カウカモが大切にしている思いや世界観を知っていただくべく、ワークショップやトークライブなど、様々なイベントを開催しています。ここでは、先日開催したイベントの様子をお届けします。
cowcamo ClasuRoom(暮らすルーム)クリスマス特別編 開催!
12月19日(水)、クリスマス特別編と題して「映画×街×クリスマス」をテーマに「cowcamo ClasuRoom(カウカモ暮らすルーム)」を開催しました。ゲストはカウカモではもうお馴染み、移動映画館「キノ・イグルー」の有坂塁さん。レディースデーのスペシャル企画として、ドレスコードには赤のアイテムをチョイス♡ 華やかな雰囲気の中開催されました。
■ゲスト・プロフィール
キノ・イグルー 有坂 塁さん
2003年に有坂塁が渡辺順也ととも設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、毎朝ご自身のInstagramに、目覚めた瞬間に思いついた映画を投稿する企画「ねおきシネマ」など、大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
HP:http://kinoiglu.com/
instagram:@kinoiglu
▶以前、カウカモマガジンで取材させていただいた記事はこちらから。
過去のイベントレポートはこちらでお読みいただけます。→第1弾「映画で引き立つあなたの暮らし」。第2弾「映画 × 街 × 恋愛」。第3弾はイベントの紹介ページ「もっと!映画で引き立つあなたの暮らし」。第4弾、以前大いに盛り上がりをみせた「映画×街×恋愛」を再び!
ファシリテーターには、クリスマスのライトアップされた街を歩くのが苦手だと話す、カウカモ 編集長 伊勢谷亜耶子。同じくこの私も苦手に感じています(笑) 今回のイベントを機に、今年こそクリスマスのキラキラした街を楽しむぞ!と意気込んで参加させていただきました。
■クリスマスは幸せの代名詞
1年のイベントの中でも、特にクリスマスが好きだと話す有坂さん。実は移動映画館「キノ・イグルー」も、子供のころに経験したクリスマスが原点になっているということを教えてくれました。
移動映画館は、映画を通してみんなが幸せになれるような空間を作りたいという思いから始めました。ルーツは幼少期に経験した、楽しいクリスマスの思い出からきています。人とコミュニケーションを取ることが大好きな母親だったので、クリスマスは毎年仲のいい友人家族と一緒にホームパーティーをしていました。クリスマスソングを流しながらみんなでする準備も、楽しい記憶として覚えています。そんな経験から「キノ・イグルー」でイベントをする時なども、あの時に感じた楽しい空気を目指して作り上げています。
■クリスマスを過ごしたいのはこんな街
ここで参加者さまから事前にいただいた「クリスマスを過ごしたいのはどんな街?」という質問を有坂さんに伺ってみました。
有坂さんは王道ですがと照れながらも、クリスマスの「表参道」はどうしても歩きたくなってしまうとのこと。電飾が煌めく街並みに、その灯りを楽しみに集まるたくさん人たちの笑顔。そんな非日常感のある雰囲気を毎年楽しみにしているそう。
変わって伊勢谷が思い描いたのは、大学生時代を過ごしたという「横浜」のクリスマス。ライトアップされた「赤レンガ倉庫」や観覧車も素敵だったといいますが、意外と「横浜市営地下鉄ブルーライン」沿線の小さな商店街で過ごしたクリスマスも記憶に残っているそう。
店先でケーキが売られていたり、街灯に手作りの飾り付けがされていたり、街を上げてみんなで楽しもうとしているのが伝わってくる、そんな温かな雰囲気がすごくよかったことを覚えています。
これには有坂さんも共感。
クリスマスは都心で楽しむものっていうイメージが定着しつつあるけど、例えば松陰神社前のような、小さいけど人と人の距離が近く感じられる魅力的な街で過ごすのも、また新しいクリスマスの楽しみ方としていいんじゃないかなと思っています。「クリスマスの時期だけ楽しむのってどうなの」というような意見もありますが、今日は楽しもうっていう一日が一年間の中にあるってことはすごく素敵なこと。この時期をどう楽しむかってことを、みんなで考えていけるような世の中になればいいなって思います。
■映画の中のクリスマス
続いて有坂さんオススメのクリスマス映画を2本、紹介していただきました。まずはスウェーデン映画「やかまし村の春・夏・秋・冬」からクリスマスのストーリーを。
1900年代頃の古きよきスウェーデンの文化や日常を描いたこちらの作品。素朴で温かみのある描写に、会場はほっこりとした空気に包まれました。
僕が幼少期に経験したのは、まさにこの映画に出てくるようなクリスマスでした。子どもって全てを楽しもうと思って生きているんですけど、クリスマスのときは子どもだけじゃなくて親も一緒になって楽しい時間を生み出そうとしているんですよね。いつもと違う大人の様子に違和感も覚えるのですが、その時の空気とかエネルギーってやっぱり心に残るんですよ。自分たちも楽しい空気を作るためのお手伝いをすることで、クリスマスを成功させることに参加しているという経験ができたことは大きかったなと思います。
2本目はニューヨークの大都会を舞台にした、ファンタジックコメディ映画「エルフ〜サンタの国からやってきた〜」。
全米大ヒットを記録した本作品。昔からなんとなくある日本とアメリカの笑いのツボのずれが理由で、実は日本での公開はされなかったとのこと。私も拝見しましたが、クスッと笑えるシーンもあり、涙を誘うシーンもあり・・・。世代を問わず、沢山の人に楽しんでいただけそうな映画でしたよ。
また2001年のアメリカ同時多発テロ以降、クリスマスを楽しむという風潮が弱まっていたそう。しかし、本作品と同時期にイギリスの大ヒット映画「ラブ・アクチュアリー」も公開され、再びクリスマスを楽しもうというムードが世間に戻っていくきっかけにもなったといいます。
■第2部:もしも有坂塁が映画監督だったら? 映画化したい「妄想クリスマス映画」
頭の中はクリスマスのことでいっぱいになってきましたね。続いて来場者の皆さまにも参加していただき、ワークアンドトークのコーナーへ。ここでは「どんなクリスマス映画を観たいか」を妄想してもらい、そのストーリーとタイトルをグループに分かれて共有。そして各グループの代表作品から、もし有坂さんが映画監督だったらという視点で、どれを映画化したいかを選んでいただきます。
クリスマスソングが流れる中、みなさんの妄想は広がるばかり・・・♡ グループの中で「それはいいね!」「こんなのどう?」など会話が弾み大いに盛り上がりをみせました(笑)
■ノミネートされた5つの作品
そして、見事選ばれたのはこちらの作品!
「たきびとごはん」
クリスマスには美味しいご飯が欠かせない。ターキーの丸焼きを食べたり、チェコでは鯉料理を食べるという文化があったり。そんな数々のご馳走は、どんな背景から始まったのでしょうか。クリスマスの食材を集める旅の中で、生き物の命をいただく意味や歴史を知る。新たなクリスマスを紐解くロードムービーです。
サンタやプレゼントなど一般的なクリスマスのイメージがある中で、ご飯という所にフォーカスされたのは新しい視点。食材を探しに行くロードムービーという所までイメージが出来上がっていたので、観てみたいという好奇心が湧いてきました。それに、実際に監督をするなら誰をキャストにしようかなという所まで妄想が膨らむ内容でした。
最後に、有坂さんが移動映画館を始める前に実践されていたという、妄想遊びを教えてくださいました。
小説が原作の映画は世の中に沢山あります。まだ映画化されていない小説を見つけて読み終えた後に、誰をキャストにしてどんな音楽をつけようかなど妄想してみると、映画の見え方が変ってくると思いますよ。実際小説が原作の映画を観ると、なんでこのプロデューサーが起用され、この監督に任せたのかななど、新たな視点から映画を観ることができます。ぜひ試してみてくださいね。
いかがでしたか? 年に一度、街中が華やかな雰囲気に包まれるクリスマス。おしゃれして街に繰り出すのも、家族や友人とご馳走を囲んでパーティーをするのも、のんびりクリスマス映画を鑑賞するのも素敵ですね。自分らしいクリスマスの過ごし方に出会うきっかけとなれば幸いです。
今回のイベントが2018年最後の企画となります。今年もカウカモに関わっていただいた沢山の方々、マガジンをご愛読いただいた方々、本当にありがとうございました。また来年も新たな暮らしとの出会いをお届けできるよう、様々な企画盛りだくさんでお送りします!
Merry Christmas & Happy New Year!
取材・文・撮影:野原茂香