リノベーションって実際どんなふうに進んでいくの? リノベの裏側に密着! カウカモの第1号エンジニアである中村のリノベーションストーリーを4回に分けてお届けします。
こんにちは! カウカモ編集部の國保(こくほ)です。
カウカモ第1号エンジニア・中村の、「物件探し+リノベ」に密着しているこの企画。学芸大学に未改装(リノベーション前)の中古マンションを購入し、フルリノベーションをしていく様子をご紹介してきました。
【01.物件探し】編、【02.プラン決定&解体】編・【03.リノベーション工事】編を終え、ついに今回で完成です! さあ、どんな内装に仕上がったのでしょうか!?
■クリーニングを終えて……ついに完成!
の前に。まずは、もとの間取りを思い出しておきましょう。
はじめは、和室2部屋の2DKでした。
今回はそれを、ワンルームとして広く使えるようなレイアウトに変えるリノベーションでしたね。
それでは早速写真で見比べていきましょう!
はじめのこの渋い和室が、
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解体されて、スケルトン状態になって……
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こう変身!
おお!!
また別の角度から見てみると……
これが、
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解体されて、スケルトン状態になって……
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こうなりました!
もはや、同じ部屋だとは思えない大変化……! 何度味わっても、フルリノベーションの変化ってものすごいですね。
そしてこの写真、じっくり見てもらいたいのですが、
突き当たりの青く塗装された部分、一見収納スペースなように見えて(実際に左半分は収納スペースなのですが)、右半分は実は “扉” になっているんです!
ドアノブを引っ張るとなんとその先には、洗面所にトイレ、洗濯機置き場にお風呂と、水まわりスペースが広がっているんです……! これはたとえ中村家でトイレを借りたくても、部屋の中で迷子になること間違いなし(笑) 隠し扉みたいで面白いですよね。
続いては、くるっと右に90度、いや120度、体を回転させて……右側に注目! 青ではなく、緑色に塗装されたキッチンスペースが広がっています。リビングの一角にドーンと広がっていて、これは使い勝手がよさそう!
そしてさらに右を向くと、そこにはこーんな広々リビングが広がっていました。
右手の窓の下には造作の大容量の収納スペース兼棚があって、突き当たりには壁一面のソファー。
自分たちにインテリア選びのセンスがないとわかっていたので、インテリアもなるべく造って欲しいとお願いして。
当初の希望通り、造り付けのソファーを用意してもらったのでした。(ちなみに、このソファーは蓋を開けると収納スペースにも。中村の大好きなお酒をストックしておくのにぴったりの高さだとか!?)
■ハーバリウムや寝室はどうなったの?
さて、設計をお願いしたswarmからの予想外の提案だったと語っていた「ハーバリウム」はどうなったのでしょうか?
ハーバリウム=植物標本の意味で、ここでは観葉植物を置ける空間のことを指していて。
窓際にあって洗濯物も干せる実用性も兼ね備えたスペースなんだけど、洞窟みたいな雰囲気で部屋に奥行きがあるように見えるから、ぜひ造りたいってプッシュされました(笑)
それがこちら!
写真中央の、白いスペースがハーバリウム。あたたかな光差し込む、なんだかちょこっと神秘的な雰囲気の空間に。確かにひとつ空間ができることで、部屋に奥行きがあるように見えますね。
そして、このハーバリウムとキッチンの間の扉の先には寝室が広がっていて……
寝室の中からリビング側を見るとこんな造りに。
扉を閉めると、キッチン裏部分に大容量のクローゼットが広がっているのでした!
■今回のリノベーションのコンセプトは「光と風と人が集う窓辺のある家」
さて、ご覧いただいているswarmによる今回のリノベーションですが、建築家の言葉にするとこんなふうに綴られるようです。
House N (2018) - 光と風と人が集う窓辺のある家 -
東京都内の賑やかな商店街を抜け、大通りに面して建つ築47年のマンションの角部屋住戸の内装リノベーション。
要望は、夫婦2人暮らし、子供が小学生になった時に売るか貸すことを視野に入れ、「家で働くこともでき、友達を呼んでホームパーティーが気軽に楽しめる、人が集まる家」。
これに応えるため、広い主室を玄関や寝室、サニタリーなどの付属室が囲む様な構成とし、玄関から直接、主室にあがれる動線とすることで、人を呼びやすい様になっている。
また、主室と付属室はキッチンやクローゼットとなどの<大きな家具>によって隔てることによって、壁で仕切るとは異なる、おおらかな分節になることを意図している。
さらに、人々が集まる主室の窓辺には、ベンチや飾棚、ハーバリウムの小上がり、denのテーブルといった<小さな家具>が取り付けられ、光や風、富士山への眺望を取り込む居心地のいい場所となっている。
これらの空間を彩るように、薄く化粧したコンクリート現しの天井、モルタルの梁、木のフローリング、窓辺の家具など、さまざまな質感や凹凸によって生み出される陰影が、季節や時間によって異なる室内風景をつくりだし、その時々を楽しめる家となっている。
設計:swarm
ふむふむ。ぜひこれらの言葉をじっくり味わいながら、もう一度内装を見てみてくださいね。
■その後の実際の暮らしぶりは?
さて、リノベーションの完成、引っ越しとほぼ同時期に、お子さんが生まれ家族が増えた中村家ですが、「家で働くこともでき、友達を呼んでホームパーティーが気軽に楽しめる、人が集まる家」との言葉通り、頻繁にホームパーティーを開催しているようです◎
最後に、今回の経験を経ての感想を中村に聞いてみると……?
以前は家はプライベートなもので、だから心地よいと考えていたけれど、日高くんの提唱する「住宅はなるべく “開いた状態” にした方がいい」という価値観にノッたほうが、これからの自分の人生は豊かになるなと感じて、その直感を大事に家を買うというプロセスを楽しみました。
※「住宅はなるべく “開いた状態” にした方がいい」という言葉は、日高家の取材記事の中盤参照のこと。→「29歳の建築家が祖母から引き継ぎリノベーション! あえての “隙” を残す、富ヶ谷100㎡の家」
また、ホームパーティーをやり始めて気づいたのは、こだわりを持って作ったワンルームの空間で親しくしている人がくつろいでもらえると幸せだということ。
そして何より、お酒を飲みすぎてもそのまま寝れることも最高です。
……というわけで、中村の物件探し+リノベーションに密着企画、これにて終了です。
ここまでお付き合いいただいた皆さま、ありがとうございました! 事務所での打ち合わせに同席させてもらうことから始まり、中村邸に足を運ぶこと計7回。この記録が、理想の家探し、そして家づくりのヒントとなれば幸いです。
ぜひあなたもカウカモで家探ししてみてくださいね!
◎ここまでのストーリーはこちらでcheck!
→【01.物件探し】編、【02.プラン決定&解体】編、【03.リノベーション工事】編
取材・文・撮影:國保まなみ、竣工写真提供:swarm