マンション売却で利益は出るの?税金の計算方法と押さえるべきポイントを解説
お金の話
不動産価格が右肩上がりにあがっている時期は、マンションの売却によって売主に利益が発生することがあります。ただし、利益が出たら課税される可能性もあります。
そこで、マンション売却で利益を出す方法や税金の計算方法を説明します。
この記事は、不動産売買&リノベのサービス「cowcamo(カウカモ)」が提供しています。カウカモでは、中古マンションやリノベーションマンションの売却・購入をお手伝いしています。
マンションを売却すると利益は出やすい?
2021年11月現在、都市部では不動産価格の値上がりが続いています(※1)。
(※1)参考:2021年11月30日 国土交通省「不動産価格指数、住宅は前月比1.3%上昇」
このため、築年数がそれほど経過していない物件であれば、売却金額が購入価格を上回ることは十分に考えられます。
一般的に築年数が古い物件は売却価格が下がりがちですが、築古物件を得意とする不動産会社に売却の相談をすると、想定外に高額での売却につながる可能性もあります。
例えばカウカモで売却すると、築年数15年〜20年ほどの物件においても、購入金額より高くなる傾向が多く、売却金額が上回る可能性が高いです。
カウカモは、築古マンションやリノベーション済みマンションの販売実績が豊富で、売却サポートの体制も整っています。中古・リノベーションマンションの購入を希望する方を多く集客しているため、短期間で成約できる可能性が高くなっています。
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マンション売却の利益を算出する方法
購入金額より売却価格が高くなったからと言っても、売却価格がすべてマンションの売主の利益、すなわち手取り金額になるわけではありません。
売主がマンションの売却によって得られる利益は、売却額から譲渡費・税金を差し引いた額となります。譲渡費・税金については後ほど詳しく解説します。利益の計算式は以下のとおりです。
売主の手取り金額 = 売却額 – (譲渡費+税金)
このような計算式で売主の手取り金額が決まります。
マンション売却時にかかる税金
マンションを売って利益が出ると譲渡所得税がかかるので注意が必要です。譲渡所得税の計算方法は次のとおりです。
譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率
例として、マンション購入金額や売却価格を以下と想定して算出していきます。
- マンション種類:居住用マンション
- 売却価格:5,000万円
- 購入価格:4,000万円(土地500万円、建物3500万円)
- 譲渡にかかった費用:100万円
- 取得にかかった費用:70万円(土地20万円、建物50万円)
- 経過年数:6年
- 構造:鉄筋コンクリート造
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譲渡所得の計算方法
譲渡所得税額を把握するためには譲渡所得を算定する必要があります。譲渡所得の計算方法は、以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却金額 - ( 取得費 + 譲渡費 ) - 特別控除
上記のように、売却金額から取得費と譲渡費を足した金額を引き、特別控除を差し引くと譲渡所得が算出できます(※3)。
取得費・譲渡費とは
譲渡所得の計算式の中にある取得費とは、マンションを購入した際にかかった費用をいいます。マンション購入費・リフォーム代・登録免許税等から減価償却費を引いた金額が取得費です(※4)。
上であげた例では、マンション購入価格4,000万円と取得にかかった費用70万円を合算した4,070万円から建物分の減価償却費を差し引いた金額です。なお、減価償却費の計算方法は後述します。
続いて、譲渡費とはマンションを売却した際にかかった費用をいいます。譲渡費に当たるのは仲介手数料・測量費・印紙税などです(※4)。上であげた例では譲渡にかかった費用100万円がこれにあたります。
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減価償却費の計算方法
不動産は土地と建物から成り立っており、建物については減価償却が必要です。具体的には、建物の取得費を算定するときに、建物の購入代金などの合計額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。
そもそも減価償却は、不動産などを購入した年に一括で費用として計上せずに毎年一定の金額ずつ所得から差し引く処理をいいます。
居住用の建物における減価償却費の計算方法は以下のとおりです。
非事業用不動産の減価償却費相当額
= 建物の取得費用 × 0.9 × 償却率 × 売却までの経過年数
償却率は建物の構造に応じて国税庁が定めています(※5)。以下は、非業務用建物の償却率です。
区分 | 木造 | 木骨モルタル | (鉄骨)鉄筋コンクリート | 金属造① | 金属造② |
償却率 | 0.031 | 0.034 | 0.015 | 0.036 | 0.025 |
(※5)出典:国税庁「No.3261 建物の取得費の計算」
上であげた例では、建物の取得費用はマンション購入価格のうち建物分3,500万円と取得にかかった費用のうち建物分50万円を合算した3,550万円です。
また、建物の構造が鉄筋コンクリート造なので償却率は0.015が適用されます。さらに、売却までの経過年数は6年です。したがって、減価償却費は以下のように計算されます。
減価償却費相当額 =3,550万円 × 0.9 × 0.015 × 6 =287万5,500円
よって、マンション全体の取得にかかった費用の合算額である4,070万円から減価償却費287万5,500円を差し引いた3,782万4,500円が取得費となります。
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税率の計算
譲渡所得にかけ合わせる税率は、所得税・住民税・復興特別所得税の税率を合算した数値です。これら3種類の税金をあわせて譲渡所得税と呼びます。
譲渡所得税の税率は、所有期間が5年以下か5年を超えるかによって変わります。
土地や建物を売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合、長期譲渡所得という扱いになり税率は合計20.315%となります。これに対し、所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率は合計39.63%です。
上の例では、譲渡所得は以下のとおり計算されます。
譲渡所得 = 売却金額5,000万円 - ( 取得費3,782万4,500円+ 譲渡費100万円)=1,117万5,500円
所有年数は5年を超えているので長期譲渡所得となりますので税率は合計20.315%です。したがって、上の例における譲渡所得税額は以下のとおりです。
譲渡所得税額 = 1,117万5,500円 × 20.315% =227万302円
このように、マンションを売却して利益が出るとこれだけの税金がかかりますので注意が必要です。
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マンション売却で利益を得るために押さえるポイント
マンションの売却により最大限の利益を得るためには、収入を最大化して費用を抑えることが必要です。
そのためのポイントを以下で4つ説明します。
査定前に室内を整える
不動産を高く売却するためには、物件の第一印象が大切です。そのために、査定や内覧の前に室内や玄関などを掃除し、整理整頓をして清潔感を出しましょう。
また、インテリアなどの内装を整えることで印象を良くすることもできます。
査定・物件紹介が丁寧な仲介業者に依頼する
築年数や広さだけでなく、立地などの条件を加味し、物件情報を魅力的に掲載している仲介業者を選びましょう。
カウカモは、築年数や広さなどの条件以外にも、眺望の良さや立地なども考慮して査定しています。また、リノベーション済みのマンションであれば内装や使われている素材など、物件そのものの魅力を引き出す多角的な査定を実施しています。
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時間に余裕を持って手配する
焦って売りに出すと希望の価格がつかない可能性があります。このため、できるだけ時間に余裕を持って売却のための手配をすると良いです。
居住用のマンションの場合には、買い手がつきやすい時期とつきにくい時期があります。したがって、需要のある時期に売りに出すことで売却価格をあげられる可能性があります。
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譲渡所得の控除を活用する
自宅マンションを売却した場合は、譲渡所得税について特別控除が適用されます。
具体的には、売却するマンションが居住用財産である場合に、短期譲渡所得か長期譲渡所得かを問わず最高3,000万円の特別控除が受けられます。
したがって、譲渡所得が3,000万円以下であれば、特別控除の適用によって譲渡所得税がゼロとなります。
また、自宅を売却して以前より高価な住宅に買い替えた場合には、課税を繰り延べることができます。
例えば、居住用財産を令和3年12月31日までに売却して新たに自宅を購入した場合、旧自宅の譲渡による損失(譲渡損失)が生じたときは、譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)できるというものです。
したがって、給与所得者や事業所得者など、他の収入がある人は節税につながる可能性があります。
注意点として、税法上の特例は自動的に適用されるわけではありません。確定申告において特別控除を適用すると申告する必要があります。確定申告の手続きに不安がある場合には早めに税理士などの専門家に相談しておくと安心です。
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売却しても利益が出なかった場合も課税される?
売却により利益が出なければ譲渡所得がマイナスになるので、売却額に課税はされません。損失については他の所得と損益通算が可能となります。
状況・ケース別の税金計算方法
マンションを売却する状況やケースごとに税金の計算方法は異なります。
相続したマンション売却時・投資用マンション売却時と代表的な2つのケースをご紹介します。
相続したマンションを売却する場合
親などから相続したマンションを売却する場合、相続税を譲渡所得の計算において控除する取得費に加算できます。
なお、相続によってマンションを承継する場合には、被相続人が締結した契約書が行方不明になっているなどの事情により購入時の価格がわからないことがあります。
このような場合には、売却による収入額の5%を概算取得費とすることができます。
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投資用マンションを売却する場合
売却するマンションが自宅(居住用)である場合には、個人間の取引ということで土地及び建物について消費税は課税されません。
しかし、売主が事業として投資用マンションを保有している場合には、消費税が課税される可能性があります。例えば、サラリーマン大家が副業として不動産賃貸業をしている場合であっても、前々年の課税売上高が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。
なお、投資目的であっても、土地の売却は消費税非課税です。
マンション売却時の確定申告
マンションを売却したら確定申告が必要になります。
申告のために必要となる売買契約書や領収書など、必要な書類は捨てずに必ず保管をしましょう。確定申告については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご一読ください。
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まとめ
マンションの売却で想定以上の利益が出た場合には、譲渡所得税が発生する可能性があるので注意が必要です。納税は売却の翌年となるため、納税資金を確保しておかなければなりません。
また、確定申告のために契約書など多くの資料が必要となりますので、早めに不動産会社や税理士などに相談しておくことも大切です。
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