「一点もの」の住まいに出会おう。
カウカモで、まさに一点ものの住まいに出会い、新生活を始められた皆さまを撮影させていただく「カウカモグラフ」。
今回は、荻窪に中古マンションを購入、フルリノベされた40代後半のご夫婦のもとを訪れました。
《プロフィール》
名前:健太郎さん / 三枝子さん
年齢:47歳 / 46歳
職業:共に会社員
趣味:<おふたり>旅行(特に東南アジア) / <健太郎さん>パチスロ / <三枝子さん>ヨガ
《この住まいについて》
場所:荻窪
間取り:1LDK+WIC
面積:73.26㎡ +バルコニー 8.25㎡
築年数:築45年
リノベ:フルリノベ
支払い額(以前の住まいと比べて):10㎡広くなった / 13年で完済予定のため月々の支払いは大幅アップ
家を探し始めたきっかけ:賃貸更新のタイミング
家探し期間:2週間
内見数:2軒
リノベーション期間:3ヶ月
Q1:以前の住まいは?
健太郎:前は井の頭公園のすぐそばに賃貸で8年ほど住んでいました。天井が4mくらいあって、とてもいい部屋でしたね。
三枝子:三角屋根で大きい天窓があって、光が入ってとても気持ちがいい家でした。
健太郎:でも駅からは遠くて、歩いて20分くらいかかっていました。健康にはよかったんですけどね。
家を探し始めたのは賃貸の更新がきっかけです。ずっと賃貸というのもそろそろどうかなと思いまして。でも東京に住んでいなかった時期もあったし、前の更新の時は買うということは全く考えていなくて、家を買おうなんて思ったのは最近ですよ。どっちも九州出身なので、東京で家買うなんてまずないなと思っていました。
三枝子:買ってもいいかな? くらいにしか思っていませんでしたね。
健太郎:それこそ “カウカモ” だよね。衝動買いでした(笑)。
Q2:この街《荻窪》にした理由は?
健太郎:ずっと中央線沿いに住んでいたので、住むのであればこの辺かなと。吉祥寺から高円寺くらいまでの間で。
三枝子:買う買わないはさておき、カウカモさんのページは数年前からいつも見ていまして。たまたま富士見ヶ丘(京王井の頭線沿線)に「この部屋いいね!」という物件があって、内見してみちゃう? と見に行ってみたんです。そこは結局ピンとこなかったのですが、その場で家探しの条件の話をエージェントさんにしたら探してくれて、ここを見つけてくださって。荻窪は以前住んでいたこともあったので、駅近の利便性や買い物のことなどはすぐにイメージができました。
Q3:この家に決めた理由は?
三枝子:駅から近くて、広さは70㎡くらいあって、ペットが飼えることが、最初の条件で。
健太郎: そう。ここの決め手は値段のバランスと、利便性や立地ですね。自分たちでリノベーションをする前提だったので、リノベ済みで値段が高くなっているものではないものを、というスタンスでした。中はリノベーションでどうにでもなると思っていましたし。
それに駅から近いので、年取ったマンションですがそこまで価値が落ちないかなと思ったんです。井の頭公園のところにも同じようなマンションがあって、よく似ているんですよね。同じくらいの年代であっちも価値が落ちていませんから、そういう需要があるかなと思ってまあいいかと。僕は80年代後半に建てられた物件はあまり好きじゃなくて。共用部分が派手だったり余計なものがついていたり。なので、ここはそういうものがなくてシンプルだったのがよかったですね。
Q4:《中古マンションを買ってフルリノベ》以外の選択肢は検討した?
三枝子:絶対に買いたいと思って探していたわけではなかったのですが、もし買うのであれば古い物件を買って自分たちで好きなようにフルリノベーションしたいなとは思っていました。新築の間取りが好きではなかったんです。
健太郎:新築を買うと壊すのがもったいないしね。要は、ハコだけ売っていて中身はノータッチという物件がよかったのですが、意外と少ないですよね。
もしかしたら買うかも? と思って問い合わせたのがカウカモさんが初めてだったので、ほかのモデルルームなども見に行ったことがないんです。ずっとwebでは見ていたのですが、実際に内見したのは初めに見た物件とこの家だけなので、比較対象はそれだけでした。
Q5:内装はどうやって決めていったの?
健太郎:最も内装の参考になったのは「LANDLIFE 調布国領(※)」ですね。
※ カウカモでプロデュースしている、一棟丸ごとリノベーション物件。
三枝子:リノベーションで部屋がどう変わるのかのイメージの参考にエージェントさんがLANDLIFEを紹介してくださったので、契約前に行ってリノベーション済みの内見可能な部屋を全部見ました。
実ははじめの頃は、この家が欲しいとあまり思えていなかったんです(笑)。どんどん話が進んでいく一方で、「え! 買うの!? 買っちゃうの!?」と内心思っていて。古いし、天井は低いし・・・と思って不安でした。今まで住んでいた賃貸が天井がすごく高かったのもあって、圧迫感を感じてしまって。
でも、LANDLIFEを見せていただいたことで、リノベーションでこんなに綺麗になるんだなとイメージができたので、じゃあいいかと心が決まりました。天井は低いけど眺望はいいから、天井や壁の色を工夫してうまいことリノベーションすればなんとかなるかなと、ようやく思うことができました。
健太郎:そこからは、まずこの部屋に合った内装案を出していただいて、どんどん詰めていった感じです。最初は3LDKだったのですが、僕たちふたりに丁度いい間取りの1LDK+WICにしました。1LDKにプラス2部屋はいらないんですよね。物置きみたいになっちゃいますから。
三枝子:前の家でも部屋の間仕切りを取って、広いワンルームみたいなことにしていたので、とにかく大きな部屋がひとつあればいいと。
健太郎:あと、ここではネコを飼いたくて、キャットウォークを作りました。
三枝子:ドアにもネコ用ドアをつけて。棚にも穴を開けたりして、そこを通ってくれたらなと人間の勝手な希望を(笑)。ネコは今年の冬くらいにお迎えしようかなと思っています。
Q6:購入にあたって不安に感じたことや乗り越えたことは?
三枝子:築古のマンションなので、結露とかすきま風は大丈夫かなと不安でした。古い物件を買ってフルリノベーションをしようと考えてはいたのですが、いざ実際に物件を見てみるとかなり心配になった部分はありましたね。最初の一ヶ月は、正直不安なままでした。
でも、お部屋のデザインをしてくださった方と、施工会社の方と打ち合わせをした時に、もう一気に気分が変わりました。何を聞いてもすごく的確に答えてくださって、できることとできないことがはっきりわかったし、そこで楽しくなっちゃったんですよね。あの方たちが楽しそうにプロフェッショナルな仕事をしてくださる感じがとてもよかったです。古いが故に出てくる問題は、ご相談しながら一つひとつ解消していった感じです。窓も二重サッシにしたりだとか。
健太郎: 僕は共用部分で自分たちがどうにもできないところは気にしました。配管の水の音とか、古いと周りの音が響いたりするのではないかと気になりましたが、住んでみると全然音がしなくて、うまく造ってくれたんだなと思いました。
三枝子:工事中は結構音が聞こえるなと思っていたんですけどね。あとは、途中で見に来た時に結露が出ていたので、また素人ながらになんとかならないかとお願いして、窓近くに結露対策の換気扇をつけていただいたりもしました。おかげで冬の間は結露はなかったです。
健太郎:ローンに関しては、“貯金” だと思っているんです。そう思うとそこまで苦にならないですね。賃貸だとそのまま無くなっちゃいますけど、駅近だし売るときには価格が落ちても2、3割かなと思っていますので。あとは、いつクビになるかわからないので(笑)、早く払い終わっちゃった方がいいと思って13年で返す計画にしました。
三枝子:みなさん長くローンを組むけど、30年後とか考えていないよね。働いている間に返し終わりたいと思っています。
健太郎:払い終わっていれば、その時点で取れる選択肢があるだろうと思うので。
三枝子:ずっと住むのか、東京離れるのか、わからないですからね。
健太郎:地方だと家を買っても価値は落ちてしまうけど、東京の駅近の家くらいだよね、貯金している感覚で買えるのは。物件そのものは価値が落ちないと思いますが、ここまでリノベーションしてしまったので、その分は “貯金” ではなくて “贅沢” の部分になってしまいましたが(笑)。
Q7:カウカモで家を買ってみてどうだった?
三枝子:とってもよかったよね。担当のエージェントさんは、何を聞いてもレスポンスがすごく早くて助かりました。ローンに関しても管理人さんとのやりとりも早くて、とても信用できました。
健太郎:エージェントさんの誘導の仕方に負けちゃいましたね(笑)。あら、いつの間に契約? みたいな。気付いたらデザイナーさんや施工会社も決まっていたりと、チャキチャキされていたので、その波に乗ってしまっていました(笑)。まあでも、逆にそっちの方がよかったかなと僕は思います。あまり選択肢があってもわからないし、こっちは知らないことだらけですから。できることとできないことをはっきり言っていただいたので、よかったなと思っています。
あとは、LANDLIFEを見ることができたのはとてもよかったですね。案内している方の説明もお上手で、あれでフルリノベーションへの自信が湧きました。
Q8:この家のお気に入りの場所やこれから楽しみにしてることは?
三枝子:私はキッチンかな。キッチンに立って景色をぼーっと見るのが好きですね。こんなにどーんとした感じにするつもりはなく、思っていたよりキッチンの存在感はありますが(笑)。
健太郎:私は土間です。マンションの玄関なのに靴を履いても歩けるスペースがあるので、ここは遊びの部分ではありますね。
書斎には床暖房を入れたので、夜中でも仕事ができるのでかなり活用しています。賃貸の時は食卓でやっていましたが、初めてゆっくり仕事ができる感じです。やりようによってはバーカウンターみたいになるので面白いですよ。
健太郎:あと、壁材が気に入っています。
三枝子:珪藻土で壁と天井を塗っているんです。そうすると、灯りをつけた時の感じがよくて。
健太郎:珪藻土のおかげかわからないけど、あまり咳もしなくなりましたし、結構熟睡できるんですよね。
三枝子:あと、壁は全部真っ白だと寂しくなるかなと思ったので、一箇所だけアクセントウォールにしました。
健太郎:これからの楽しみは、やっぱりネコが来ることかな。
三枝子:部屋のグリーンも増やしたいね。
健太郎:土間にも増やしてね、ジャングルまでとはいかないけど(笑)、もっといじれば面白いかなと思っています。
Q9:これから家探しをする人にアドバイスがあれば教えて!
健太郎:アドバイスするほど探していないよね(笑)。思い立ったらすぐ買った方がいいということかな。あまり出来上がったものにこだわらない方がいいですよ。やっぱりぴったり来るものって少ないと思うので、住むからには自分たちで手を加える前提でね。100%を目指さずに、内装はいじる前提で予算を組んで買うのがいいんじゃないかなって。
三枝子:そうですね、100%私の大好きなこれ! っていう物件はないんですよね。でもそれを作ることはできるから。
健太郎:あと、何かテーマがある物件を買った方がいいですね。例えばここは富士山が見えるとか、駅近であるとか。そういうテーマがあると、この家っていいなと思えるんですよ。新しいとかそういった理由だけで決めるのではなくて、何かテーマがある方が愛着も湧くのではないかなと思います。
三枝子:うん、愛着が湧きますね。あとは、住むところって家の中だけじゃなくて “街” だから。荻窪に住むか、港区に住むか、台東区に住むかで全然違いますよね。自分のライフスタイルの中で好きな場所がいいですよ。
健太郎:あ、あともうひとつ。この高さの建物って、もうこの地域に建てられないんですよ。結構それは決め手でしたね。
三枝子:ここは低層の住宅地で、今この高さを建てようとすると違法になってしまうんです。
健太郎:だから既得権みたいな感じでね、それもテーマのひとつです。
三枝子:そもそも、私は家を買おうと思っていなかったので(笑)、家を買うのって本当に大変だなって思いました。考えれば考えるほど躊躇しちゃったりすると思うんですよ。でも多分なんとかなるので、思い切って勢いで買っちゃってもいいのかなという気がします。
撮影・文:廣川かりん/編集:國保まなみ