「愛嬌がある」と萌えるマンション

ayako

レトロなマンションって『今の時代じゃこんなのつくんないよ!』って、どこかクスッと笑える要素があるものだと思うんだよね。威厳のあるヴィンテージとは違って。

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そうかも!

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レトロさに可愛げがあるというか、キュンとくるというか。蚤の市で発掘するアンティーク品みたいな……。例えば「目黒台マンション」の鳩のモザイク画とか、「○○苑シリーズ」の床の幾何学模様とか。

左・「目黒台マンション」のエントランスホール正面の螺旋(らせん)階段には、青空をバックに羽ばたくハトのモザイク画があります。ちなみに階段を上がると、昭和テイストな集会室も。/右・「マンション恵比須苑」の共用ロビーには、亀甲のような幾何学模様が。共用部内は屋内花壇やアーチなど、いまの時代ではなかなかお目にかかれないデザインのオンパレード。

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六本木にある「瀬里奈グリーンハイツ」の丸いバルコニーと丸窓もそういう雰囲気。建物全体が丸モチーフで可愛げがある。

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マンション敷地内に公園や遊具があるとか、プール付きとか。今はどんどん無くなっていっちゃってるけど…… デパートの屋上遊園地っぽさがあるというか(笑)。

左上・マンション黎明期に中野で高級分譲マンションとして建設された「ブロードウェイ」。共用部が充実していて、広々とした屋上庭園には、噴水や遊具があります。/右上・1970年に竣工した「日吉台マンション」は丘の上にどっしりと構えています。建物の裏手にはなんとプールが!/左下・「目黒サンケイハウス」はオリンピックイヤーの1964年生まれ。エントランス入り口横にあるのは、味わいある太陽と鳥のアート。色合いやデザインから滲み出る昭和感…… う〜ん、愛おしい!/右下・「ドルチェ大森山王」は、西欧リゾート風で強い日差しがよく似合う色合い。ランタン風の門灯には植物モチーフの装飾! 細かな面格子も可愛すぎ♡

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可愛かったりユニークな意匠が多いけど、それが管理状態の良さとは直結しないから注意は必要!

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うん、意匠と管理状況は別物。意匠に機能的な意味はなさそうだけど、装飾は可愛くて萌える。意匠がきれいなまま保存されてるってことは、一種住民が建物を大切にしていることの現れでもあると思うけどね。

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なんかファンシーな感じがするよね。あと純喫茶っぽい! 照明とかタイルの意匠も似てると思うんだよね! 雰囲気も格式高いお屋敷のティールームとかじゃなくて。

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うん、ちょっと庶民的なところがあるというか。

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ゴージャスではないんだよね。でも愛着が湧いてくるような、一点もの感が強い

建て方と装飾が古めかしくて愛おしい

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「弦巻リハイム」の雁行(がんこう)したフォルムや、エントランスに池があって、鯉が泳いでたりするのもレトロでいい。

桜新町にある「弦巻リハイム」は1974年生まれ。バルコニーが隣合わないよう、段々に配置する雁行(がんこう)スタイルで建てられている。

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そうそう、いまの時代でこの建て方ってなかなかしないよね。

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あとはレリーフが特徴的な「シャンボールシリーズ」も好きだな。「シャンボール松濤」とか!

渋谷にある1969年竣工の「シャンボール松濤」。花柄のレリーフやアールがかったバルコニーがとってもチャーミング!

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総戸数50戸以下というサイズ感も含めて、愛嬌だよね。私はお城っぽい外観の「秀和青南レジデンス」にも惹かれる!

南青山にある「秀和青南レジデンス」。赤い屋根や階段部分の丸い塔などがお城のような雰囲気。

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「秀和レジデンス」といえば、青い瓦屋根のものがほとんどだけど、「秀和青南レジデンス」は赤い屋根なのが特徴的。緑屋根の「秀和深川森下町レジデンス」も好きだな〜! 管理もいいし、南側は小名木川ビューだし。

1974年竣工、総戸数156戸の「秀和深川森下町レジデンス」。以前は「秀和シリーズ」らしいブルーの屋根でしたが、いつの間にか深緑に塗装されていました!

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ちょっと大きめなマンションでいうと、「経堂セントラルマンション」「久我山ハイム」「マンション池上」「野沢ハイム」あたりもいいよねー! 渋くておじいちゃんっぽいんだけど、そこが可愛くて好き♡

左上・1969年竣工「経堂セントラルマンション」。/右上・1970年竣工「マンション池上」。/左下・1966年竣工「久我山ハイム」。/右下・1967年竣工「野沢ハイム」。……たしかにどれも色味や装飾面は地味めですが、貫禄の滲む外観!

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一部分だけタイルを貼って装飾してるのも可愛い。

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この時期メゾネット住戸が流行ってたってのもあって、構造にも似たところがある。メゾネットで構成されているマンションの中には、エレベーターが各階に停まらないものも。それもマニアックな視点として伝えたい!

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ほんとだ! 年代がほぼ同じ(笑)。住戸が階段を使わなければいけない階にあると嫌われちゃうこともあるけど、窓が共用廊下に面していないことでプライバシーを守れたり、いいところも結構あるんだよね。

▲メゾネット住戸の間取り事例。共用廊下は下階にしか通っていないため、北側の洋室の先にもバルコニーが設置されている。

【愛嬌があるマンションの特徴】
・機能性はないけど愛らしい装飾
・どこかクスッと笑えるファンシーな雰囲気
・現代では積極的に採用されない建て方

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