデザインしたもので、ごとうさんがかねてから住まいに取り入れたかった逸品だ。洗面の天板の大理石とともにワードローブのアクセントになっている。
手触り感のある生活空間
内装のテイストは、好きなショップや住宅のイメージをごとうさんからknofさんに共有して決めていったんだそう。ハードボードやMDFといった木質の繊維板、モザイクタイルなど、質感のある素材を組み合わせた仕上げが特徴的だ。
ここで暮らしてみて
最後にこの住まいでの暮らしについて感想を伺ってみた。
ごとうさん:越してきたばかりは、こんな空間が実現できたのがうれしくて、ワードローブで好きな洋服たちを眺めながらお酒を飲んでました(笑)
こういう住まいで暮らしていると、これまで以上に綺麗好きになった気がします。ものが見える造りなので、居心地がいいように自然と整理整頓したくなるんですよね。
好きなものに囲まれて暮らしたい。リノベーションはそんな思いを実現する手段のひとつ。ごとうさんのように思い切って住まいの半分を趣味の空間にしてみたり、自由な発想で自分らしい住まいを追求できるのがその醍醐味だ。あなたもそんなリノベーションに挑戦してみませんか?
―――――物件概要―――――
〈所在地〉東東京エリア
〈居住者構成〉ひとり暮らし
〈間取り〉ワンルーム
〈面積〉52.67㎡
〈築年〉築51年(取材時)
――――――設計――――――
〈会社名〉knof
〈WEBサイト〉https://www.knof.jp/
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取材・文・撮影:本多隼人