日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする・萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。


こんにちは! カウカモ編集長の伊勢谷(いせたに)です。今回から新連載がスタート。日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントと一緒に、彼ら・彼女らが萌える街・マンションをご紹介する企画です。

気持ちの良い秋晴れが広がったこの日、降り立った駅は「表参道」。今回は原宿駅・明治神宮前駅へ下る “神宮前エリア” ではなく、青山通りの南東側、“南青山エリア” を案内してくれるようです。さて、本日ナビゲートしてくれるのは・・・?

《プロフィール》森 勇貴(もり ゆうき)
エージェントチーム・マネージャー。マンションデベロッパーへ入社後、2013年よりツクルバへJOIN。カウカモ立ち上げ期から主力メンバーとして日々仕事に邁進。自身も中古リノベーションマンションを購入後、さらに内装に手を加え、家族とともに自分たちらしい暮らしを実現している。(取材記事はこちら!)

ヴィンテージマンションの宝庫「南青山」

表参道交差点からガラスのファサードが印象的なPRADA方面へ通称 “みゆき通り” を歩いて行くと、駅A5出口の真上に「南青山第一マンションズ」(1970年竣工)が建っています。淡い茶系のタイルがクラシカルな印象で、3面を道路に囲われ、横長にドンと建つさまは重厚感たっぷり。植栽もきちんと手入れがされていて、見ているだけで管理体制のよさが伝わってきます。敷地の角には「大松稲荷神社」があり、なんだか縁起までよさそう。でもマンションエントランスの横にはなんと・・・ “建築計画のお知らせ” 。

ここ、去年建て替えが決まったんですよ。敷地面積が広い上にこんな駅前だから、いまよりも大きな規模が建てられるし・・・資産として考えた時に住民が損をすることがないから、きっと管理組合の話し合いが上手くまとまったんでしょうね。

たしかに標識を見ると、平成32年末には地上22階建ての共同住宅が竣工予定とあります。こんな駅前にタワーマンションが建つなんて、街の風景がガラリと変わってしまいそうで少し寂しい・・・と、のっけからシュンとしてしまいました。でも、青山通りと六本木通りの間にはまだまだ現役のヴィンテージマンションがたくさんあるんです。

左・ハイブランドがゆったりと店を構える路地の間に顔を覗かせているのは、黒川建設が手がけた「シャトー東洋第1」(1969年竣工)。/右下・マンションの中にショップが入居しているケースも。人気セレクトショップArts&Science(アーツアンドサイエンス)が手がける「OVER THE COUNTER」では、カウンター越しに店員さんと会話をしながら、商品の魅力や使い方を聞くことができる。

左・「根津美術館」の前で一枚。芸術に触れたあとは館内の「NEZUCAFÉ」で、ガラスの外いっぱいに広がる緑に癒されるのがオススメ。/右上・「パレス青山」(1969年竣工)の2階部分にもArts&Scienceの店舗が並びます。ヴィンテージマンションに店舗を構えるのは、ヴィンテージの小物や洋服を扱うお店のコンセプトと合致してるから? と、ふと考えました。/右下・中庭を囲うようにL字型に建っているのは「南青ハイツ」(1970年竣工)。敷地の使い方がとても贅沢。

外国人向けに設計された “ホーマットシリーズ”

さて、表参道から六本木通りに向かって路地裏を歩いていくと、見えてくるのが2棟の “ホーマット” 。森はなぜ、数あるマンションの中からこちらを紹介しようと思ったのでしょうか?

どのマンションを紹介しようかめちゃくちゃ迷ったんですけど、やっぱり “ホーマットシリーズ” は格好良いから純粋に大好きなんですよね。興和不動産が分譲したマンションシリーズで、設計をホーマットホームズ社が手掛けています。

緑に覆われたこちらが「ホーマットグリーンヒルズ」(1972年竣工)。お隣には1934年築の近代建築を改修した老舗フレンチレストラン「L’eau a la bouche(ロアラブッシュ)」がある。

光沢のある鈍色のモザイクタイルに、ゴールドのマンションロゴ。エントランスの前には綺麗に剪定された松の木と、椿が花を咲かせていました。見上げると、赤く紅葉した枝葉の後ろに見えるファサードが、実にモダンです。

“ホーマット” は終戦後に駐在していた上級将校や外交官、外資系企業に勤めるVIP向けに建てられたマンションシリーズなんです。当時の日本の住宅って天井は低いし、間取りもダイニングキッチンに6畳間がいくつかとか、細切れだったじゃないですか。そこで、彼らが母国と同じ生活ができるようにっていうコンセプトの元で建てられたんですって。

「ホーマットグリーンヒルズ」の向かいに建つのが「ホーマットヒルズ」(1988年竣工)。グリーンヒルズ竣工から約16年後に同じマンションシリーズが向かいに建ったと知ると、なんだか感慨深い。

当時はマンションを建てる時、いまほど植栽の重要性って考えられてなかったみたいなんですよ。そんな中で自然環境との調和を考えたホーマットは画期的だったみたいで。しかもここに住まう外国人の方が日本らしさを感じられるようにって、エントランス周りには石畳や灯篭、室内には障子や引き戸を用いたそうですよ。なんか日本と海外の架け橋みたいで、素敵なエピソードだと思いません? 

左・道路に面する部分には、日本古来の松などの木々と灯篭が。/右・石畳はエントランスの奥まで続いている。集合ポストや部屋番号の標識など、レトロなデザインに心を動かされる。

戦後から建ち始めたということは、ちょうど日本人が和服から洋服へと着替えていった時代とも重なります。もともと西洋のデザインを好む日本人にとって、ホーマットシリーズは憧れの存在であり続けているのです。

左上・敢えて道路からまっすぐ建物内に入るのではなく、アプローチに小道を造っている点も素晴らしい。エントランスが丸見えにならぬよう、目隠しの役割りも果たしている。/左下・ホーマットのフォントやロゴは、このシリーズの代名詞のひとつ。

やっぱりカッコイイなぁ〜。実は千代田区の番町にホーマットが5棟建ってた通りがあって、通称 “ホーマット通り” って呼ばれてたんですけど、その内2棟は建て替えになっちゃったんですって。

森と同様に、わたしも “ホーマットシリーズ” が大好き。街で思いがけず出くわすと、萌えすぎて前をしばらくウロウロしてしまうくらい(笑)。以前別のホーマットシリーズのマンションを取材したことがありますが、共用ロビーや廊下に貼られた柄入りゴールドのクロス、一文字ずつ斜めに貼られた部屋番号の標識、エレベーター横の壁からせり出した鉄の灰皿など、すべてのディティールにただただ感動したのを覚えています。都心部に多く建っているので、みなさまもぜひ街歩きの際に探してみてください。ドッシリとした立ち姿と、あのフォントやロゴがヒントです。

まだまだあります、ヴィンテージマンション

“南青山エリア” には、本当にたくさんのヴィンテージマンションが建っています。調べてみると、その多くは1970年周辺に建てられたものが多いよう。そう考えると、やっぱり都心の一等地に居を構えようと思うと “築年数の経過したマンションを選ぶ” という選択肢が当然のように思えます。いい場所には、すでにいい物件が建っている訳ですから!

左・「南青山ハウス」(1970年竣工)。白亜の外観に、ポコンと出たエントランス、アーチを描くバルコニーが可愛い。/中央・「青山コーポラス」(1965年竣工)。日本初の民間分譲マンションを手がけた信販コーポラスによるシリーズもの。雁行した外観と、四角いバルコニーが特徴。エントランスは新築さながらに改修されています。/右・「シャトー東洋南青山」(1971年竣工)。こちらは竣工当時のレトロモダンなデザインが随所に残っており、中でも円柱を囲むように配された吹き抜けの回路は圧巻。ファンの多いマンションです。

この辺りに建ってるマンションって、重ねた年月がきちんと味になっているところが多いですよね。もちろん、管理体制がよくないとこういった味は出せません。

マンションの管理って、住民の方々の意識が色濃く反映されるもの。金銭的に余裕のある方々がお住まいなので当然といえば当然なのかもしれませんが、こうしたマンションの前を通りがかるたびに “自分たちの住まいをいつまでも美しい状態に保ち続けよう” という強い意志を感じるのです。ある意味そういった住民の方々の住まいに対する誇りやプライドが、街並みを美しく維持し続ける大きなポイントになっているのだと感じます。

左上・「南青山アパートメンツ」(1972年竣工)のエントランス前には池があり、錦鯉が泳いでいる。/左下・一方、数は少ないものの、築浅の高級マンションも存在する。「ザ・パークハウスグラン南青山」(2016年竣工)は三菱地所レジデンスの最高級ブランドで、取材日には重厚感あるコートを羽織った女性コンシェルジュが車寄せで住民と話をする姿も。/右・インテリアや内装設備のショールームも多数ある。こちらはキッチンをメインに扱う「TOKO KITCHEN STYLE」。

六本木通り沿いには渋谷や六本木方面へ向かうバスが多数走っているので、実は地下鉄だけじゃなくてバスも便利なんですよ。表参道の駅前には「紀伊国屋」や「NATURAL HOUSE」なんかのスーパーもあるし、生活にも不自由しません。

左上・六本木通り沿いでは頻繁にバスが行き来している。/右上・気軽に最高級の芸術に触れられるのもこのエリアの特権。こちらは老舗ジャズクラブ「BLUE NOTE TOKYO」。/左下・最近駅前にオープンしたのはフランス発の冷凍食品専門店「picard(ピカール)」。/右下・みゆき通り沿いにある「港区立青南小学校」。

みゆき通りの終わり、根津美術館交差点手前に建つ「王子ホームズ青山」(1972年竣工)。2009年には日本初となる、既存マンションの免震補強工事を行いました。コンシェルジュサービスやジムに加え、なんと敷地内にはバーベキューコーナーも設置。奥に「六本木ヒルズ」が顔を覗かせている。

取材後記

「さあお昼にしよう! 」と入ったのは、以前このエリアで家探しをされていたお客さまに連れて来ていただいた、思い出深いお店「FiGARO」。パリの街角を想起させる外観や内装、真っ白なブラウスに蝶ネクタイ姿のボーイさんたちがチャキチャキと立ち回る姿も清々しい。

左上・ここだけパリの街角のよう。/左下・ランチコースの前菜に「ムール貝の白ワイン蒸し クリーム仕立て」をチョイス。プルプルでとっても美味しかった! /右・窓の外に「王子ホームズ青山」を望む。

カウカモを立ち上げた2015年当時、森とわたしのふたりであちこち駆け回っていた時期を思い出しながら、いまもそれぞれ森がエージェントチームのマネージャーとして、わたしはカウカモ編集長として変わらず奔走する毎日。それぞれの近況報告をしつつ、やっぱり表参道で食べるランチは格別なのでありました。

牛フィレステーキを頬張る森。美味しいものに目がない彼がうれしそうに食べる姿を見ていると、こちらはなんだか姉の気分でほんわかした気持ちに(笑)

彼ほど精力的に仕事にプライベートに駆け抜ける人は見たことがありません! 立ち止まると具合が悪くなるんだそうですよ(笑)。まだ若いのに本当にしっかり者で、実に頼もしい仕事のパートナーです。これからもエージェントチームを率いる頼もしいエースでい続けてくれることに期待!

そして表参道という街に建つ “ホーマット” 。地価が高い街だからこそ、建物の建ぺい率・容積率にゆとりがあれば、建て替えだって叶ってしまいます。でも記事内でもご紹介した昨年竣工の「ザ・パークハウスグラン南青山」は、事業関係者だけで総戸数の8割は埋まってしまい、分譲されたのはわずか20戸ほど。中でも約220㎡の住戸は8億円弱で販売されたと知り、ふつうに生きているわたしからすると “夢物語じゃん! ” って思ってしまう訳です。

でも、この街で暮らすことを諦めたくない方だってたくさんいらっしゃいますよね。そういう方にこそ、ヴィンテージマンションをオススメしたいのです。築年数が経過していることさえ受け入れられれば、管理はご紹介してきたように折紙付きです。中古であっても周辺相場より高いのは事実ですが、それでもこの周辺で新築が販売されるのを待って、数億円支払うよりもずっと手が届きやすいと思いませんか?

次回はエージェントチーム・ユニットリーダーの《長谷川定(はせがわさだむ)》が担当予定。ご期待ください!

 

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